抱きしめてくれないくせに
あたしに触れないで

愛してくれないくせに
あたしを引き止めないで



　

嫌いになりたいって

思えば思うほど

「好き」が大きくなっていく

とまらないよ

どうしたらいいの

この気持ち。


　

声かけないで

顔が熱くなるから


触れないで

勘違いしちゃうから


笑いかけないで

諦められなくなるから



　

静かに

私はここを去るから

どうか

見なかったふりをして



　

君と喋るとね

顔があつくなるの

ばれちゃってるかなぁ

あたしの気持ち


　

氷の入ったコップに

麦茶を注ぐの

からん ころん

涼しげな音と

香ばしい夏のにおい



　

ひんやり

しゃりしゃりな

白いふわふわを

赤 青 黄色 で色づけて

銀のスプーンで掬って

口の中 一瞬で消えた

冷たさと甘さが

ふわりと広がってゆく


そんな

夏の小さなしあわせ。



　

わたしね、

いつのまにか

見えないふりと

聞こえないふりが

上手になったみたい



　

僕が君を想うたび、

首が締まっていく。

どうしてこうなったの。

君を愛するたび、

こんなに苦しくなるなら、

君なんか、―――




　

君を想うことが罪なのだとしたら

僕は堂々と罪を犯しましょう

たとえ囚人となろうとも

たとえ十字架に掛けられようとも

大きな声で叫びましょう

「君を愛している」 と。