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七緒の部屋  〜 新着順表示 〜


[4] 翳る
詩人:七緒 [投票][編集]




窓から漏れる灯は
海に埋もれているような
錯覚をさせた

凡てを捨てにきた事は
誰も知らないよと


汚れない黒ってのも
いいもんだな

そう言って
頭を預けたのは 五月のこと

何を忘れたの
一番大切なものは

ずっと此処にあったのに
涙を許していた
夏の始めの午後



夕暮れる青には
もう誰を重ねる事もない
そして眠る

あなたに背を向けた事を
わたしの罪とするならば

大きな愛を以て殺してほしい
その手が好きだった
それだけ

時間さえゆっくりと
過ぎてくれたら

もう大丈夫だと
あなたは笑ってみせるだろう
清い瞳 どうかそのままでいてね


何を忘れたの
大切なものなんて

何一つ変わらない
涙を枯らしてまで
私を見てくれたね



何を忘れたの
守りたかったものなんて

一つしか なかったわ
涙を許していた
夏の始めの 午後



2010/11/14 (Sun)

[3] おわれないよる
詩人:七緒 [投票][編集]


綺麗な星が見えた夜は
少しだけ

愛してると言った事を
悔やまなければならない

言葉を出さず手を取るのね
小さな橋を渡って

いつも覗く
かがんだ泣きっ面はばからしい


赤い色に立ち止まる
緩んだ手の暖かさは
もう忘れてしまおう

笑おうと思った唇が愛しい
とっくにぼやけたやわからかい肌が
どうしようもなく綺麗だ

私たちは
どんなふうに
ふたり歩いて来たのだろう



あの瞬間の熱に
すべてを感じている

雨が降ればいい
綺麗な空は少し悲しいから、
そんな事を理由に
泣いているのなら

あなたの胸を締め付ける理由もきっとなかったのに


撫ぜた髪は熱を持っている
涙が乾いたら
まだ少し歩けたかもしれない



綺麗な星が見えた夜は
少しだけ かなしくなるから

ひとつには なれないから







2011/12/29 (Thu)

[2] 忘れる泡
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心も恥も
ゆるせないなら
もういいよ 隠れんぼは
おわりだよ

6月の雨は 僕たちに
優しい嘘を残していくから
もう いいよ ああ だいじょうぶさ

バスルームで さようなら
でも愛している


暮れる陽をごまかしていた
あの滑走路に突っ立って
大好きだった温もりに 壊される
それを待っていた

守る強さはなかった
守られる理由を探した


指先に ふれるように
傍に ある温度に
なみだを 拭えるように
隣りに 見る左手に

君は僕を許せるの
そう尋ねてる

正しかったのは何だ

もう いいよ
ああ もう なんにもいらない

リンドバーグの 大きな夢をみる
少年は決意する

バスルームで さようなら
でも愛している
まだ 愛している






2010/11/09 (Tue)

[1] きら、きら
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どうか冗談を

大きく拭ったりして 唇


君は蜃気楼にあこがれて
いつか果てしない海を泳ぐかもしれない

僕もロボットになりたくて
身体に刃を入れるかもしれないよ

はりつめた我慢をする
切ないね 気付けない事

大声を出して 君がはっとしても
僕にはもう為す術がない


悲しみを 消すのかい
こんな場所まで 来てしまったのに

いくら電話を 待っていても
ここには誰も 来られはしないよ


さようなら
嘘つきね

僕は 少しだけ怖じ気づきながら
ああ わかってるごめんな
愛してるよ



どうか 喝采を

君のためだけと 胸を張れる唄を



ねえくだらない
世間話はもうやめにして


小さく微笑ってみたりして 唇







2010/11/09 (Tue)
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