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[91967] クリスマスの品格

詩人:高級スプーン

スーツを着ると
なぜかあなた
死人みたいな顔になる
そう言われたって
裸じゃなんだし
人に会わせる
服もないしな

メールや
チャットが精一杯
身体は硬化し
声を出すにも
動かぬ声帯
きみからの電話も
取る前に切れた
なのに
鳴り止まないのは
この心臓

それでも
仕事に行かないと
この単調さに
意味も薄弱
何もしたくないのが本音
いや
それさえも嘘なのか
使い古された毎日は
ネクタイの数と同じ
少ない中から
選りすぐり
過ぎてゆく毎日
うんざりしながら
与えられた仕事
やらせてもらうだけ

兎や魔女が怪しく笑い
夜が輝き
奇声が聞こえる
合わせて胸が騒ぐから
慌てて
シャッターを閉め
どうにか眠る
思いきや
襲われる夢を見て
すぐに飛び起きる

塞いだ心に
目を向けると
そこには
心ないグラフィティ
描かれていて
傷付いても
現状は
代わり映えしない

こんな時にこそ
上を向いて
そう言われても
狭い空
眺めてどうしろと
風景も死にそうだし
このまま進めば
待つのは
在り来たりな滅び方
危惧も虚しく
終わっていく
この路
どの道もう終わり

終着駅まで
あと一週間
こんな状態じゃ
新しい始まりにも
ついていけそうにない
余計な事は考えるな
それより
きみに
会いに行かなきゃ
赤い服は持ってないし
着ていく服がない
パジャマじゃ駄目だよな
待ち合わせ
何時だっけ

2006/12/24 (Sun)
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