ホーム > 詩人の部屋 > 新着順表示

新着順表示  〜 新着順に10件ずつを表示しています 〜


[198254] 【茂木】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


波が立つときは舟影が消える
よそものたちから身を隠す

古里の海は古代の躍動
深く魚たち眠る茂木

忘れてしまうなこの海を
数えてしまうなこの船を

命が熔けてはいないのか
水面が赤く染まる茂木


漁が立つときは笑い顔あふれ
閉ざされた海をなめてゆく

女たちだけは強く手を合わせ
海よ安かれと祈る茂木

夕陽を招くか三毛猫よ
舟霊(ふなだま)祀るか漁火よ

漆黒の闇が訪れた
古里の海を忘れるな

漆黒の闇が訪れた
古里の茂木を忘れるな
──────
──────
茂木(もぎ)・・・長崎市郊外にある漁港。海は東になるので「夕陽を招くか」のフレーズはリアルではない。
──────




2024/04/08 20:02



[198253] ゆっくりのどかに走る汽車 バス トロッコ自動車
詩人:万田 海斗 [投票][編集]

一人一人が焦る必要無し

頑張っても同じ
てか、ますますひどい伽藍洞の空洞化

夢は宇宙をおびき寄せる現象

自然社会なら、今の調子
宇宙が姿をあらわす

掘り出した新しい日感帯は、
嬉しい一人一人の乗り越えるべき諸問題

2024/02/14 22:39



[198251] グラスドリーム
詩人:浅羽 [投票][編集]



上書きされた思い出
煙草の煙にまかれて
ショットグラスに注いだ
果てない夢と約束

吸い込んで飲み込んで
吐き出して涙して笑って
重なって抱き合って
誓いあったあの日の夜は
明けて
ほら空にまた朝日が昇るの

言わないだけの心が
夜と共に冷めてく
月明かりが笑って
影に沈む野良猫

吸い込んで飲み込んで
吐き出して涙して笑って
重なって抱き合って
誓い合ったあの日の夜は
明けて
空き缶と吸い殻と



体温と衣擦れの音が
重なって泣き合って
許されたあの日の夜は
明けて消えた

ほら夜が醒める
君の声も消えて
僕は一人歌うよ

吸い込んで飲み込んで
吐き出して涙して笑って
重なって抱き合って
誓いあったあの日の夜は
明けて
ほら空にまた朝日が昇るの

2024/02/12 21:33



[198250] 頼ちゃんへ
詩人:十七夜 [投票][編集]

この頃、まるで走馬灯のように昔のことをよく思い出します。

娘が今年11歳になります。顔は子供の頃の私に似ているけど、性格はどうかな?やっぱり私に似て怒りっぽくて短気かな?(笑)

そんな娘を毎日見ているから、昔のことを思い出すようになったのかも。

大半は、悪いこと。
あの頃は私は何も知らなかった。
自分は幸せなんだと信じていたから。
でもそうじゃなかったんだよね。私の家は異常だった。

中学の頃から私はおかしな行動をとるようになってた。
家を出るまではあなたが支えてくれていたよね。
公園で話を聞いてくれた。たくさん泣いても傍にいてくれた。
そうしてくれるのは、あなただけだった。

お返しできなくて、ごめんなさい。
逃げるように地元を出て、連絡もしなくてごめんなさい。
私は私の過去を全部消したかった。
結婚して違う人間になりたかった。
名字も変わって母親になって、もうあの頃の惨めな自分は消し去ったと思ってた。

