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[140008] 一人の男

詩人:ノリ

遠い昔 とある町に
心の小さな男がいました

それでも
地位は高く
とてもお金持ちで
身体は
やっぱりポッチャリ系

家族は三人
私だけポッチャリ系で

それでも幸せな生活
そんな私でした

私の嫁や子供には
着物や簪、玩具やお菓子
欲しいと言われるモノは
何でもかんでも
全て買い与えていました

私は、買い与える事で
幸せも序でに買っている
そんな感覚だったのです

みんなが笑ってくれるなら傍に寄り添ってくれるならなんて

今思えば
私のお金は笑顔の片道切符だったのかも知れません

もう帰ってはこない

あの時の幸せも
あの時の地位も
あの時のお金も

みんな

あの時は良かった
幸せでした

いや 
ただ私は

幸せと云う言葉を
履き違えて
きたのかも知れません

履き違えてました

気付いた時には遅かった

本当の何かはお金では
買う事が出来ない事を

心でしか買えないモノ

お金で買えない何か


私には心しか残ってない

そこに
本当の何かが
見えてきました

私は最後の小判を
団子に変えると
寺子屋の子供達に渡し

この町が昔の私と
重なって見えるから


遠い昔に
旅に出ました


ぽっちゃり系の心も連れて

2009/02/15 (Sun)
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