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メイの部屋  〜 投稿順表示 〜


[56] 猫なりの不器用な優しさ
詩人:メイ [投票][編集]

長年大事に飼われた猫は
寿命を迎えるとき
主人の前から
姿を消すってよく聞く

それってのは僕が思うに
自由気ままなわけでも
惨めな姿を見られたくない
わけでもなくて

きっと

猫なりの『考えた結果』
ってヤツなんじゃないかな

僕だって
自分の大切な人には
悲しい思いを
してもらいたくないし
涙を流してほしくはない

だから姿を消すの

そうすれば
ただいなくなっただけで
死を迎えたとは
断定出来ないから

自分勝手で気分屋な
行動に思えるけど

本当は

とっても不器用で
大切な人を
心から思いやった
行動なんじゃないかな

結局
人も猫も姿形は違えど
思うこと皆同じ

大切な人を
悲しませ涙させたくは
ないってことだよ

2005/05/21 (Sat)

[57] ウサギがカメに勝ったなら
詩人:メイ [投票][編集]

いつでも自分が1番に
なりたいって

そう思ってた

ビリになるのは
カッコ悪いし
2位や3位じゃ中途半端

『やっぱ一番がいい』

そう思ってた ずっと

自分より下のヤツには
優越感を抱いて
自分より上のヤツには
劣等感を抱いてさ

だけど本当は何位だろうと関係ないんだよね

全力出し切らずに
得た1位と
全力出し切ってのビリ

それほど差はない

だってビリだとしても
精一杯やりきったんだもん

おとぎ話の世界で
もしもウサギがカメに
勝っていたとしても
カメは悔やんだりなんて
しなかったんじゃないかな

精一杯頑張って
負けたんならね

だからね
順位ばかりを
気にする必要は
ないんだよ

結果ばかりが
すべてじゃないってことさ

2005/05/21 (Sat)

[58] 円周率は『3』
詩人:メイ [投票][編集]

思えば自分もそうだった

作り笑いの裏には
嫌悪や憎悪が満ち満ちて
建前と本音に板挟み

様々な汚点を見て見ぬ
ふりするくせに
倫理と正義を語って
相談に乗れば乗ったで
ウマイ故事やことわざ
引っ張りだして
納得されたら優越感

いつだって
正しくありたくて
いつだって
良く見られたくて

利他主義を振りかざす
ように見せといて
結局腹黒自己中心

それらは理想を
追い求め過ぎた結果か
それともやっと本質に
気付いただけなのか

『僕は何だ?』
『何が僕だ?』
『どれが僕だ?』
『誰が僕だ?』

エンドレスな自問自答

そのとき鏡の中のヤツが
口を開いた

『円周率は「3」』だって

2005/03/30 (Wed)

[60] 
詩人:メイ [投票][編集]

答えを見出だせないから

あなたはなぜ
存在しているの?と
問うてみたい

ラッシュアワーにもまれ
くたびれたスーツ姿の
サラリーマン
セクハラに悩み
最近シワも気になり始めたOL
夫にも相手にされず
育児ノイローゼの
専業主婦
自分を中心に世界が
回っていると思い込んで
いるような学生

まだまだ問うてみたい

国民の税金を私欲に
注ぎ込む官僚方々
紛争や内戦によって
被害を受ける子供たち
明日さえわからぬ
重病患者
犯した罪を償うべく
服役中の犯罪者
国籍不明の密入国者
金で抱かれる娼婦
秘境の民族
家畜を連れた遊牧民

まだまだまだまだ
問うてみたい

今日笑った人
今日泣いた人
今日怒った人
今日落ち込んだ人
今日悲しんだ人
今日嬉しかった人

この世界に存在する
すべての人に
問うてみたい

それだけ問えば
僕は答えを
見出だせるだろうか

『答えを誰か教えてくれ』

そう叫んでいる
今日もここで

生きても死んでもいない
ひとりの僕が

2005/04/07 (Thu)

[61] 残雪
詩人:メイ [投票][編集]

