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ふくざわゆいとの部屋  〜 新着順表示 〜


[1126] 3.11
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今日くらい

一日 揺れなくたっていいのに

テロップなんて出なくていいのに

穏やかに晴れた

暖かな日でいいのに

どうして…


まるで

誰かが呼んでいるみたい

あの日を、忘れさせないために

あの日が、忘れ去られないように

2020/03/11 (Wed)

[1125] 長袖
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誰かに「好き」と言われたかった

安心したかった


自分は 愛される資格があるのか

その'答え'を 探し求めていた



仲間外れにされるたび


寂しさに 囚われて


イジメられたり 暴力の中で


自分の価値を疑い 悩んだ



助けてくれる人を 「誰か!」と求める前に


「助けて!」となんて言っていいのか


それさえ分からなかった


誰かを巻き込んでしまうのではないか


周りが上手くいくなら それでいい


我慢し続けるうち

感覚が歪み 軋んで 乱れ


狂い 話せなくなっていった


いつも 長袖を着ていたのは


傷ややけど あざを隠すためだった

2020/03/10 (Tue)

[1124] 久々清々
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長く連絡を取っていなかった


あなたからの 久々のLINEは



「5月に結婚するよ」というものだった



こんな先行きの見えない



不安定極まりない世の中でも



あなたは力強く



明るく 希望に満ちた姿で



堂々と 誰かに伝えられる



その清々しさが



ワタシには眩しくて



羨ましくも見えた

2020/02/23 (Sun)

[1123] 心のどこかに
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「1人で生きていけるようになりたい」


キミは静かに そう呟いた


悔しそうな 苦しそうな


小さな その後ろ姿


ボクが代わりに


何かしてやれるワケじゃない


ただひとつ 願うのは



「どうか 無理はしないでね


つらいときや苦しいときは


誰かに話したり 頼ってもいいんだよ


そして そうすることは


いけないことだと 悪いことだと


思わないでね


1人で生きていくこと = 全部 ひとり


じゃなくてもいいんだ


笑うのも 泣くのも


抱え込むのも


ということだけ 心のどこか


片隅にでも 留めておいてね」

2019/10/09 (Wed)

[1122] キャッチボール
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なにげない会話そのものが



言葉というボールを投げて



受け止め 投げ返していくものだとするなら



やっぱり 相手が取りやすいように



ボールを投げた方がいいよな



反対に



相手が投げ返してきたボールが



遠くへ転がったり ほんの少し届かなくても



自分が走って 手を伸ばしたらいいよな



それがたとえ どんな会話だとしても





この気持ちを 忘れないでいたいな

2019/01/28 (Mon)

[1121] 知らず知らずのうちに
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いつ 心から休まるんだろう

いつ ゆっくり眠れるんだろう

誰が 気持ちを 汲み取ってくれて

どこでなら 吐き出せるんだろう


言いたいことも言えないまま

ただ 時間だけが過ぎていき

老いてゆくばかり


最後に 心から笑ったのはいつだろう

最後に 声を上げて泣いたのはいつだろう


知らず知らずのうちに

そういったカケラが

降り積もって 刺さって

小さな けれど無数の傷から

知らず知らずのうちに

本当の自分が 流れ出ていて

気づいた頃には 空っぽ

気づいた頃には 血だらけ



なんて 人達ばかりに見える

2018/07/15 (Sun)

[1120] Answer
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「これからも生きてくれる?」

なんだろう

突然の問いかけに ドキッとした

なんでもない 穏やかな日常の中

何気ない会話の キミからの一言

今まで こうして生きてきて

この問いかけられた瞬間も

生きているから 聞けた言葉なのに

胸を張って 自信を持って

「うん!」と 答えられなくて

いろいろな思いが 駆け巡って

少し 考えてしまう


答えをゆっくり待つ キミが

こちらを見つめている中で

思うのは

きっとこれからも この先も

苦しいことは たくさんあるだろう

だけど その度に落ち込んで

「死にたくなる」のではなくて

違う可能性を 見つけたい

つまづいても 立ち上がりたい

みんなに支えられながら

どんなに 進むのが遅くても

前を向いて 歩いていきたい


今 そう思えるのも きっと

全部 キミのおかげなんだ

キミが 寄り添ってくれているから

だから この問いかけへの答えは ひとつ

「これからもよろしくお願いします。」

2018/04/18 (Wed)

