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[53473] 食事作法

詩人:緋文字

黙々と運んだから

何を食べたかとか
何を飲んだかとか
覚えてはいないけど

伏しては犬の様だから

何を見たかとか
何を聞いたかとか
流し込むことで
顔を上げていたけど

噛み続けたから

睨んだ色も
刺の動きも
手にした骨も
薄めた舌先でだけ知って

味覚は確かかと
目の前のモノ
中に入れなければ
皿の隅に追いやれて

こうも
下してしまえたから
何か 起こるたび
お腹が減って仕方ないのは
ただの名残りだ

気の済むだけ
喰らったら
拭って勘定
去るだけ

胃酸過多胃拡張


食いっぷり誉める貴方は
いつまでも鼻先に

平らげてしまわぬよう
どうか どうか
遠ざけた皿の上に

2005/10/26 (Wed)
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