陽気な春の陽射しの中
街路の片隅に
汚れきった残雪を見つけた

ふと思う


なんだかそれって
僕らに似ている


初冬
真っ白な空から
幾千と天使の如く
ふわふわと舞い降りる
汚れなき純白な新雪

少しずつ少しずつ
日々が流れ季節が変わり
少しずつ少しずつ
排気ガスや泥に塗れ
少しずつ少しずつ
陽に照らされ消えてゆく

あんなに綺麗だったのに


僕らも同じじゃ
ないだろうか


僕らも始めは
何も知らずにこの世に
生を受け
将来に希望を抱き
純粋に
泣き
怒り
喜び
笑えた

いつからだろう?
僕が汚れ始めたのは
いつなんだろう?
僕が消えてしまうのは

残雪の表面を
手で払ってみる

だけどそんな汚れた
残雪の中にもまだ
真っ白な部分が
そこにはあった

触れると冷たく
気持ちが良い




僕もそんな
残雪のように
生きられるかな



こんな世界だけど
またおいで


そうつぶやいて
また歩き始めた
僕はゆっくり天を仰いだ

2005/05/21 (Sat)

[62] affect
詩人:メイ [投票][編集]

あなたが好きな映画

あたしも好きになった


あなたが好きな音楽

あたしも好きになった


あなたが好きな本

あたしも好きになった


あなたが好きなテレビ

あたしも好きになった


あなたが好きな場所

あたしも好きになった


あなたの好きなもの
少しずつあたしも
好きになってゆく

あなたが好きだから
あたしも好きになる





何の取り柄もなくて
大っ嫌いだった
こんなあたし

あたしも少し
好きになれたよ

あなたが好きって
言ってくれたから

2005/04/09 (Sat)

[63] スーパーマリオ
詩人:メイ [投票][編集]

ちっちゃい頃
スーパーマリオに
なりたかった

オーバーオールに
赤いシャツ
Mの字の赤い帽子に
ヒゲを生やしたオヤジ

なんであんなのに
なりたかったのか
なんて今になれば思う

だけどそんなマリオが
カッコ良くて憧れた

悪者にさらわれた
姫を救うべく
立ち上がった配管業の
ヒゲオヤジ

だけどそんなマリオが
カッコ良くて憧れた

数多の敵キャラや
トラップを乗り越え
砦の強いボスにも屈せず

やられては立ち上がり
やられては立ち上がる

キノコで大きくなり
フラワーで火を放つ
スターで無敵になり
マントで空を飛ぶ

僕のヒーロー
スーパーマリオ

見た目はあんなんだけどさ






だからね

ヒトの価値ってのは

格好がどうの
見た目がどうの
じゃないんだよね

要は
何をやるか
何をやれるか
何をやったかってこと

それを僕に教えてくれた
そう夢を与えても
くれたんだよ

あのヒゲオヤジは

2005/04/10 (Sun)

[64] 世界の終わりに君と一緒なら
詩人:メイ [投票][編集]

世界はいつどんなことで
滅びるのだろう


オゾン層がなくなるとき

化石燃料が尽きたとき

全面戦争が勃発したとき

温暖化で北極や南極の
氷が溶けたとき

大規模な震災が起きたとき
大型隕石が衝突したとき

異星人の地球侵略
なんてのもあるかも
しれないし

もしかしたら
僕が生きている間に
世界は滅びないかも
しれない








まぁ









君と一緒なら

どれであっても
悔いはない

2005/05/21 (Sat)

[65] 失恋の処方箋
詩人:メイ [投票][編集]

あたしは薬を探している

ぽっかりと空いた
心の風穴に塗布出来る
塗り薬

あたしは薬を探している

触れたい会いたい
抱きしめられたい
この気持ちを抑える
鎮静剤

あたしは薬を探している

別れても離れても
未だ冷めぬこの想いへの
解熱剤



どこかにないだろうか



そうすればこんな

泣き疲れて眠る夜も
濡れた枕に目を覚ます朝も

不意に襲う寂しさも
押し潰されそうな悲しみも

やってはこない


そうすればきっと

忘れてしまった笑い方も
明日を待ちわびる今日も

幸せだという感覚も
生きているという実感も

すべて取り戻せるのに



どうかお医者さま


こんな私に
失恋の処方箋を
くださいませんか

2005/04/16 (Sat)

[66] 罪と罰〜Dear God〜
詩人:メイ [投票][編集]

あたしは何か
罪を犯しただろうか

拒んでもやってくる
必要のない朝
眩しすぎる外界に
俯く昼
暗闇の中
涙に暮れる夜

終わりのない果てのない
この慟哭や孤独感

あたしはただ
あのひとを
一途に愛しただけ

もしこれが
あたしが犯した
何かに対する故の罰だと
いうのなら

あたしはもう
あなたなんて信じない

罪を犯したのも
罰を受けるのも
あの人のはずだから

あたしをひとり
置き去った
あの人のはずだから

2005/04/21 (Thu)
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