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トケルネコの部屋  〜 新着順表示 〜


[198] 臘月不老マヌカン
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淀みなく銀世界に呑み込まれた、
おまえ
お前は今産まれた、今
今今今や今世紀初の悲劇を咥えるためにその顎を文明と云う電柱に衝き毀せ

臭くもなく、激しくもない愛しき如雨露の黄金水
時計の眞裏を正しく理解する者はいない

始まりが在り終わりが在る
始まりと終わりのスロープに崇高なる三輪車が転がっている
その補助輪は浅ましい女の手
さらに赤子を浴槽に浸すように 青白く静止している

ガスメーターを喉仏の上下で測れ
傷ついた抱き合わせの惨劇を狐眼の女衒に捧げろ
シャクトリ虫が月夜にダンスを踊るように…

警察官がしんじつ警察官を装うために
その警棒をヤスリに変えたのは、
おまえ
オ前ハ自ラ両脛ノ腓骨ヲ削リ犬ニ与エタ

始まりが在り終わりが在る
始まりと終わりのスロープに奇態なる干し椎茸が伸びている
そのまろやかな笠を愛撫する美しい女の指

時計の眞裏を厭らしく分解するのは、

おまえ

お前…ダレダッ!

2010/05/27 (Thu)

[197] 星屑のLinkage
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二月 北の風に乗せられて
世界を丸くなぞった象使い

夜の煙突から覗く 淡く白い波濤の森
パイプの隅にいざなう光
灰で象る もう少しと云う
言葉の石英 ただ曇らす神サマ達の午後

真綿のエプロンは静かにほどかれ 柊の風に踊っている
アカギレの女神を箱庭の宇宙に運ぶため 憩うために

三月 老いた甲羅の大地に
無重力 銀の葩と粉雪が舞う
少なめに入れたティーカップに浮かぶ波紋
時は重病人から見捨てられてゆく

太陽のストーカーにだって戻りたい夜がある
廃屋の無言電話に風も知らない緋蓮が咲いては、ひっそりと散る

四月 誰もトビラを傷つけては
あのアキラメを欲しがった

もやわれた舟に双子のペンシルが眠っている
端をまだ知らない世界は実話を望み
抽象を嫌った

2010/05/30 (Sun)

[196] スプートニクの愛
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静かすぎる息が睦月の夜空を乾かすね
物々しく薪をくべたって 凍てついた窓が報せるのは
ひび割れたサイフォンの嘆き

ただ虚しさに紛れて 雨に長靴を擦り減らしたって
見つめるのはイルカの背に跨がる月精だけ

僕は愛を詠うよ
一つだけの君を何度でも紐解こう

望みのない奇形の世界に産まれ落ちた右手
逆らえない衝動なんて きっと認めないための期限切れの憧憬
あの子は誰でもいいと砂場に海を抉った
祈ることさえこの地上では捨てられるから
誰でもない僕はまた陰に立ち尽くした
独りになることを喩えるために 泳ぎ方を知るために

いつか茜の夢に君を捜したなら
何処にも行けない影を拾ったなら
美しい夜をラフレシアの暗喩で包みこもう
奥歯に隠れた赤目の小人が目を覚まさないよう

僕は愛を詠うよ
一つだけの星を解き放つように

僕はカタチのない自由を
二人の緩やかな繋がりを
上手く描けるかな もう、奪われることもないなら

何度でも君を汚すよ
何度でも君を犯すよ

一度も壊せなかった償いの窓に
美しい空っぽの光しか掴めない左手で



2010/06/29 (Tue)

[195] 秘湯ξ写楽
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顔面ツムラ
シュワシュワシュワシュワ肌ざわり
爽快ツムラ
シュワシュワシュワシュワ座禅して
開眼ツブラ
モリモリモリモリ想起して
茹蛸ツルリ
デロデロデロデロ舌伸ばし

人参

花火

ゲンゴロウ

湯槽に浮かべりゃ

火加減ツイゾ
グラグラグラグラ煮上がって
不機嫌ツカリ
プチプチプチプチ禿げあがる
無期限ツワリ
ヌプヌプヌプヌプ吐き出して
異次元ツカミ
モフモフモフモフ身にまとい

