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[9571] 月はいやな顔もせず

詩人:望月 ゆき

上弦の月の輪郭が 
曖昧に ぼやけていたので
夜空に向かって ぽつりと
愚痴をこぼしてしまった

月は いやな顔もせず
じっとそれを聞いていた

しかし
常に 横顔だったし
たまに雲で顔を隠したりもしたので
本当のところは わからない

上弦の月の輪郭が
曖昧に ぼやけてなかったら
愚痴もこぼさなかったか
と いうと 

それは 不可思議

すべてを
何かのせいにして
軽くなりたいときって ある
そうしないと
前にすすめないときって 

今は 求めてもムダ

あの娘より たくさんの
愛をあげても
あの娘より たくさんの
幸せは くれないのね

2004/07/31 (Sat)
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