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高級スプーンの部屋  〜 「巨象's high」への投 票 〜

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[90359] 巨象's high

詩人:高級スプーン

機関銃のごとく
続け様に吠える巨象
耳を澄ませば
前が視えない
耳を潰され
聞こえないんだ
ノイズみたいな
貴女の悲鳴も
踏み潰されて
ぺしゃんこに

イッチニ!
イッチニ!
よく食べて
よく歩く
たまに止まれば
欝になる
よく眠れずに
よく寝不足
無気力でも
無欲じゃなくて
よく食べて
よく歩く
イッチニ!
イッチニ!

白い息と
共に洩らした
小さな呻き
遅れて聞こえる
我鳴り声
もう手遅れだ
意識は既に
持ってイカレた
だからお前は

戦車みたいな
巨象にグシャリ
頭蓋骨複雑骨折
前頭葉はどれだ
アタマがなけりゃ
そりゃもうスッキリ
嗚呼、素晴らしき清涼感
それでも残るモヤモヤよ
まだ不十分不快感
首から下も滅茶滅茶に
一つ残らず踏み躙って

お前の血は豹柄か
それくらい
まともじゃないこと
平気な貌して
やってのける日常
激しく穏やかに

名前で選んだ
パンツァーファウスト
ブッ放し獲る
ハイエンドな昂揚
凄まじく爽快に

関係ない人達をも
巻き込んで
心行くまで破壊する
それで楽しいだなんて
どうかしてる
そう思うんなら
どうにかしろ
踏まれているのは
お前か俺か
訊いちゃいないな
自分(ヒト)の話
聞こえないな耳元で
五月蝿く巨象が
哭いているから

語りに入り
そろそろ終わり
赤・白・黄色
綺麗に咲いた
ネオンに照らされ
明暗入り交じる街中
地平線さえ消えていた
取り残されたんじゃない
お前が拒むから
仲間はいなくなった
違う
最初から
仲間と呼べる奴なんて

怖い
知りたくないと
駄々をこね地団駄
進退なく
その場でイッチニ!
1―1だけ妙に巧い
巨象達に
踏み固められた己は
虚像と同化し
道化のように
道化のように
道化のようにはなれないな

笑ってくれる
彼女はいない
巨象に踏まれて
ぺしゃんこに

2006/11/29 (Wed)
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