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[195223] たぶん

詩人:遥 カズナ

いつか詩は
AIが
誰の心をもうつ
文章で紡ぐようになるだろう
そう
全てが極限の分析の対象になり
あらゆる文化の人が各々の世紀を経て書きしるしてきた
その文字の一欠片、行間、句点が
どのような言語、意図と才能で推敲され導かれ
辿ったのか
AIは
幾千、幾億、幾京回も解析をおしすすめ
はてしのない人のわがままを
まんぜんとかかえ込み
観察し洞察し結論をまとめ上げ
そのある頃、永遠の傑作を文字にしはじめ
本当に詩は
まるで選りすぐりのサラブレッドの毛並みと、なによりその繊細を海の熱帯魚を
陸のカメレオンが凝視し、最高に擬態し尽くした
何も足すこともひくこともいらない
人の「筆舌に絶する」と言う言葉の本当の意味
を体現し
その極まりない価値すら飛び越え
今更、つまらなく映るしかない人を完全に置いてきぼりにして
究極の結論へと駆け走り登り、炸裂にいたり
さらに研ぎ澄まされていくだろう

私はこの世代の内に
人の書く意味の残骸の薪を拾い
荒涼たる裾のを
独歩してきたそれぞれが
終わりの行列に合流し
寄る辺のない
燃やす価値すらもない薪の苦悩を抱え
残酷な結末に至る刹那を
ついに心から感動する詩に休まるだろう




2018/12/27 (Thu)
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