詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
透明で無味無臭
少し薄まるかもしれないけど味は変えず
温度だけを奪って溶けて姿を変える
個性はなく主張も弱く脇役
夏には重宝されるけど
それ以外の季節には忘れ去られてさえいる存在
そんな人生つまらない?
それでも私は幸せよ
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屋根を叩く無数の雨粒は
リズミカルな音色でダンスを踊っている
アスファルトを濡らす雨粒は
静寂を際立てて哀しみを包み込んでくれる
青空に降る雨は
陽射しを受けて七色の橋をかけてくれる
鼻唄も涙も願いも
知っているのは雨粒だけ
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日中
世界を太陽が照らすとき
僕は猫をかぶり
社会にとって人畜無害であろうとする
夜
空で月が輝くとき
僕は名を変えて
言葉を紡ぎ詩をうたう
どちらも僕で
どちらも必要で
きっとバランスを取りながら
みんな生きているんだ
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波にさらわれ消えると分かっていても
波打ち際の砂上を歩く
実世界に痕跡が残せなくても
実体のない世界で文字を綴る
大勢でなくても誰かの心に残るように
紡いだ詩に願いを込めて
朝になれば何食わぬ顔で今日を歩く
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
苺のように甘酸っぱい思い出の公園で
改めてお互いの気持ちを確認した今日
君へ贈ったネックレスの輝きも
雲間にかかった七色の橋も
僕らを祝福してくれているよう
なんて
頭の中がお花畑って思われるかもしれないけど
今日は休日で
一生に一度のことだから浸らせてほしい
僕を選んでくれてありがとう
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歳を重ねることに抗うのではなく
歳を重ねることを楽しみとするような人生を送りたい
若い頃を懐かしみ
子供や孫に物語を読むように語れる
そんな母親にそして祖母になりたい
10y
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この部屋のドアをノックして早10年
生活は大きく変わり
親元を離れ一人暮らしになり
学生から社会人へと進んできた
ただ月日を経ても変わらないものもある
精神年齢はあの頃も今も30代
自然を題材にすること
この部屋を訪れ続けているということ
これからの10年で
精神年齢は変わっても
きっと自然は題材にし続けるし
この部屋にも通い続けるだろう
私が詩をかきつづけるかぎり
この部屋が存在し続けることを切に願う
10y
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夜空に浮かぶ光
丸くなったり細くなったり
日によって形を変える不思議な光
白い光は淋しげでそれなら傍にいたいと思ったんだ
水の流れに逆らって光に届きそうな高い滝を登る
激流に負けまいと死に物狂いで泳いぎ
高く遠い光を目指すうちに空を昇っていた
これならあの光へ届くだろう
その日月光に照らされる1匹の龍を多くの人々が見たという