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あいるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[294] 神接証明
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影絵は色彩を含んで
季節を証明するために
時間を手繰り寄せて
その継ぎ接ぎの縫い合わせが
運命や歴史だと例えるなら
とかの前置きはもう
たくさんだ



見上げた青を
真っ二つにする飛行機雲

一輪挿しの憂鬱や
箱庭の滑稽も

孤独死や人混みも

暁のパープルや
夕焼けのバイオレットも

小指から飛び立つテントウムシや
その指から空と君を結んだ面積も

原石や100カラットも
重油やミネラルウォーターも

フォルテッシッシモや
ピアニッシッシモも

見上げた夜空を
真っ二つにする流れ星


雨粒も涙も
夜行バスも始発も
LINEも文通も

スモモも桃も
君やボクも
ボクも君も


2019/04/20 (Sat)

[295] crawl
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大成することが
大人や成人なら
抗うのは言い逃れできない
人の間だけでいい


かなしみをせおって
どこまでおよぐ?


光はお腹をすかして
たいらげれば涼しい夕べ

温度差にまぶた綴じれば
栞のように
胸にしまいきれない気持ち


決壊した眩しさ
でも、そのかなしみを手離すと
息継ぎを忘れてしまうよ


波の満ち引きは
ボクらによく似てる


幼さは幻
そう言えたなら
逆らうのは運命だけで
いいのかもしれない


reiwa2019

2019/05/28 (Tue)

[296] BPM
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缶コーヒーの缶は
頑なに硬くあれ

規則正しくビート刻む
駅は高架下

ぶれないのが1番と
柳の木は風にのりにノル

何かに急かされる
人混みと逆に流れる回游魚

鼓動に併せリズムキープ
like a like a
まるでまるで
真似事は沢山だ

言葉に生かされてる気はしないけど
言葉を生かしてる気もないよ

音の旋律はいつだって
柔和に鋭利に
耳と心を蹂躙してくる

へたっぴでいいから
君の声でぶち壊して
もしくは何も言わないで
ボクをもっと迷わせて

蹴りあげた缶は
気持ちよく音を鳴らすよ


2019/09/03 (Tue)

[297] 春雨
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君はいきなり泣くんだ


いつも突拍子もない
君の
君による
君のためのリサイタル

ワ行に濁点をつけたような不器用な泣き声は
夏の嵐のようで清々しい


鳩が豆鉄砲をくらったのはつい先日のこと

パズルのピースだったり
迷宮だったり
自分を形成する
ナニカの在処を
まだなんとなく探してる


このなんとなくが諸悪の根源でさ
心の体積は変わらず
入れ物だけ大きくなって

今日を乗り切る知識だけを
頭に貼りつけて

そんなん必要ない
なんとなく


呆れるくらい晴れた空に
儚さをおもうようになった

科学的根拠に基づかない
基づきたくない


調律なんだよなきっと

なんとなくはなんとなく
あたたかくてさびしいんだ


君が泣く

泣けないボクのかわりに泣くんだって


切れたままのギターの弦でも張りなおそうかな

あれもしたいし
これもしなきゃな

さびしくてあたたかいな
とりあえずは
なんとなくつられて

泣いてみようかな


2020/02/28 (Fri)

[298] ブレンドコーヒー
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まだ2019だって勘違いしてる扇風機に
立夏だと囁いて
湿気た空気をスクランボー

決壊することなく
涙を吸い続けた枕
でっかちなのにスカスカ
低反発から猛反発
ボクの頭をひっぱたいてよ眼はひらいてるのに醒めてないんだ


民主主義だと思ってた歯ブラシも
自分勝手で足並みが揃わない毛先


平成からの生き残り
伸びた前髪は
いい感じに令和をぼかしてる


ホットからアイスへ
ホッとから愛すへ
安心と愛は親せきらしい
挽きたての苦味を
おぼえても舌足らず
人生は甘くないらしい


マスクでのっぺらぼう
無口でも無礼講
今はラフにステイホーム


話せなくて
フリダシみたいだ
ここは音がない世界デモ


口先の愛より
指先の会話

愛しくなったらこの指とまれ



2020/05/06 (Wed)

[299] ネコヲカブル深夜
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冬はそーいうもんだから
不愉快ではないな
飲まないでポケットで
握るカンコウヒー


春猫を頭に乗っけて
弾むように前へ
動線はゆるやかに
光をまとい風車


夏烏は延びた陽を
勿体ぶるように
なき散らして
ひぐらしと二重奏


秋雨は心象を映しすぎる
ときに美しすぎるんだ
どうか急かさないで
四季の死期を指揮する稲穂


怠惰にまみれた字体も
稚拙な文章も
出なかった喉仏も
届かない神風船

文字も色も声も
優劣なんてないんだ
ボクはここ
いま、ここ


君の向こうに
いま行くよ
あいらびゅ


2020/08/12 (Wed)

[300] 花水
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憂いが優しさになるには
なにが足りなかったの

音速より早く涙がこみあげると
目頭は熱くならなくて痛くなるんだ

春先は花粉が酷かった
涙の量は正常だった

地球に優しくないボクら
過ちを憂いても解決はしないんだ

不要不急とゴートゥーが
心にとって
対義か類義かわからない

毎日できることをやろう
矛盾の中に優しさを忍ばせて
庭の花木に水をやろう



2021/04/11 (Sun)

[301] 淡紅と方舟
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前世ぐらいからの運命の糸が
こんがらがってしまいこんだのが脳ならな。

想いを滞納してたのかな
繋いだんだね


閉じこめた誘惑が
ドアを撃ち抜いて

春雨に癒着した傍観劇に
サインを送ろう

水溜まりが捉えた風さえも攻略法のない明日を狙ってる


屈折した光りも
もとより祈りも


意図が反射して
泣きたくなるくらいに
命は運ばれていくんだね

愛を留めても
哀を流しても


ではじまって

でおわる

とどめたり
さえぎったり
つかまえたり
つまづいたり

さしのべるからね


不確かさを信じていた
月曜にネクタイの手綱をかけて
火曜に逃がして
水曜は君と
木曜とじゃれあって
金曜と暦を消して
土日の合わなかった予定や辻褄がねじれたのが脳ならな。

また運ぶね。



2021/04/20 (Tue)

[302] エゴブロック
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狂騒競争協奏胸葬


もてあそばれたり、じゃれあったり
足踏みか地団駄
積み上げては崩して
だから、過不足になるんだ
感性しだい夢の国

毎日が創刊号
詩人に口あり
文学なんてどいとくれ
君のそばに置いとくね
願わくば、いつか想いを追い越して




2022/03/28 (Mon)

[303] 白内障
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ボクは風景の一部として捉えられていく
思い出せない快楽は頭の隅に座礁してる

その成果を頬張るのは、朱色を吐き出す海か、
片想いを催してる月くらいのもんだ

いつの間に汚れてた白いシャツ
いっそパレットのように生きれたらな

何気なく朝刊に穴を開けて世界を覗いた
濁りのない銀河のような眼で

2022/07/28 (Thu)
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