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麗華塵の部屋  〜 新着順表示 〜


[14] 大切な人を失う歌
詩人:麗華塵 [投票][編集]

蒼く囁く雨降る夜
ただ聞こえるのは兄の泣き声
「この部屋に入ってはいけない」と
兄に言われていなければ
か弱き力を振るわせて
今日もドアの前で静かにたたずむ…
あぁ…何故母は助けてくれない
冷蔵庫に毎日語り掛けては
淋しさと苦しさに潰される
兄は毎日私を抱きしめてくれて
狂おしいほどキスしてくれた
兄の欲望の掃き溜めと知っていながら
私は兄が大好きです

蒼く囁く雨降る夜に
ただ聞こえる兄の泣き声
兄の言い付けを盾にして
今日も私は戦うことはない
ドアの前で両手を震わす
ナイフを持った両手を震わす
そんな勇気があるはずもなく
ただただ弱い悲しみに暮れる夜

あぁ…何故母は助けてくれない
何度も冷蔵庫に語り掛けては
ただ笑うことしかしない母


ある日、兄があの部屋からでてこなくなった
母と同じ部屋に兄がいた
今度は私の番であろうか
ナイフを首に当てては
泣いて崩れた

2004/11/26 (Fri)

[8] カブトムシ
詩人:麗華塵 [投票][編集]

夏の終わり
酷い悪臭
あの日あんなに優しくしてくれた
パパをしばらく見てない
パパは毎日甘い物を食べさせてくれた
何不自由無い生活
パパ…パパ…
どこに行ってしまわれたのですか?

夏の終わり
感覚のなくなってゆく身体
干からびた大地
黒ずんでいく有限の空
酷くなってゆく悪臭
助けて下さい
助けて下さい

パパ…助けて下さい

パパがいなくなって何日がたっただろう
虫の王者と言われたこの俺の身体
今は別の虫が湧いている
辛い…苦しい…
それでも耐えていれば
きっとパパが助けてくれると……

そして僕は死にました
バラバラになって死にました
パパは汚そうに僕の世界を持ち上げ
そのままゴミに捨てました
パパ…パパ…
嘘だよね…

嘘だよね…

大好きだよ…パパ…

2004/11/07 (Sun)

[5] 鈍色の空
詩人:麗華塵 [投票][編集]

悲観の鼓動…
流れる涙…
動かない身体…
残る悲しみ…
遠い足跡…
甘い記憶…
かけがえのないもの…
消えてゆくあなた…

全て鈍色の空へ…
止まらない…止められない…
あなたへの衝動が心より溢れ…
その思いは涙へと変わっていく…


最後の言葉…
聞こえないフリ…
待っている私…
帰らないあなた…
かけがえのないもの…
もうわからない…

今日も私を見ていた…
遠すぎる空…
鈍色の空…

2004/11/07 (Sun)

[4] 約束-色の堕ちた束縛-
詩人:麗華塵 [投票][編集]

それは小さな物語の終わり
「もし僕がこの病に侵されて死んでしまっても…この場所に来る度思い出して下さい。貴女と初めて出逢ったこの場所に…」


僕がいなくなって何年が過ぎただろうか…
僕がいなくなって何年が過ぎただろうか…
貴女は今も僕の影を引きずっているの?
今も貴女の胸に宿る約束
貴女を苦しめているのではありませんか?

ほら…風が吹く度にほら
僕は笑っているから
もう泣かないで
もう泣かないで
風が吹く度にほら
僕は笑っているから…
僕と登れなかった階段を…
次は素敵な人と…

あの日の約束覚えてますか?
貴女は今、幸せですか?
心の中に僕はいますか?
いるのなら消して下さい…
僕の影を見て泣かないで…大切な貴女…

風が吹く度にほら
僕は笑っているから
もう泣かないで
もう泣かないで
風が過ぎた後にはほら
君は笑っているから
もう泣かないで
もう泣かないで
風が吹く度にまだ
君が泣いてるなら
もう忘れて…
もう忘れて…
これからの階段は…
もっと素敵な人と…


僕が死んで何年たっただろうか…
今は君の涙を拭うことも出来ず
あの日の約束は君への鎖へ変わってしまった。
僕だってこんなこと思いたくない
忘れられたくない
でもそれが「鎖」であるのなら
いなくなった僕のことなど忘れて下さい

風が吹く度にほら
僕は笑っているから
もう泣かないで
もう泣かないで
風が過ぎた後にはほら
君は泣いていないから
もう泣かないで
もう泣かないで
目の前の階段を
次は素敵な人と…

風が吹く度に…ほら…


2004/11/06 (Sat)

[1] 私は風
詩人:麗華塵 [投票][編集]


私は風
吹き抜けて消える
ただの風

あなたに暖かい風を届けたい
その一心で
その一心で

あなたに逢いたい
その一心で

私は少し強くなることができました

でも…私は風…
吹き抜けて消える…
ただの風

2004/11/06 (Sat)
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