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[64774] 朝起きてトイレに行くまで

詩人:高級スプーン

のろのろと歩く僕
屋根を外せば
コーヒーを飲む
太陽は呑気だな
今だけは同じかな

朝には不可欠な
緩やかな風景は
静かに颯爽と過ぎ去る
雲に連れられて

ハトが寝呆けて
鳴き声を間違えた
それを聞いたカラスは
無意識に嘲笑う
スズメは相も変わらず
ヒステリックに叫んでる
朝の不協和音は
束の間の静寂をも壊す

空は何色でも
トイレに行かなきゃ
眠気に紛れて
憂欝が
じわじわと顔を出す

のろのろと歩く僕
時計の針と
競争する気なし
穏やかなのは今だけ

温もりから離れて
幸せはもう
肉眼では捕えられない
ピンボケ写真を
2、3枚残して
遥か遠くへ

2006/01/30 (Mon)
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