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トリの部屋  〜 投稿順表示 〜


[11] 細胞
詩人:トリ [投票][編集]

嘘で作られた細胞が皮膚を作り
嘘で作られた細胞が血液を巡る
嘘で作られた血液が
心臓を 脳を 駆け巡る
一つ一つの細胞が言ってる
"傷つきたくない"
嘘と嘘が固まり合って
お互いを守って 連携していく
そんな細胞で出来上がってる"自分"
もう 何が嘘だったか本当だったか
判別なんて不可能

だから少し バカになって
ほんの少し残った正常な細胞たちに
今にも消えそうな細胞たちに
呼びかけてみる
"君たちは、どうしたい?"

"本当は頼りたい"
"優しさに包まれていたい"
"甘えたいのに甘えられない"

ほんの少し残ったバカな細胞たち
安い言葉を並べてくる
私自身にすら響かない言葉
本当にバカなんだな君たちは

でも 分かってる
そんなバカみたいな感情を
見て見ぬふりをしてしまってる自分
本当はバカなのに バカだな
おつかれさま
だから今は 少し 休んでいて

2014/05/12 (Mon)

[12] 想像レンアイ
詩人:トリ [投票][編集]

なんだかドキドキする
ような気がする
あの人のことばかり考えている
ような気がする
でもそうでもない
ような気がする

あの人のことが気になる
ような気がする
でもこの人のことも気になる
ような気がする
"気になる"って違う意味の
ような気がする

そんなことを悶々と考えて
恋に落ちる夢を見れたらと眠りにつく
けたたましいアラームに起こされて
目を開けたら 魔法は解けていた

苦しくない恋愛を
傷つかない恋愛をと
自分に魔法をかけていたことも忘れているなんて
自分にかけた魔法が
気がつけば呪いになっていた

誰か私に
本物の恋ができる魔法をかけて下さい
傷ついてでも前に進める勇気が出る魔法を
かけて下さい

誰か私の呪いを解いて

2014/05/12 (Mon)

[13] 親友
詩人:トリ [投票][編集]

ある日 鏡の中の君を見つけた
君は 鏡の中の僕を見つけた

僕が髪の毛を切ると
君もいつの間にか切っている
僕が笑うと 君も笑う
僕が言葉を話すと
君はその続きを話す
答えまでは辿り着けないけど
君は誰よりも僕のことを知っている
だって君は僕で 僕は君

ひねくれてるところも
本当は臆病なところも
自分を守ってるところも
傷だらけなところも
それでも前に進もうとしてるところも
全部同じだね

でも いつか
君は鏡の中で 僕とは違う動きをする
僕は止まっているのに
君は片手を振る
そして向こう側に歩き始めるんだ

でもきっと ちっとも悲しくない
君が前に進むことをずっと望んでいたから
僕が前に進むことを君もずっと望んでくれていたから

僕は君で 君は僕
僕がまだ前に進めていなくても
君は前に進んでいる
もう一人の僕が 前に進んでいる
だからいつか
僕でも前に進める
僕も前に進むんだと
もう一人の僕の背中に誓うんだ

なんて 言いたいから
だから早く 幸せになってくれよ
って言ったら
君も同じこと言うんだろうな

2014/05/13 (Tue)

[14] げはは
詩人:トリ [投票][編集]

大きなビルの一室で
おしとやかな服に身を包み
化粧で表情を隠し
穏やかに微笑み
うふふ おほほと上品に会話する
そんな 毎日

だけど

草原の中ぽつんと立つプレハブで
作業着に身を包み
泥に塗れて
化粧が崩れるほど
うはは げははと笑い転げる
そんな 毎日

こっちの方が性に合ってるわ

こんな笑い方をしてる私を
見たことがない 上品な方々
そんな目で見ないでよ
あなたたちが はっちゃける姿
毎日見てるけど 飽きてきた
人の悪口言えば はっちゃけてる?
はっちゃけるの意味分かってないな
そんなんだからあんたら
お互い心開けてないんだよ

げははって笑ってごらんよ
足りない足りない
もっと大口開けて!
顔中の穴という穴を広げて!
毛穴も!
その顔のまま げはは!
そうそう そんな感じ
げはははは

どう? 少しはうっぷん晴れた?
いつもの愚痴も下らなく思えて
心の底から幸せを感じられたら成功

2014/05/15 (Thu)

[15] 優しい世界
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友達をひとり 失えば
また 新しい友達が

居場所をひとつ 失えば
また 新しい居場所が

尊敬する人がひとり 尊敬できなくなっても
また 新しく尊敬できる人が

時間はかかるだろうけど
大切な人を失えば
きっとまた
大切な人に 出会える

世の中は きっと
そんなふうにできている

傷を負った私たちに
居場所をなくした者たちに
優しくできているんだ

2014/05/27 (Tue)

[16] 本当の本当
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ほらまた 嘘ついてる
そんな完璧な人間いるわけないだろ?
そんな純粋な人間いるわけないだろ?

