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[68970] せつな

詩人:凜一

刹那、切なく
思い出すのは
君の声

僕の肩に顔うずめて
「ごめんね」と泣いた
君の声


粉雪舞う
三月のこと


幼い
恋をしていた

抱きしめることで
すべて伝わると思っていた


僕が遠くを見る

その刹那
君が淋しい顔をすること

僕は気付けずにいたんだ



どうか醒めない夢でありますように

手のひらに溶けてゆく雪を見つめながら
願ったこと

情けないこと
知られたくなくて

どうすれば大切にできるのか
分からなくて


いつか醒めてしまうとわかっていたから

ただひたすらに
願ったこと



ああ

今でも 僕は
幼い恋をしている



刹那、切ない
夢を見る

キオクの中の
君を抱く

涙あふれ

僕はまた

ひとりになる

2006/03/12 (Sun)
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