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三歩の部屋  〜 新着順表示 〜


[14] 
詩人:三歩 [投票][編集]

「風をつかむのは簡単で
 
 ただ手を伸ばせば

 きっとそれだけですむこと。


 風の本質だなんて

 そんなことは知らないけれど。」



 
 心の空洞に
 
 暖かい風が流れ込んだなら

 それで全てが埋め尽くされる

 そんな錯覚で
 
 僕はこれまで

 むやみに風を追いかけた




 だけど風の足首は

 思ったよりも ずっと向こうだった




 移動性高気圧

 砂埃に紛れて

 僕の心拍までも巻き上げる




 カーナビも

 方位磁石もいらない世界で

 僕はただ

 その場でゆっくりしゃがみこんだ




 手が届かないと知ったから

 この手の持って行き先が分からなくて


 せめてこの両手

 指を絡めて

 しっかり祈るよ




 誰かお願い

 風の棲み家を教えてよ

2007/01/27 (Sat)

[13] 
詩人:三歩 [投票][編集]

汗は
きちんと
体温を奪っていくのにね

どうして
この涙は
 
悲しみだけを
置き去りにするの

2007/01/21 (Sun)

[12] 僕が魚だった頃の話
詩人:三歩 [投票][編集]

それは僕が魚だった頃

浮力と潮に誘われて

やっと辿り着いた
 
君のいる暖かい場所



君がまぶしくて

呼吸すら上手くできなくて

壊れた回遊魚のように

君の周りを彷徨った



遥か遠く

水面の向こう側

満天の星空に願いをこめて

いつか君と一緒に

あの星空を泳いでみたいなと


 カシオペアを横切って

     満月に照らされて


やがて宙の磁力につぶされて

僕はただの星屑と化し


いつか

一筋の流れ星となって

君の願い、受け止めてみたい。

2007/01/21 (Sun)

[11] アールグレイティー
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ベルガモットの自己主張
湿った香に照らされて
愛着してる Stillと張り合う


透き通った赤色は
まるで昨日の太陽みたいに
協調性に欠け
そこだけポツンと浮いている



心の鍵は
簡単に外れてしまった



気だるそうにぶら下がる
緩めに巻いた 伸ばしかけの髪
いくつかのmustと絡み合って
かき上げる手さえ覚束ない


頭を振って
払い落とすことができるのは
鎖骨にかかった 横髪だけ



心の鍵 外れても
飛び出す先を 持たなくて
向かった先は このティーカップ



シュガーポットはいらないけれど


せめて自分の甘さ
一さじ分くらいは


そのまま溶けちゃえ。

2007/01/10 (Wed)

[10] ことば
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  僕がことばを拾っていたつもりが

         ことばが僕を拾っていた。





  MINNA1231

2007/01/02 (Tue)

[9] クロール
詩人:三歩 [投票][編集]

 
コースロープと水しぶきの間
たった25mの往復に
未だゴールを見出せず
気付けばもう
どれだけ泳いだんだっけ


不器用な僕は
立ち止まることにすら
罪悪感を覚え
迷いの気持ちはいったん
バタ足で底へ沈めて


右肘と水面で囲い込んだ
クロールの2等辺3角形
いびつな窓から
現在進行形だけを飲み込んでいる


塩素と抵抗だらけの中で
たった25mの往復に
相も変わらずゴールはないけれど


不器用な僕は
迷いの気持ちに
時々足をとられながら


次のターンに
その都度
小さなゴールを
かみしめてみようか。


「ため息だなんて言わないで、
    これもただの 息継ぎだから。」



MINNA1231

2007/01/02 (Tue)

[8] ガラス玉の詩
詩人:三歩 [投票][編集]

たとえ

ダイヤモンドのような

強度はなくっても


信じることで

跳ね返す光には

違いはないんだって

ちゃんと気付くことが

できるから




偽物なんかじゃない、

ホンモノの ガラス玉。
  
  

2006/12/26 (Tue)

[7] 
詩人:三歩 [投票][編集]

街の明かりが溶け始めた頃

僕は暗闇に追いつけなくって

どうやって家に帰ろうか

いつもそればかりを

考えてしまう



飲み歩くサラリーマンの群れは

きっと 今日で一番の笑顔と饒舌で

僕の背中を後押しし

歩幅を大きくさせる


「やっとみつけた」


バスストップにしがみつく


街の明かりは

星のない夜空ばかりを強調して

それでもつぶやく


「今日の日よ、
     
    永遠にさよなら」


明日を探すのにも

昨日を振り返るのにも

今日という一日が

あまりにいつも未完成で



僕はまだ

そのどちらのタイミングさえも

掴みきれずに

分かったような顔して

歯磨きしながら

今日も生きてる


2006/12/16 (Sat)

[5] 初雪道
詩人:三歩 [投票][編集]


雪の匂いは
ほんのり甘い


浅い深呼吸
夕焼け空
肺の粘膜に
クレープ生地みたく
薄く伸ばして貼りつける


西陽のシャワー
雪の表面乱反射


流れてくる
煮魚の香り
細長い風の中


先細りの
たよりない風となって
家路へ急ぐ
僕にまとわりつく


my dearest T city



おじいちゃん、おばあちゃん。

     こっちは雪が降らないよ。

2006/12/06 (Wed)

[4] 大切な人
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君を守りたい。

そんな風に

思えること自体


僕が一番

君に守られている。

2006/12/01 (Fri)
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