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高級スプーンの部屋  〜 「うらしまたろうゆめからおちた」への投 票 〜


[45220] うらしまたろうゆめからおちた

詩人:高級スプーン

夢から覚めた 薄暗い部屋 体が動かない 見たこともない部屋 昨日、寝た部屋とは違う場所 誰も居ない 昨日は隣に彼女が居たのに 「誰か居ないのか」 言ったのに声にならない 突然、目の前が真っ白に 光の先、叫び声がした 意識が朦朧としてきて もういいや 寝 よ  目が覚めると 僕を取り囲むように人が立っていた 知らない顔ばかり並ぶ 「君は眠っていたんだ、四十年間ずっと」 何言ってんだ  学校に行く途中 飛び出してきた車に撥ねられて そのまま意識を失って いままで  確かに事故にはあったけど でも僕はその衝撃で異世界に飛ばされて 妖精に出会って 勇者に選ばれた僕は 冒険の旅に出て 多くの仲間に出会い 多くの敵と戦って そして彼女と出会った 世界を旅して 夢のようだったのに 夢だったなんて 信じられるか 鏡を向けられた 写っていたのは 痩せこけた老人 これが僕 まさか 「リハビリをして 取り戻しましょう」 何をだよ 魔王を倒して 平和になった世界で 彼女と暮らすんだ なのに夢だなんて 悪い夢だ もう一度、目を閉じれば 元の世界へ  冷える頭 冴えて眠れない 眠れない もう帰れない 夢から落ちた

2005/08/19 (Fri)
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