でも私は私だった。
今はただあなたと話したい。

ものすごく、疲れたの。

2024/02/12 18:11



[198248] 報い
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

巷で
不味いと聞いていた魚を確かめる為に
釣れてすぐに脳天を貫いてしめた

風は北風
この俺を忌々しく思うような
ただ、ただひたすらに強い
向かい風

冷たいナイフで
手のひらを切らないように
慎重に腹を切り裂く
磯臭く青白い、ドロリと不快で不味そうな腹わたが
その顔をあらわにする

まだもがく魚を
しっかりと押さえて
血だるまの頭の方へ
指先を突っ込み
エラを引きちぎると
荒波に放り捨てた

ところどころ
鱗の張り付く
魚臭い手のひらで
クーラーボックスに獲物を放り込むと
バケツの海水で手を洗い流し
タオルで拭う

不味いと言われている魚は
大概に釣れてからの処理が悪い
血抜きや内臓を捨てるのが遅いからだ

持ち帰っても
家族にまで歓迎されない食材を
まな板に置いて三枚におろす

確かめられるのが
釣り人だけの至福で、いい
小皿の醤油に刺身を浸すと
脂がサッとひろがった

山葵以外に
何がいるだろう


2024/02/11 21:26

[198246] 【十一点鐘】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



水色の窓際であなたの右手に水差し

そのままで名曲が聞こえてくるように思う

愛していいなら
いつでも愛せる

愛していいなら
いつでも愛せる

髪を撫で 急ぎ足
外出の支度をしてる

敬虔(けいけん)な日曜の
あなたしか知らない時間


ほら光 そして恋
あなたの自由な持ち物

近すぎて怖くなる
あなたはいつだって自然

短針が滑る まもなくイレヴン
短針が統(す)べる まもなくイレヴン

時打ちが終わったら
ひとつ願いが叶うだろう

崇高な日曜の
あなたしか要らない時間

─────
─────

2024/02/08 21:18



[198244] 人間の空洞化
詩人:万田 海斗 [投票][編集]

脅し合い、逃げ合い
人間が空洞化して居る


今更照れて、仲良くしたら、バレる

やはりそうらしいよ
伝説の火の玉、鬼

今度は文字をごく小さくして
あらがう

2024/02/08 14:39



[198240] 罪と罰
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

煙草を吸う場所がなくなり
子どもが遊ぶ場所も減った
美味しいものが増え
物価も税金も高くなった
変化する時代
頭を叩けば笑えていたのに
性的な言動や行為がお笑いだったのに
いじられキャラが面白かったのに
パワハラセクハラモラハラハラハラ
コンプラを武器に声を上げた人の数だけ
断罪される人や会社
古い慣習も体質も
これから変わっていくのだろうか
あの頃笑えてなかった人たちは
今どんな顔をして
SNSをやっているんだろう

みんなの応援より
ひとりの中傷が大きくて
一度のバズりが
その後の人生を大きく変える
大多数の加害者の一人なら
罪の意識も薄まるか
気付きもせずに罰を与え続ける
誰が殺した青い鳥
死刑よりも私刑へ
あなたがわたしを攻撃するから
反撃してやり返しただけなのに
最初は味方だった人たちが
掌を返して敵になり
何もかも晒されて
生きる居場所を失った

昔は良かったとは言えないが
今は良いとも言えないか
安易に発言しても
勇気を持って声を上げても
燃える時は燃える
拡散された影響で
威力を持った言葉たちを
受け止める覚悟と精神はあるか

息苦しくて生きづらいが
見ざる言わざる聞かざるで
やり過ごせない今
変化する時代に
私たちはどう生きるか
生きやすい未来へ向かうには
次に何を発信すればいい?




2024/01/31 12:54



[198239] 無題
詩人:KiraAya [投票][編集]


 真夜中に泣いてる私ときたら

 惨めで 情けなくて 独りぼっちで

 誰にも救われない君を好きなヒトが

 ここにいるから

2024/01/31 03:27



[198236] リバースして
詩人:高級スプーンあと何年 [投票][編集]

初期衝動を拗らせて
時代が変わっても
変わらぬ夢を抱いてる
誰に笑われてもいいって
言ったって
お前自体もう笑えてないじゃん

才能がなかった
その上努力をしなかった
けれど
諦めきれなくて
あれもこれも駄目にして
気付けば
手に入れたはずのものも
何もかも全て失っていた

残り少ないお金で空腹を満たす
捌け口がないと過食して
急な眠気に抗えず
横になると全部吐いた
吐いても吐いても
すっきりしない
吐いて吐いて
リバースして
全部全部
ひっくり返して
これが正解だったんだって
どんでん返しはまだ来ない

覆らない状況に
先の見えない老い先に
期待はしない
夢もない
はずだが
拗らせた初期衝動が
未だこの胸で疼くのは
更年期障害であってほしい
出来れば明日死んでほしい
まだ
明日が来ると思ってるんだから
おめでたいよな
何ひとつ喜ばしくないが
今日死ぬ勇気がないので
夢を抱いて横になるしか

2024/01/28 02:48
4950件中 (21-30) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 495
- 詩人の部屋 -