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トケルネコの部屋  〜 投稿順表示 〜


[21] 野尻彦弥のソーウツ
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無敵だろ俺

よしんばボーナス半々減でも無敵だろ俺

妻が言ってたさ
あんた親には強気ねって
無敵だろ俺

朝飯納豆とピーマンだけって無敗記録作るつもりかっ
どこの星雲の超人だよ自分

姉貴がえーかげんにして自殺したらどやて電話口で
無敵すぎるのは家系か?

そんな舌鋒に今さら涙目になるわけもなく
えらくながーい欠伸をかみころすぜ俺


結局夢の社内不倫も無敵すぎるのが敗因か・・・

コンビニにたむろする奴らも嫉妬して睨むしかない勝率
毎夜迂回するのも気遣いってやつさ
無双すぎるぜ俺


小島が噂してた俺が(永遠に)出世できない(二十五の)理由
それを聞いてた奴の真後ろの俺

いつでも殺れたのに・・・この無敵な指先一本で

だが、無事電車は止まり何事もなく日々は進む
小島よ、命拾いしたな


ステキダロ俺

2009/11/19 (Thu)

[22] ハジマリノ名前
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どっかの工場の廃墟で僕たちは目覚めた。

孤独な瞳と、少年の眼差しを持って。

朝焼けが破れたガラスを透かして、倒れた椅子を、揺れる埃を、動かないモノたちを映す。


少女が言った。
『ねぇ、あなたの名前は?』
どこか懐かしい声…。

廃墟の空気はどこまでも澄んでいて、僕は何故か無性に泣きたくなる。

『そぅ…あなたも忘れてしまったのね』
少女の声が谺する。

僕はリュックの中から甘いコーヒーを入れた魔法瓶と
少しばかりのお菓子を取り出す。

『お腹‥空いたろう?』
少女にお菓子を手渡すと、少女はゆっくりと頷いて、
微かに笑った。

『名前は、また探せばいいさ』
僕は広く無機質な、それでいてどこか暖かい廃墟を見はるかす。

『冒険は始まったばかりだものね』
少女がまた、今度ははっきりと笑う。

そう、冒険はまだ始まったばかりだ。
僕は少女の手を握って、軋む鉄の巨大なドアを開けた……。



2009/12/06 (Sun)

[23] かさぶたの街
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かさぶたの街 秘密を拾う電線の波
踏み切りに哀しげに歌う満月

泣きそうな足取りでその仔は迷い込んだ
ツンとすました顔に白いしなやかな肢体 ちょっと汚れた可愛い子猫
餌をあげると不思議そうな顔をして見上げたっけ
その柔らかい瞳だけは俺の存在を否定しなかった

甘え上手なお前は多くの人に愛された 
先を急ぐサラリーマンも バーゲン帰りの主婦からも 
誰もが目を細め 誇らしく体を触れさせては器用に餌を貰ってたね
そんなお前も夜になるとベンチに寝そべる俺の元に返ってくる
「忘れてないよ」と言いたげに顔を擦りつけてきて
だけど抱き締めるとどこかへ逃げる 愛されたい訳じゃないと隠れる子猫
そんなお前だからこそ俺は好きだったのかも…‥


ある日 車道の脇の血溜りに見つかる子猫
しなやかだった肢体は紅く無残に轢き裂かれ ツンとすました顔だけを夜空に向けて
先を急ぐサラリーマンは顔を背け バーゲン帰りの主婦はただ首を振る
どれだけ体に触らせても決して飼われなかったお前を
誰かが『自業自得だ』と吐き捨てた

ねぇ、道の向こうには何があったの? 用心深いお前が飛び出すほどの何が…
応えないお前を抱いた時 お前は初めて心を許したような安らかな顔だった


かさぶたの街 夢を紡ぐ人々の波 
舗道の脇で揺れるアカシアの淡い蕾
公園には新たな野良猫の家族が住み着き 人々に甘えた歓心を誘う

俺は独りベンチに座り「忘れてないよ」と呟いた



2009/11/08 (Sun)

[24] 銀河
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りんごがおちて
たんすがころがって
まいれーじがたまって
ぶじぼくらはであいました

あたまのおかしいこのばーちゃわーるど
たぬきととらっくのばかしあい
まけたたぬきはほしになる
おそらのたかみで ろじょうのはしでしみになる


きってはきれないことばがあって
きおくのすみのうらみぶしがあって
おなかにやどるいのちがあって
せんめんじょでごきぶりにであって


うずくまるくろ
なまなましいくろ
ぎりぎりのくろ
ぐろのくろ

そんなかぎりないくろを おそれなじってうたがって
たどたどしいしろをえがくのです


さいはてのやみからとらっくがとびだしても
たんすのかどがせりだしてきても

うみはしにましぇん!

おはなばたけでそうじきがつまっても
あおいせんぷうきがくびをふらなくても

かぜはしにましぇん!

おそらのあんこくがわらっても
いかすみらーめんがびみょうでも

ぼくはしねましぇん・・・

そしてだれもかれもまよなかに 
ずーずーずーずーそばをすすりながら
かざらないしろをうたうのです


あなたが、すきだから


かがやかしいあすをみあげるのです




2009/11/08 (Sun)

[25] Di時ta流
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ミカヅキノ ナミキミチ ヨルノライオンハ
ココゾトバカリナキホエル

ソラノリンゴ ムシバマレタチョウ タマムシイロノホコリ
パリカラバリヘ ノラリクラリ ナガレツタワルコンドーム
レモンノヒカリ コミットスルヤミ ラリルレロ


パンヤハキョウキュウギョウ ホソイロジノオクニ
ホウチサレタコインロッカーノナカニ
パパラッチタチノ ヒミツノポジガツマッテル
ウデニサイタタトゥー マユノウエノホクロ

