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くじらの部屋  〜 「reason」への投 票 〜

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[180706] reason

詩人:くじら

憂鬱が広がる灰色の空に
打ち明けた昨日の失敗

ふわふわ空中を舞いながら

雪のような哀しみとなって

小さな音を跳ね返して
僕の足元に落ちた


降り積もった「臆病」に
誰かの足跡がつく


痛みを我慢することばかり
増えてゆくけれど


まだ
立ち止まることはできなくて


いっそう頑なな表情みたいに

踏み固められた道の上で
不器用にしか歩けない僕は
何度も転びそうになりながら

やっぱり空のせいにする

その不甲斐ない小さな心は
気温が下がったぶんだけ
かじかんで感覚をなくしてゆく

笑えるよね?きっとまた

「もう少し」を越えて見た景色

優しい雨を期待して
無理やり微笑んでみる

「精一杯」が
薄曇りにぶつかって

残りの「我慢」が
僕の頬を伝う

なるべく表情に嘘を張り付け

僕は笑いながら涙を使い果たした

ぼやけた白い絵の具は
僕が見ている風景に
静かにこぼれてゆく

その先が見たくて
身を乗り出した杭は
誰かの無情に打たれる

容赦なく

何が正解で何が不正解?

風に煽られ飛んでった
僕の勇気は窓の外

木の枝に引っ掛かって
今もまだ揺れてる

君の優しさに手を引かれ
どこまでが現実かわからない
この暗闇の中をさまよってる

まだ生きているのは
君を忘れられないから

もう一度君と出逢いたい

なんて馬鹿げてるけど

ささやかな期待が
今はとても温かい


「もしも」なんて
もうひとつの世界はいらない


理由も根拠も


ただ君と居たい
叶うならば


寒空に放り投げた「理屈」は


優しい雨に打たれながら


白の真ん中に
溶けて消えていった

2013/02/06 (Wed)
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