月光

ささ身

トノサマバッタ

湯槽から夕暮れに、解き放ちーの







2010/08/31 (Tue)

[194] 僕の愛しきガルガンチュワ
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擦り切れたズボン
抱えきれないカバン
黒いパンツの旗竿振りかざし
檸檬片手に

奴が来る


おいたわしや
おいたわしや
おい、たわし屋
そこのたわし屋!
「なんや兄ちゃん?」
違う、隣の奴だ
「あたしぃ?」
違う、チョビ髭のやつだ
「あっしですかい?」
オマエだ…


夕暮れカラスは
どこへ往く
夕闇まとって
何を鳴く
空には林檎の実がプカリ
あいつはそいつの鼻ポカリ

「痛ぁ!なんであっし殴るんですかい!?」
タワシ屋風情がそんなガリ勉眼鏡してるからだ
「 エェェ(@д@)ェェエ 」
うるさい
「 エェェ(@д@)ェェエ 」
うるさい
「 ヘエェェ(@д@)ェェエ 」
感心すな
「 モエェェ(@д@)ェェエ 」
抱きつかれても困る

「で、どう落とすんすか、この詩 」
とくに考えてはない…
「 エェェ(@д@)ェェエ 」
…また繰り返すのか?


その三日後、ついに加護ちゃんが辻ちゃんを刺したとニュースZEROに・・・



「 エェェ(@д@)ェェエ 」

もういいよ


2010/07/09 (Fri)

[192] 娑風蓮華〜裸婦ロゼッタの祷り〜
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asの変換  Esの後の先  キルケゴールの鍵盤
背徳の月光の海を裂く蜃気楼MESS

生きてはまた罪を創ろう
白銀のベッドで 夜の沐浴に吊されて

結い比べれば詩とは身を灑ぐ極光

誰何すればナゾ

形のないブランコ

投げだされたスフィンクスの幻影


阿修羅の眠りを花束に 
息を漏らす森羅の旅人 
祖のエンコード

旋律と月のアルべドに 
裸婦は踊り 
惑星をソファに沈めた


辿りつく序曲 シンメトリーの胸ビレ
砂漠の夜に浮かぶ蒼い氷山の憧憬


僕はまだ聴こえない

美しい祈りでは言葉は死ぬばかり

正しく写すゴッホでは高鳴りを知らない


世界はまた弁を抜かれ
葉は由良由良と幽冥に還る


asの変換  Esの後の先  キルケゴールの鍵盤

夢上の贈り名はアネモネの花冠



2010/07/24 (Sat)

[191] 灰と従属
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ブレゆく水面に踊る 左の頭のフランキスパス
健康の疎開と海馬の積み木
ムシバマレゆく万葉 空っぽの被告席の下
隠れた魚の目 果てしなく脆い世界

罰と疑い 夜を刺殺したサル
貨物列車の影が過る
ガスマスクと海 詩人と林檎の芯
車窓の子供が指を食い千切る モウスピードで消え去る
見よ それが燃える半月が如く滅びる予兆
額に滴る汗のような、紐のような影

夢でサナギになり飛び立つ事
現つで羽を毟りクチバシを延ばす事

鉛の剣玉 ガタガタ祈る入れ歯の快音
凝固が始まる 自分を産み出す
歌が途切れる 息が証人を喚ぶ

ソレがソレになるために
一つ一つのアキラメを溶かす
退情/蔑死/穿光/勇棄
床を腐食しながら歩む毒々しい三つ眼の蛙

忘れるな認めるな 満たされた笑みの下
重なる灰の上にあるのは − 果てしなく奪われる世界 −


2010/08/29 (Sun)

[190] サルトリンゴムキキ
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食卓にイワシが並べられている

ヌラヌラと四方眼を宙空に彷徨わせ、まさにイワシだ
や、そもそもこれはホントに近海のイワシ氏なのであろうか?
私は魚の形態と名称がイクォールで正常に繋がったためしがない
このシシャモによく似た腹の膨れ具合と
もはやシシャモにしか見えぬ小振りなシルエットは、やはりシシャモなのだろうな

