ホーム > 詩人の部屋 > 善田 真琴の部屋 > 投稿順表示

善田 真琴の部屋  〜 投稿順表示 〜


[32] 京都・東山物語
詩人:善田 真琴 [投票][編集]


咲く花に
きみの面影
尋ねつつ
漫ろに歩く
哲学の小道

緊張と
不安を共に
分け合って
お喋りをした
名も知らぬ人

乞い願う
袖触れ合うも
他生の縁
募る想いを
抑えかねつつ

境内に
探す姿は
幻の
影さえなくて
独り佇む

早鐘の
胸が高鳴る
南禅寺
見覚えのある
後ろ姿に

偶然の
数を指折り
繋いでは
一度きりと
結んだ縁

定めなく
巡る現世は
風の色
前に何処かで
見かけたような

縁あれば
また逢えるよと
アドレスも
聞かず別れた
花見小路で

春の日に
眠る来世は
花の色
次も何処かで
巡り逢えたら

2012/04/04 (Wed)

[33] 山口・幡生物語
詩人:善田 真琴 [投票][編集]


パリパリと
ポテチを食べる
音がして
ふと目覚めれば
そこにいた人

間がもてず
何処へ行くの?
と尋ねれば
小倉に帰ると
朗らかな声

久々に
海が見たいと
山口の
幡生の町に
行って来たきみ

バンセイは
はたぶと読むの
笑いつつ
教えてくれた
さも得意気に

ガタゴトと
揺れる電車は
旅の空
それであなたは
何処まで行くの?

博多です
そして明日は
長崎へ
ふらり宛て無き
一人旅です

明日また
幡生に行くのと
あわてんぼ
メガネ忘れた
取りに行かなきゃ

海底の
トンネル抜けると
きみの街
名残惜しさに
言葉途切れて

それじゃと
先に降りてく
窓越しに
手を振るきみに
またねと呟く

また会える
そんな気がして
幡生へと
予定を変える
気紛れな旅

6月の
潮風薫る
漁村には
人影もなく
カラス一匹

砂浜に
風吹き抜ける
振り向けば
麦わら帽の
きみをみつけた

どうして?と
驚いた顔
照れ笑う
それが見たくて
ここに来たんだ

保母さんで
子供の話
ばかりして
かきくけクッキー
歌ってくれた



歳月は
夢の旅路に
今頃は
お元気ですか
しあわせですか

2012/04/05 (Thu)

[34] 春雨
詩人:善田 真琴 [投票][編集]


人々の

花を案じる

気遣いに

応えるように

控え目な雨

2012/04/11 (Wed)

[35] 
詩人:善田 真琴 [投票][編集]


装いも

飾りも落とし

晴舞台

降りて素顔に

戻った桜

2012/04/12 (Thu)

[36] 花は盛りに月は隈なき
詩人:善田 真琴 [投票][編集]


人臭き
気配も妖し
花弁を
震はせ喋る
夜桜の群れ

左様ならと
手を振る稚児に
然り気なく
染井吉野が
頬笑み返す

土の中
秘め事めきて
根を絡め
契りも堅き
桜木二本

その下の
土に埋もれし
人あるを
誰かと問はば
花のみぞ知る

ぬばたまの
夜半の夢路も
はるさめの
花を腐せる
音にしぞ聞く

草枕
旅に眼を病み
闇の中
瞼伏せれば
花は盛りに

2012/04/14 (Sat)

[37] 花しおり
詩人:善田 真琴 [投票][編集]


舞ひ降りし

蝶々の如き

花片の

文庫閉じれば

栞となりぬ

2012/04/16 (Mon)

[38] 白装束のカラス
詩人:善田 真琴 [投票][編集]


小賢しく
皺枯れし声で
厭はるる
鳥に一画
足らざる烏

羽繕ふ
姿形は
違はねど
カアと一鳴き
真白き烏

吉凶の
いずれか知らず
今朝も見し
白き烏の
行く末あはれ

2012/04/21 (Sat)

[39] 瀬田の唐橋
詩人:善田 真琴 [投票][編集]


春雨に
瀬田の唐橋
眺めつつ
来ぬ人を待つ
白傘の人

唐崎に
風吹きあへず
舞ふ花の
目蓋閉づれば
この胸に散る

淡海の
湖面に銀の
矢波立て
季節外れの
野分過ぎ之く

字余りの
下手な優しさ
持て余し
言葉足らずの
心が凹む

2012/04/22 (Sun)

[40] もののふ
詩人:善田 真琴 [投票][編集]


仄暗き
庵に煌めく
愛刀の
播州長船
則光の銘

袈裟斬りの
空切る音も
凄まじく
業火の如き
煩悩を断つ

御簾越しに
轟き渡る
鳴る神も
いざ斬り捨てむ
降りてみよかし

2012/04/22 (Sun)

[41] 雨音あまねく
詩人:善田 真琴 [投票][編集]


万象に
落つる雨音
相和して
優しき春の
調べとぞ聴く

新緑の
葉に落ち撥ねて
弾かるる
雨の滴が
伝へる波動

雨止んで
音無き音に
冴え返る
極楽浄土
かくやあるらむ

2012/04/22 (Sun)
66件中 (31-40) [ 1 2 3 4 5 6 7
- 詩人の部屋 -