ナガイナガイツキヒノムコウデ
イマ ヒトリキリノネッタイヤニイル
スベキコト ナゲダシタ ソノツミ
タートルネックノシニガミガ ウシロデナイターヲミオワッタ

バイ バイ メロンジュース

サヨナラ マナツノイエローパーティー 

スベテノアマキモノ バイ バイ

ココロハイツダッテ ナマケモノダカラ
ボクハアスカラ ナニヌネノ


サトウキビバタケニマヨイコンダヒトコブラクダ

イマダ ミツカッテ ナイラシイ

イマモ サマヨッテ イルラシイ

2009/11/08 (Sun)

[26] 浮腫む月
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椅子に飾る 指を咥える人形

いくぶんオレより 長い髪を梳く

マナザシを噛み切る 喜んでくれたらと

愛おしい悲しい 魂の面影  鏡の蛇たち


誰も彼も井戸の底へ

母も父も妹も 泳ぎ疲れた魚のよう

特にない産まれる理由 冷めたスープの記憶

遠くない、右足の欠落


細くいななく

ギリギリと鳴く闇

左眼を塞ぐ ところどころ海が零れる

影は見失い 椅子を投げつける窓辺


誰も見ていない


誰も泣いてはいない


肩の痣をなぞる 湯槽に沈む髪しか




2009/11/20 (Fri)

[27] 飛沫く陽
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孤独が移ろうものだとは

海の底が乾くものだとは

魚が隠した羽根を拡げて飛び立つものだとは

教えてはくれなかった 誰も 

雲すら去き場を探すものだとは


今さらと呪い

今さらと祈り

今さらに凍える


胸に純白の茨の蔦が這い 肺に冷めた花ビラが詰まる

ただ いくつも指折った掌の皺に

赤い砂だけが零れて

右眼を塞ぐ カーテンの隙間に蒼が揺れる


さようならと 書き直された手紙

伝えてはくれなかった 誰も

孤独すら優しかったことを






2009/12/06 (Sun)

[28] 屋根裏
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この部屋には誰もいない

ただ赤と白と黒の柩が影を並べている


この部屋には誰もいない

白い柩には埋もれた声が眠っている

砕かれた波と 流れない雲と 諸々の太陽と月と星々の詩が


この部屋には誰もいない

黒い柩には干からびた石が詰まっている

立つべき足が 掴むべき腕が 流すべき数多の涙の化石達が


この部屋には誰もいない

赤い柩には錆きった鉄屑が散乱している

曲がった把手に 硬く冷たい錠に 儚く折れた小さな鍵が


この部屋には誰もいない

夕陽が溶けこむ

カーテンは淡いブルーの境界



この部屋にはもう・・・誰も来ない

2009/11/30 (Mon)

[29] ダ・ヴィンチの憂欝
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ダ・ヴィンチの憂欝について考えみた


ダ・ヴィンチの憂欝…………




あの重い髭


憂欝そうだ


あの長い眉


憂欝そうだ


ハゲ


憂欝だよなぁ


なんか手足がいっぱいある人体図


あれはむしろゴキゲンか


先取りしすぎのヘリコプター図面


憂欝そうだ


ザ・解剖図


憂欝そうだ


最後の晩餐画


真ん中の人の人徳の無さが不憫で不憫で…w


モナリザ


憂欝そうだ


つか憂欝そのものだ



だってさぁ



あれだけ手間暇かけて実は未完成とかさぁ



微笑ましいなんてレベルじゃねーぞォ






2009/11/29 (Sun)

[30] SWITCH
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儘の気:

たーじまはるはそこにあった
たーじまはるはしろくはなやいでみえた
うつくしすぎるってぷーやんがつぶやいて
あきかんをけった


くずの詩:

姉チャンしんじまったもんはしょうがないよ
疑いきれなかった罪なんて
冷めたおしるこ同然さ
キャミから乳首透けてるね


ランボー:

機関銃で殺したら英雄で
吹矢で殺ったらただの蛮人て
おまえさまがろうすそのことばのなんとえいかくなことか
一つの言葉で数多の心を殺せたらと
自殺志願者は問うのです


ビッグモンキー:

俺たちはいつだってコンドームしない、コンドーム填まらないのが、ZIMAN


ブラックユーモア:

詩を書く輩には三種類しかいない
かき殴る奴と
かき捨てる奴と
かき止める奴と
かき毟る髪と
かき抱く褌と
かき喰う客と
かき忘れた絵日記に
かき損じたラブレター
かき飛ばしたP.S.は
アイ
ラブ
ミー


バレタ:

そのままニューエイジ 
いつかはポールシフト
キエフの大王は今 ルーマニアでトゥギャザーしてる


カサノヴぁ:

不眠不休で鉄を打ち 家内安全祈ろうか
過去も未来もサプライズ
星屑焼いて胸叩き 今を延ばして海に捨て
恋もウィンクも付け焼き刃
嗚呼…


ボサノヴぁ:

それはミジンコの生死のように
華麗に揺れる
あなたは空を仰ぐ最後の山の
火口に咲くライラックを摘んで
喰えない詩で踊るばかりね


ビッグモンキー弐:

俺たちは正直じゃない、と正直に言っちゃう所が、GIMAN


ロリータ:

魂は幼さに狂い
むさ苦しい寝床に生えるキノコのように勃起して
果てる
ならば夜を掬え
蛭と真水の対称を使い 傷を洗え口をそそげ
幼さないままに幼いケガレを厭い
人形の秘部を覗け


着のまま:

あきかんはかがみにぶつかりつぶれた
かがみはむすうのはへんになってきえた
こんなんかなしすぎると
ぷーやんはわらった

2009/11/20 (Fri)
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