[1119] 心外
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誰かを責めることは


とてもエネルギーが必要で


出来れば


相手を信じたい気持ちが


必ず 心のどこかにあって


そこで思い悩んでしまうと


さらに苦しくなる


相手を責めるより


自分を傷つける方が ずっと楽で


相手に暴力を振るうなんて


ボクには できないから


代わりに 自分を傷つけるだけ


なのに それなのに


なんにも知らない キミが言う


「自分を大事に出来ない人は


周りも大事に出来ない」と


そんな 誰かの借用並べて


心無い言葉に思えたよ


ボクが 暴力をふるって解決するの?


誰かを責めて 傷つけ続けていいの?


違う きっと違う


ボクのやろうとしていることさえも


きっとどれも 正解じゃない


正しい方法は 他にあるんだろうけど


今 冷静じゃないボクに


どうして そんなことを言うの?


怒りの矛先は どこへ


2018/03/22 (Thu)

[1118] ごめんね
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せっかく一緒に過ごしても

たくさん泣かせてしまうばかりで

ボクのちょっとした不機嫌さえ

キミに気付かれて 気を遣わせて

事あるごとに 「ごめんね」と

何もかもにすら 敏感になって

目を腫らし 繰り返し呟いた

弱々しく 小さな背中



笑っていなきゃ 明るくいなきゃ

何のために そばにいるんだ

何のために ここまで来たんだ

ほんの少しでも キミを幸せにしたい

誰よりも強く そう想っているのに

今はただ 胸が痛くて

かける言葉も 見当たらなかった

「ごめんね」と 伝えなきゃなのは

きっと ボクの方だったのに…

2018/01/04 (Thu)

[1117] 副隊長
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それはあまりにも突然だった

なにかで殴られたような 衝撃だった

時が経っても 信じられず

ただ 休暇を取って

会社にいないだけだと思えた

仕事が大好きな人だった

人一倍真剣で 手を抜かず

強い責任感と 誇りを持って業務にあたる

その姿は 周りには眩しく

その立場から 皆を引っ張り

時に疎まれても 正しい道を貫く

憧れの存在だった

入社当初

要領の悪い自分は すぐに孤立した

けれど この人は信じてくれた

周りに「やめてしまえ!」と嫌われて

小さく虚ろな自分に

「ここで負けるな!」と励まし

「このままじゃ悔しいよな」と寄り添い

『現場』を 教えてくれた

「バカヤロー!」と何度も叱られて

だからこそ 褒められると嬉しくて

誰よりも厳しく 誰よりも優しかった

悩めば 一緒に考えてくれた

この人に付いていこうと思えた

『父』のような存在だった

夕方になっても ピンと来なかった

なぜこんなことしてるのだろうと

喪服に着替えながら

通夜に向かう足は重たく

心は 向かなかった

お別れになってしまうのか

頭の中を ぐるぐると回って

落ち着かないまま扉が開くと

会社を辞めて 別の道に進んだ者

勤務先が異動となった者

上司や同僚 俯く面々

確かめたくなった

ぎごちなく礼して 顔を合わせた

ただ 寝ているようだった

言い表せない気持ち 激しく動揺した

受け止めがたい事実だった

一礼し 棺を離れてからは

よく覚えていない

奥さまの言葉

何度も読み返していた

いつのまにか一人 ぽつんと残った

「まだ教えてもらいたいことがあるんですよ!」

「なに、寝てるんですか。いつもみたいに叱ってくださいよ」

「この先、誰を手本にやっていけばいいんですか!」

涙が溢れた 止められなかった

「決して周りに流されるなよ、

お前のいいところは真面目に取り組むところだ、

腐らずにやっていけば、必ず大丈夫だから。」

自分に よく掛けてくれた言葉

絶対に忘れない

あなたの意志を 継いでいかなければ

2017/12/19 (Tue)
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