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[15272] 泡沫人

詩人:望月 ゆき

なにかを知るはずもないのに
海はそこにいて
呼んでいる
なにかを知るはずもないので
海はいつもそこで
呼んでいる

誰を

誰を

誰か を

きみとはどこから
どんなふうにつながってるの

白く白い
ただ白いだけの粉
の、きみは
色のない風に
足を手を額を持って行かれた
それきり
それきり

海はぐるりとつながってる、って
小さな頃から知っていたし
今も知ってる
なのにきみに遭えないでいるよ
何周したかなんて
きかないで

もっと透明をくれないか
もっともっと 
透明を

透明 を


プランクトンの海では
叫んでも届かない
だってきみは白いのだし
だってきみは散り散りだから
聞こえないんだね
耳をふさぐ手さえないのに

きみを探しはじめてぼくが
気づいたことといえば
きみがどこにもいない、って
こと
それだけ

両手と両足と誰かの両手と両足と
数えきれないくらい
ぐるぐると泳ぐ間も
パークで茂りつづける
柳の樹
きみの髪にも似て

それをリーフに垂らしたまま
ぼくは待とう
やがてうとうとと
そうしてぼくは
いつしか海を忘れる

忘れて
眠ったふりをする



2004/07/27 (Tue)
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