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[1244] 春風の町

詩人:孤 花

仕事の帰り道

花の香りが漂ってきた

白と濃い桃色の

私が大好きな沈丁花の香り

世界で一番愛してるその香りに

引き寄せられて

思わずひとつ摘んでみた

それをそっと握り締め

川沿いを歩く


なんていいお天気

昨日あんなに眠れなかったのに

清々しい


強風にあおられ飛ばされそうになりながら

それがまた心地いい

もっと吹け


川に目をやる

とても懐かしい気分

手の中の花を川に浮かべてみようか

少しロマンチックな事を考えて

風に押され歩く


前から来る自転車の人も

ほら、川を見てる


途中で黄色い水仙に浮気をしてる時

可愛い小学生が横切る

そういえば学校で

球根からこの花を育てたことがあったっけ


田舎道は素敵だ

さっきまでの苛ついた気持も

この町の空気が流してくれたもの

大好きな人がいっぱいの

私が生まれた町

2004/11/05 (Fri)
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