ホーム > 詩人の部屋 > 望月 ゆきの部屋 > シロップ > 投票

望月 ゆきの部屋  〜 「シロップ」への投 票 〜

  • 望月 ゆきさんの「シロップ」に投票します。
  • 不正防止のため投票は「詩人の部屋」の登録者のみに制限させて頂いています。
  • ユーザーIDとパスワードを入力して「投票する」をクリックしてください。

[15009] シロップ

詩人:望月 ゆき

扇風機に向かい
アー、と風をふるわす昼下がり
花すべりひゆは
だいだい色の花弁を閉じ
今日の仕事を早々と終える

台所から
氷のけずられてゆく音が
涼しくひろがる
夏さなか

あの頃
ぼくはちっぽけで
早く大人になりたかった
世界はとてつもなく大きくて
広く果てしないと思っていた
それに負けない
大きなものを持っていると

真っ白な氷の山
にせもののイチゴの赤は
たっぷりと

大人になった今も
変わらずにぼくはちっぽけなのに
世界はとても窮屈で
さっき吐き出した息を吸っては生きる
それでもなお
ぼくは
大人になってゆく
大人になってゆく

2004/07/21 (Wed)
ユーザーID パスワード
一言コメント  


- 詩人の部屋 -