もっと化けの皮剥いで
醜くて汚ないあなたを見せてよ

そうそう その調子
でも まだ
まだ 足りない

本当の本当に
醜いものを残らず吐き出して
その汚ないものに押し潰されてた
本当の君を見せて

ねえ 本当は
本当の本当の本当の本当は
汚ないもので その
弱くて 壊れやすいものを
必死に守っていたんだよね

その 壊れやすい大切なもの
それが見たいの

ねえ なんのために
君は汚れたの?

2014/05/27 (Tue)

[17] 大事なもの
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弱い自分が嫌で
しっかりしてない自分を見たくもなくて
自分の考えていることが分からなくて
でも誰かに聞かれるんだ

「なにを考えてるの?」

だから適当にしっかりしてるっぽい理由つけて言うんだ

「△◽︎*⚫︎!!?」

けどその言葉も私には響かない
自分から出た言葉なのに
私はまだ 嘘をついてる

ホントは何も考えてないんだろ
ホントは気分で動いてるだけなんだろ
ホントは自分のいいようにしてるだけ
ホントは自分のためにしてるんだろ

認めろ
それを認めろ
そこからスタートするんだ
いいじゃないか 自分のためだって
立派な理由さ 生きるために生きる
いいじゃないか 何も考えてなくても
立派なもんさ それでも前に進めてる

ほら 自己中な私を認めて
周りを見てごらん
こんなに汚い自分勝手な人間に
こんなに沢山 人が集まっている
中には ずっと何年間もついてきてくれる人もいるだろう
こんな自己中に なんて物好きだろう

ほら こんなに汚れてしまっても
それでも そんな私を大事だと言ってくれる人
家族?親友?恋人?
何にも変えられない宝物が見えてくる

自分の考えが見えてこなくても
大事なものが見えてれば十分
これで十分じゃないか

2014/06/07 (Sat)

[18] 
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君は 雨に濡れて泣いていた
夢に敗れたと
夢中で追いかけていたものに裏切られたと

ずっと側で見ていた僕だから
君がどんな思いで
その夢を追い続けていたか
痛いほど分かるよ
今その胸が
どんなに張り裂けそうなのかも
滲(し)みるほど分かるよ

でも 夢に敗れて
雨に濡れて
心がボロボロになって
涙をポロポロ流してる君は
とても輝いて見えた

夢を全力で追いかけることも
誰かを信じて全力でついていくことも
既に傷だらけの僕には
リスクが大きすぎて
できないから

夢に敗れても
必死で夢に向き合って
悔し涙を流しながら
明日を見つめる君を見て
羨ましい と思ってしまった

きっと涙を流すほど追いかける夢は
叶う夢だと思うんだ
僕にはその勇気すらないから
すこし その涙分けてほしいな

2014/06/10 (Tue)

[19] 寂しがり屋
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寂しがり屋は隠します
"ヒト"が大好きだから
"ヒト"に迷惑をかけぬよう

寂しがり屋は距離とります
必要とされてないのなら
自分が必要としてないかのように

寂しがり屋は意地張ります
別に寂しくなんてないし
友達なんてもっといるしって

寂しがり屋は麻痺させます
傷が付きやすいから
痛くないよう悲しくないよう

でも
寂しがり屋は寂しがり
ホントは誰も失いたくない
一人ひとりが大事で
だけど
ふとしたことでネガティブになって
どんなに大切な人でも
すぐ意地張って
距離とってしまう
逆に
ずっとずっと大切に思ってくれる人が
少ないから大切にしていきたいんです

2014/06/19 (Thu)

[20] 悲しい音楽はキライ
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明るい歌を歌って
スキップするように歩いてきた
大声で笑ってると
いつしか すっかり
悲しいことは忘れていた

悲しい音楽はキライ
悲しいことを思い出すから

バカみたいな歌や狂った曲
爆音で流しながら
今日もスキップしている

封印してた悲しい曲を
一人で静かに聞いてみた
目を閉じると
あなたと過ごした時間
あなたと歩いた道
あなたが見せた表情
封印していた記憶が蘇る

血液が流れる音がする
凝り固まった血が流れて
心臓が動き始めて
ちょっとだけ涙の成分を作った

2014/06/25 (Wed)
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