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亀の部屋  〜 投稿順表示 〜


[11] いなくなっちゃった
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あのね
あのね
あのこわいひとがいなくなったの
だからうれしいの
これからいっぱいかけるの
かきたいことがかけるの
みんなでおいだしたから
もうもどってこないの
あのひとのしなんかよまなかったよ
だってきらいだもん
いってることもかんがえなくていいの
むずかしいからわかんないし
うん
それでいいんだよ
じゃまものはけしちゃえ

悲しいです

2006/01/26 (Thu)

[12] 涙の雪
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灰色に染まった空

タバコの煙を吐き出して

今も後悔ばかりしてるよ

この街の片隅でふるえる君を

守ることすらできないままに

冬が通り過ぎて

暖かな春が来るのだろう

なにが合わなかった?

ぼくの言葉は冷たかったかい?

きっときみは怯えてたんだね

愛することも

愛されることも



冬が深さを増して

この街路樹達も色を失って

それでもぼくは笑ってる

悲しい顔を隠すために

笑うピエロだ

きみと一瞬つないだ手の

暖かさにとらわれたピエロだ


いつかきみが笑うとき

ぼくはそばにはいないだろう

どこまでも涙の雪が続く

このアスファルトの道のように

ぼくの未来はなにも無い

そこにきみがいなければ

どんな賑やかさも

ただ無機質で冷たいだけなんだ



ほら

雪が降ってる

すっと溶けていく

儚いね

全てあったはずなのに

全て失った

空っぽな魂を引きずって

雪の道に足跡を残して

ぼくは泣くよ

涙が雪に変わって

白く染めるまで

2006/01/27 (Fri)

[13] 卑怯者
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ぼくは逃げ出してしまいました

あなたが怖かったから

威圧的で

暴力的で

孤高な存在

でもどうにかして

この世界を変えようと

もがいてたあなたに

背中を向けて逃げ出してしまいました


今から思えば

あなたは必死だったのですね

叩かれるのを知りながら

ずっと苦言を放ち続けてた

あの痛ましい姿

どれほどの覚悟を背負っていたのでしょう

やはりやはりここには

マザコンだの

ナルシストだの

なにも知らずにあなたを語る人がいました

私達の場所と言う人がいました

ぼくはそれを知っていましたが…

弱いぼくは目をそらしました

あなたの奥底の痛み

見つめることがこわくて

逃げ出したぼくは卑怯者です


今頃になって一人一人が

詩について考え始めました

傷ついた事で

やっと気づけるものが実際に

ここにありました

あなたはきっと…

いまさらと感じるでしょうね

あなたは掲示板で言ってました

「人間には弱さも強さも綺麗さも汚さもあるんだ だからこそ人間なんだ」と

あなたの弱さを…

目の当たりにしながらも

ぼくは自分可愛さゆえに

もがいてるあなたを

そう

黙殺してしまいました

叩かれるあなたを

庇うことがこわくて

背中を向けて逃げ出した

一人の立派な詩人を

見殺すことで追い詰めてしまった

卑怯者です



ごめんなさい

2006/01/27 (Fri)

[14] 姫林檎に寄せて
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姫林檎の紅さに
子供のぼくは泣きました
とても綺麗に輝いて
口いっぱいに広がる酸っぱさに
なにかが見えたような気がして

ぼくの家には
お金がありませんでした
父は生来抱えた人の良さのせいで
安定した働き口も見つからず
人生に失望し
ちくしょう

食器棚をも揺らすほどの
大きな怒鳴り声で
小さなトタン屋根の家の中を
満たしていました
きっとそこには
社会に対する憤懣
不平不満
アンバランスさに対する
やるせなさがあったのでしょう
いつか働く気さえ失い
自堕落に
生命を消費消耗していました
それゆえに
ぼくの家には
お金がありませんでした

母はよく
頑張っていたと思います

母が昼も夜も働き
薄い給料袋を大事そうに
ブランド物とは程遠い使い古した
革製のバッグにしまいこんで
僅かに染みる懐の暖かさのおかげで
家の中が少し明るくなった頃
窓の外でツルリと紅い姫林檎が
ぼんやりと丸い月明かりの中
静かに静かに
揺らめいていたことを覚えています

時たま母が
カサカサに割れたその手のひらから
鈍く銀色に光る百円硬貨を
ぼくの小さな手に乗せて
お菓子買ってきなさい

優しく言ってくれました
ぼくは急ぎ取り繕って
足よりも小さくなった靴を履き
ひび割れたガラスの戸を開け
紫陽花と雑草が居並ぶ階段を駆け降り
ちょうど角のタバコ屋兼雑貨屋に
小さい体を走らせました

生まれたてのぼくを知るおばあちゃんが
長年息災なおかげで
その暖かさとともにお店も潰れずに
子ども達の憩いの場となっていました
母から貰った百円で
チロルチョコ
きなこ棒
ゼリージュース
他に細々としたお菓子類を買い
その化学的な味に
子供ながらの満足を覚えていました
おそらくは
あの時点で最高の
贅沢を満喫していたのでしょう
遠くの川原からキジの鳴き声が聞こえ
夕方
世界は紅く
姫林檎のように燃え
たった百円に
無限の愛と生きる辛さを
見いだしていました

おそらくは
ぼくは人として
最高の贅沢をしていたのです
あの味たちを
生涯忘れることはないでしょう
紅く輝く姫林檎の酸っぱさと比べ
際立つお菓子の甘さに
子供のぼくは泣いたのです

2006/01/27 (Fri)

[15] 姫林檎に寄せて(追伸)
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『姫林檎に寄せて』

これがぼくの答えです

ありったけ力を注いで書きました

本当に伝えたいことだから、持っている力の全部を注ぎました

樋口理緒さん
わかりましたか?
ぼくは母が大好きです
だからぼくのこともマザコンと呼んでください
会えなくなった今も、母の手のひらを想う、そんな甘ったれです

Airさん
ぼくはその罪深さを知っていて、それすらをも抱えます

おかだまいさん
あなたに本当に人の痛みが分かるのなら、源さんよりも素晴らしい作品が書けるはずです
だから書いてください
本当に人の気持ちが分かるからこそ、人の心に染み込む詩が書けるのだとおもいます
あなたは…かけますか?

2006/01/27 (Fri)
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