詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
きれいだな
剥がし忘れて
よれよれの絆創膏が
とれて
傷口が
すっかりと治ってた
きれいに
部屋干しばかりして
臭かった衣類も
煮沸して乾かすと
いい匂いになった
すがすがしい
ものだよ
なにもかも
たいしたこともなく
なにもかも
私が
まわりくどく
してしまっていた
だけだから
詩人:EASY | [投票][編集] |
真夜中のブランコが
風に吹かれたら連絡をしてくれ
その時上を見上げれば
星が満天だ
そしたら次は、お前に合図する
初恋の時に見た自動販売機の光りの
淡さを想い出してくれ
親の背中と、お前の切なさに
集中するんだ
初めて貰った給料の使い道を
或いはその使い方に
想いを寄せるんだ
そして、そんなどうでもいいことを
ゴミ箱に捨てる
そうしてみてくれ
出来るだけ広い
砂浜に向かうんだ
それが無理なら想像してくれ
そこに沈む夕日を
眺めるんだ
それが美しいなら
それでいいし
それが悲しいなら
それはもっといいし
どれでもないなら、それが自由で
それ以外も、自由だ
その後、俺たちは
自由を持ち合って、ここで落ち合おう
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
最果ての孤独に
辿り着く前に息絶える
非力な僕には
限りある可能性にすら
ろくに手が届かない
多くの望みが枯渇した
砂漠にも月は登るのに
一切の光がない場所で
永遠にかくれんぼ
暗がりに名前はない
存在のない宙に見えない姿
光を当てれば済む話
空振りの論理じゃ
何も掴めないけれど
覚束ない頭で無知を知る
覚えのない罰を受け続ける
思いを馳せるのは強欲か
あなたに逢いたい
ただそれだけのことができない
詩人:EASY | [投票][編集] |
銀河の欠片のコレクター
寄せ集まった瞳たち
屋根裏には想い出があって
涙には酸味がある
法則には硬さがあって
剥がすと血が出るから
丸い瞳は猫っぽく宿り
優しさを生むんだ
僕たちを抱きしめるよ
気づかれないようにそっとね
詩人:万田 海斗 | [投票][編集] |
皆が
人間関係を縛り合い
しかもいつでも旅する用意をしている
地球は落ち着かない
皆が落ち着かない
透明な紙人形?
大変な死に方を想定する
アッハーン 落ちる
死ぬぅ〜
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
そらから
みはなされた
こころの
はしくれを
しならせ
たぐろうとしても
こころが
いわれもなく
あらわれていく
まぎわ まぎわ
爪先をひっかけようと
紙面の
滑りごごちを
噛みしめしながら
雨より
そぼろ そぼろ
おちていく
愛して
推敲も抑揚も
比喩さえ
ならない
こうしてこうして
こうして
こう
詩人:与末居 | [投票][編集] |
見捨てた訳じゃないのは分かってくれ。
自由に羽ばたく貴方を見てたくなった。
枷は、もう無いだろう。
鍵は、必要無いだろう。
気持ちだけを残したまま。
ごめん、さよなら、ありがとう、またね、ばいばい、じゃあね。
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
蝉の
真っ黒な眼に
蘇る空
鍵を掛け忘れた気がして
賃貸アパートの
三階へと
階段を駆け戻る
汗だくで
じっとりと手首に巻いた
腕時計の
時刻があんまりで
朝の
分針の速さと
蝉達の鳴き声に
もうこんな時期
微かに
線香の香りがする
詩人:理恵 | [投票][編集] |
私の手には傷がある
幼い頃、高いところから落ちた時のもの
君の笑顔は知っている
大きく開いた目とか、
楽しそうに笑う顔とか
その向こうの黒いもの
ふっと誰かが腕を上げ
私はさっと身をすくめる
ただ、あの本を取りたかっただけなのに
それが君の残したもの
2022.7.3.