ホーム > 詩人の部屋 > 清彦の部屋 > 投稿順表示

清彦の部屋  〜 投稿順表示 〜


[131] 流浪の思唯
詩人:清彦 [投票][編集]

不思議だね

人生はどう足掻いても

過去へは引き返せないし

失った愛は失われたまんま



死んでしまった人が

天国や地獄の

どちらに行ったかもわかり得ないし


どれだけ祈りを捧げても

神さまは無関心としか思えない




世の中では戦争がどうだ

国家がなんだの騒いでいるけど

そもそも、良心って何さ

人間以外の動物たちは

そんなもの持ち合わせていない

必要な獲物を狩り

必要なぶん食らうだけなんだよね



僕らはいまだに、戦争中だ

資本主義やらなんやらの

ルールの上でやってるだけで

実際には人殺しとなんら変わらない

僕らの崇める自由だって

そのルールの上でのみ担保されるからね

いや、はたして君は本当に

自分の意思で生きていると

胸を張って叫べるかい?



不幸だね生きていくっていうのは

苦しみの連鎖だよ

いつも支配する少数と

支配される多数に別れている


気づかない方がむしろ

あっというまにあの世へ行っちゃって

幸せなんだろうけどさ



こんなにろくでもない人類にも

唯一、救いがあって

それは笑いの力なんだ


一瞬ですべてを消し飛ばしてくれる

だから、本当にずっと幸福なのは

頭のいかれた狂人なんだよ




でもね

実はね…



あの世なんて そんなものはないよ

あの世どころか

人生そのものが単なる幻じゃないか

夢なんだよ、ただの


ただあるものは空虚な空間

そして君だけなんだよ




2015/11/10 (Tue)

[132] 終わりなき日常
詩人:清彦 [投票][編集]

いつまでも変わらない

赤信号を見つめていた


鳥が空を初めての飛ぶとき

どんな気持ちなんだろう

心地よい、風にのって

この景色を遮るものなく

何処へでも行けると

この世を手中におさめたような

爽快な気持ちにならないか



ただ、ただ自由に飛び立ちたい

ただそれだけなのに

僕らは今日も、恐らく、

明日も明後日もいつまでも

この平坦な地面を歩いては

ビルに見下ろされ

高い空に憧れては


赤とか青とか

よく整備されたレールの上を

せっせと這って生きるのだろ



目的も夢もなく

さまよえる良心と

終わりなき日常を

2015/11/10 (Tue)

[133] 真っ赤な花
詩人:清彦 [投票][編集]

背中に傷

背負っては、何処から何処へ


満員電車では

こんなに人が人に無関心


互いに押し退けながら

運ばれる理由は誰がつくったの?


呼吸、呼吸、呼吸

そう、ただ生きていくだけだ


誰かがナイフを握りしめたら

それはどいつに向かうだろうか

無関心な君か

それとも僕か


花は気楽でいいよな

理由なんか必要無い

ただ、揺れながら

存在しているだけでいいんだ

でも、僕たちも同じなんだ



いったい、どんな模様を描くんだい?

僕達は感動するだろう

それぞれ、切断されたような領域で

喜びや悲しみや愛しさを



そんな人々を繋ぐもの

それは時に、血がしたたり落ちる

ナイフのような激情だったりする


痛みも犠牲もすべては必然で

遥なる青空の下に

ただ、真っ赤な花が咲くだけさ



2016/01/13 (Wed)

[134] 永遠に煌めけ!
詩人:清彦 [投票][編集]

永遠の愛なんて

絵空事だと思っていたよ


僕らに永遠に続く愛はないかもしれない

でも

あの時、君を愛した気持ちは

永遠に事実なんだ



強く、想えば想うほど

その時に

強く、強く永遠に刻まれているんだ


それは、愛も優しさも

恨みや苦痛だってそうさ


だからこそ、

この一瞬の永遠が

少しでも善くありますように

大切に刻んでいこう!

2015/11/12 (Thu)

[135] あなたは誰か
詩人:清彦 [投票][編集]

あなたは誰の為のあなたですか?

日本社会のあなたですか?

家族のあなたですか?

職場のあなたですか?

愛する人のあなたですか?

あなたはきっと、

そのどれもを欲しがるでしょう



そのどれもが少しずつあなたであると

あなたの形を成す、いわば集まりだと

そう思うでしょう



あなたの人生が

そのどれかだけでは無いように

そのどれもであるのと同じように

あなたは疑いようもなく

すべてがあなただと思うでしょう




でも、そうすると

それぞれのあなたは

いったいなんなのでしょう?


それぞれはあなたの片鱗であり欠片であり

あなたを成し得てはいなく

また、そのあなた足り得ない

その、帰属する別の意思の元にうごめく

そのそれぞれの何かが

集合してあなたの形をしたとしても

それは果たして本当に

あなたであるのでしょうか?



10年前のあなたと

いまのあなた

それは本当にすべてがあなたですか?

昨日までのあなた

それは、単なる記憶ではないのですか?



あなたが、

あなたとしての

あなたのための

意思を持って生きられるように






2015/11/13 (Fri)

[136] 白と黒
詩人:清彦 [投票][編集]

ちょうど、そう

絵を完成させるのに影が描かれるように

僕らには苦痛も不幸も必要だ


その瞬間、瞬間に

囚われすぎてはいけない


アキレスと亀の間の距離が

永遠に縮まっていっても

やがてアキレスは亀を追い抜くんだ



僕達はいつか死ぬだろうし

救いようのないような不幸や悲しみも

確かに襲いかかってくるだろう


だけどそれがなんだ

僕らの世界はそれ以外の

花、鳥、空、海、魚

美しいものが溢れている


世界の軸は色々あって

一瞬一瞬の出来事なんかではない


その深く重い、真っ黒な影に

囚われて過ぎてはいけない

影を成すには何処かに

光がなくてはいけないから


いつだって、明日を棄てないで

希望に充ち満ちた毎日を

必ず過ごしてやるんだ!


