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高級スプーンの部屋  〜 「∞−君<2」への投 票 〜

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[97802] ∞−君<2

詩人:高級スプーン

よっ人類!
気軽に声をかけて
振り向いたのは
驚いたお婆ちゃんが1
睨むサラリーマンが3
見下す目をしたOLが2
ビクついた腐女子が1
その中に君の姿はなくて
振り向かなかった
その他大勢
その中にも君の姿はなくて
何事もなかったかのように
走りだす地下鉄の電車
その先に君の姿はなくて

君の名前も知らない天秤は
正確な重さを計れずに
逆方向に傾いた
帰る家は確かにそっち
友達も見ず知らずの人も
親も兄弟も僕もそっち
人の命を平等に
正確に計りたがる天秤は
君以外に傾いた
坂を下る地下鉄の電車
その先に君の姿はなくて

2≠1+1で
2>1+1で
∞‐1<1と入力
コンピューターに
拒否られた
数学者に
難しいことを言われた
君は何も言わなかった
振り返らずに反対側に
一人坂を登って苦しんだ
ほぼ垂直の急斜面
落ちていくのは
地下鉄の電車

よっ人類!
振り向いた人類半分
振り向かなかった残り半分
今日からここが
新しい世界
地下鉄の電車から降りて
新しい世界に入る
「お帰りなさい」と
声がする
その先に君の姿はなくて
「ただいま」を言えない
間違いのない世界に
1人取り残されたのは
僕の方
正しい方向に傾いた
地下鉄の電車は走る
君を乗せて
その先に僕の姿はなくて
ここにいるのは
たった1

2007/03/08 (Thu)
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