そう合点がいった所ではたと気付いた
私は下半身ハダカなのであった ジッと椅子にかけた父母が視ている
精確には私が昨晩徹夜で造り上げた父母の蝋人形が

ところで股間の痒さに勝るものがあるのであろうか?
だからこそ私は春の朝の生ヌルい中央高速道でハダカでポンなのだ
想像してみたまえ ランプの魔神に何よりも股間の痒みを取り除いてくれと
金も女も世界統一券もいらんからと願いたくなるアホな心境を

「ぶるっくしーるず、昔キレイやったなぁ…」フト父の最後の言葉を思い出した
なんだか股間の痒さに泣けてきた
カユクテカユクテ「でも今じゃアメコミの女ヒーローみたいね」と笑いこけてた母の死に様が甦る
そしてフツフツと我が金玉の無用なメタルさに怒りが込み上げた処で


ゆ  っくりと昏倒した


私は眠り、目が覚めた 
見知らぬリング上にいた

馬場が 三沢が、父母がいた 飯島愛やウガンダまでいた
…なんだ、みんないるじゃないか
みんな、消えたフリしてヒドイよ(ヒドイよ…)

リングサイドに場違いな青い目のサムライがいたから、しばいたら
『イテッ』と日本語

2010/05/06 (Thu)

[189] 仮想ジャメヴュの枝世界【2】
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闇を掻いて掻いて底へ底へと泳いでゆくと、ゆっくりゆっくりと
巨大なビル群と薄暗いネオンが見えはじめ
赤い尖塔の傍の、無人の十字路脇に、独り少女が佇んでいたそうな。

『いたよ』ビニールが指差す先にツツムラさんはユラリユラリ降りていき
その少女の傍の葉のない樹にフワリと掴まった。
少女は一心不乱に小さな機械を覗き込み、首を傾げ
脚を絡ませては細い指先を動かしていたらしい。

やあ、とツツムラさんが声をかけると少女は怒ったように目を上げて
やっと来たのね、と唇を歪ませて薄く笑った。
ツツムラさんは、私はベルべリ(*新月の守護天使)じゃあないと哀しげに首を振り
一緒に行こうと、少女の腕を取り上を指差した。
けれど少女は硬く頬笑むと、また機械の小っぽけな画面に没頭しだしたそうな。
すると突然、巨大な海流がツツムラさんを押し包み、少女は闇に流され見えなくなった。


『またダメだったね』
水びたしの喫茶店で、そう猫のビニールが言うと
そうでもないさ、とツツムラさんはいたずらっぽい笑顔をして
ポケットからあの少女の携帯を取り出した。
そして軽いステップを踏んで窓際の椅子のか細い影に手渡すと、
少女の影は「これで帰れる」と嬉しそうに呟き
小さく頭を下げて、フッと消えたそうな。

外ではいつも通り夕焼け空に、アヒルの親子の影が遊んでいたらしい。

2010/05/02 (Sun)

[188] 仮想ジャメヴュの枝世界【1】
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地図にはない道の喫茶店にはアヒルの親子の看板がかかっていて
朝の早いうちから開店し、夕暮れいっぱいまでやっているそうな。
椅子は全部で12脚。テーブルはないらしく、壁には一面様々な色彩の絵が飾ってある。
客はといえばたまにはぐれた人影がやってきては、しばし座席で
ボゥっとするぐらいで、メニューはいつだって埃を被ってる。
ツツムラさんはそんな喫茶店の気のいいマスターで、愛猫のビニールと一緒に
少ない客をいつも日溜まりの席で待っている。

ある雨上がりの朝、少女の影がやってきて、珍しく「ミルクティーください」と注文してきたそうな。
ツツムラさんは慌てて椅子から立ち上がると湯を沸かしはじめたが
あいにく火の精は大半が出払っていて、水たちを怒らせるには声量が足りなかったらしい。
困り果ててツツムラさんが立派なモミアゲを撫でてると、
ビニールが『代わりにあれをあげよう』と言ってきた。
あれとは、あれかい?とツツムラさんは暫し難しい顔で思案してたが、
少女の影がユルユル渦巻きだしたのに気づいて、意を決したそうだ。

ツツムラさんが猫の形を解いたビニール袋を被って、壁の左端の真っ黒い絵に飛び込んだ、その刹那
ツツムラさんの体は冷たい水に包まれ、無色の静寂に沈みこんでいった。


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2010/05/02 (Sun)
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