2015/11/20 (Fri)

[137] マイホーム
詩人:清彦 [投票][編集]

落ち葉が舞っている

車道の騒々しさに掻き回されて

何度も舞い上がる


少し疲れてるのに気づいたのは

立ち止まったから

この信号が変わったら

また歩き出さなくちゃ

すっかりと遅くなりはじめた

帰路に取り残されないように



赤や青や鮮やかなネオンや

街頭に導かれ僕らは何処へ?

昔激しく笑って信じ合えた

あの永遠の時間を共に過ごした

彼らは何処へ?


顔も見ないような

入れ代わりのマンションのドアをくぐって

くたくたに疲れた身体を横たえたけど

僕は未だ帰ってなんかいやしない


旅立った瞬間の不安と別れを抱えたまま

ひっそりとあの孤独の出発点へ

行ったり来たりしているだけなんだ



見渡したらこの部屋は

まったく知らない気色

ふと正気に戻れた気がしたから

その瞬間

僕はもう帰れる場所に気づいたよ



何もかも棄ててしまおう

すっかり遅くなったけど

おとうさん、おかあさん

待っててください





2015/12/22 (Tue)

[138] 漂流の海月
詩人:清彦 [投票][編集]

責任感に義務感

口では立派な理想を並べる人達の

寂しい物語を見ていたよ


悲しいかな

システムの海に流されてしまって

もう、溺れながらもがきながら

どこへ漂流したら良いのか

わからなくなったまんまだね

ただ、一枚の木の板にしがみついて

沈まない事に懸命になってしまった人々だ



太陽の方角を知っていれば

月の満ち欠けを数えてみれば

海の中だろうが

世界の秘密に気付くんだ

それは偶然でもありそうで

だけれども明らかに必然的に

僕らの視界を照らしてくれる



良いかい?

すべては一本の紐に過ぎない

果てしなく長い糸電話が

間違いなく伝わるように

すべては作用と反応だ


嗚呼…、そうするとどうやら

僕らに意思は無さそうだ…

だけれどそれならどうして

哀しみや苦しみを味わなければならない?



漂流者達よ!

答えはいつだって風の中だ

もがくことに懸命になってはいけない!

海月のように、

ただ流されている波に身を任せなさい

ヒントは波の中に身を潜めている



そして気が付くのだ

我々が見ていた太陽と月の秘密に

そして、そこかしこにずっと

島が存在している事実に


そして、上陸したのなら

自分の足で歩き出し

かつて見た夢を叶えよう


僕自信は、まだ海月に過ぎない

たぶん、島へはたどり着かないだろう

しかし、次の世代…

そしてまた次の世代へと

たったひとつの糸を繋ぐのだ


堕落した進化は人の破滅を導く

どうか、愛せる人類よ

真理に恐れるんじゃなく

真理に懸命で誠実であれ

2015/12/25 (Fri)

[139] 悪夢の中で
詩人:清彦 [投票][編集]

眼を開いて 見渡す

荒廃した土地

荒れ果てた荒野に

醜い岩の巨大な塊

いびつな植物と

顔を歪めている葉のない木

その周りには

黒い様々な虫が蠢いている


それらのざわめきのように

波の音が響いてる

深く青い海の向こう側には

水平線はおぼろ気で

薄暗い緑色の空と繋がっている



君の心の中に

僕は少しでも触れられただろうか

温もりや痛みを僕は

覚えているけど


眼を閉じて ただ

思い出している

美しい道の彼方

愛という名の道の彼方に

君がいるということ


それは

形や言葉やしぐさじゃ届かない

君そのもので

僕とひとつにはなり得ない

永遠の安らぎなんだよ



優しさ、微笑み、苦しみ

すべての感情がそこには

君らしい、暗い色使いのまま

永遠に眠っている


たとえ怒りや過ちや赦しに

再び出会えたとしても

それは少しも君じゃなく

君を成し得ないから


どうかこのまま


永遠の虚無の荒野で

悪夢のような景色の中で

君という安らぎを見させて

たとえ全部が幻だとしても



眼を閉じて ただ

思い出している

美しい道の彼方

愛という名の道の彼方に

君がいるということ



2015/12/22 (Tue)

[140] 瞳の奥
詩人:清彦 [投票][編集]

不思議なのは

あの月明かりのごとく

未だにこっそり

僕の胸に浮かんでいること


寂しいとき 振り返るとき

心の中の向こうで

僕を呼び掛けるのさ



君が泣きそうな顔で

僕を見つめ出したなら

その瞳に吸い込まれてしまって

永遠のような想いにふけるよ



君は今

何処で何をしていますか

たぶんそれなりに幸せを

感じて生きているでしょう


僕はまだ

君を特別な人だと

思い込んでしまっているよ

でも 思い出す度

ばかばかしくは思えないんだ

わかるでしょう

あの頃のふたりなら



青空みたいだって言ってくれた

僕の心の奥をうっすらと照らす

本当は

未だに君という闇の中

あの時覗きこんだような

丸い月

君の真っ暗な瞳の奥

謎に満ちた

ただひとつの光

2016/01/06 (Wed)
183件中 (131-140) [ << 11 12 13 14 15 16 17 18 19
- 詩人の部屋 -