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[32809] 白い衛兵

詩人:ヒギシ

爪先で蹴った小石が、
車道へ転がった。

綺麗な白い車は、
街路樹の脇の草を揺らして
素早く走り去る。

小気味の良い音がした。
粉々の石を、目を丸くして、
じっとずっと見ていた。

その丸い目が小石のようで
カァ、とカラスが鳴くから
僕は慌てて両目を覆う。


電車の中の、
綺麗な白いシャツを
じっとずっと見ていた。

2005/04/25 (Mon)
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