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[180669] borderline

詩人:くじら


なるべく安全なラインの内側で

忙しさをぶつけ合いながら
狭く不安定な日常を歩く


孤独を欲しがるフリをして


あの日の優しさも
忘れたつもりで

今日も人々は
限られた枠の中を
夢中でさまよう

不覚にも 自ら隠した
本音に怯えながら

僕らは陽気にもなれずに


巻き戻せない時間を
後悔しながら

ただ無表情を装う
人たちとすれ違う

痛みに対して鈍くなってく

もう一度本気で泣きたくて
もう一度本気で笑いたくて

何度も「恋」を
繰り返すのかもしれない


忘れないように書きとめた
ポケットの中の手紙を
僕は渡しそびれたけど


振り出しから始める為には
それはもう必要なくて


大切にしなきゃいけない
この「想い」は

言わなきゃいけない
この「言葉」は

ちゃんと目を見て伝えなければ


耳に届いても
きっと心まで届かない

時に無神経な誰かの想いは
尖った鋭利な刃物となって
容赦なく僕らの
無防備な心に突き刺さる


だから耳を塞ぐ
傷つきたくないから?



他人との間にラインを引いて

得られる安心感は
安っぽいイミテーション



誰かの声も聞こえないフリ


わかってる

本当は



聞こえてる



それでも僕らは
片寄った世界で決めつけた
価値観で分類された
ボーダーラインの内側で

息を潜めて安心している



窓を開けて風を探した
目を開けて明日を探した


本当の幸せに逢いたいから
傷ついても守りたいから


僕は足元に引かれた
ボーダーラインを


めいっぱい助走をつけて



飛び越えた




2013/02/05 (Tue)
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