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[171889] なんでもないよ

詩人:夜深


昨日の夜は 風がさむかったね
だから
寂しさの毛布にしっかりとくるまって
朝が来ることへの痛みを
必死に 必死に 防ごうとしてたよ

明日が「今日」に生まれ変わっていった朝
夜のきらきらお星様たちは ホコリとなって 
この部屋いっぱいに舞っている

実体のないものに怯え
恐怖心だけが むくむくと
冷たい床から湧きあがっている 
こんな夜ふけから 希望の朝へとさっさと時間旅行

ジェット機から見える景色は昨日みた夢
それらが雲になってぷかぷか浮かんでる

地球がぐるんと回れば
昨日の夢たちは 形を変えてすぐどこかに
消えてしまうから
寂しくなって 泣き出した雲は灰色

カーテンを開いたら
圧倒的な光 圧倒的な白いぬくもり
まぶしさに目を細めて
自分の小ささに萎縮する

なんでもないような日々を
送れること自体が奇跡なんだと
心から思えるような時代に
生まれてきてよかった

今日の朝は 朝陽が温かかったね
だから
寂しさの毛布を片付けて
夜が来ることへの痛みを
必死に 必死に 受け止めようとしてるよ

なんでもない日々たちが
僕らを押しつぶそうとしても
暴れまわる僕らの悪夢が
それらを弾き飛ばしてしまう
永久のブラックホールに弾き飛ばしてしまう

なんでもない日々に吸い込まれていく
僕らのちっぽけなものたちは
未来には大きく育って
僕らの支えとなる

なんでもない日々に 生きる僕らの
息苦しさを分かってくれるのは僕ら自身

なんでもない日々が僕らの未来へ繋がっている

2011/10/28 (Fri)
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