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そほとの部屋  〜 新着順表示 〜


[217] やっかいな奴
詩人:そほと [投票][編集]

なんでもかんでも突き詰めると
宇宙と等質になってしまいやがるから
十分に自分の格好悪さを残しながら
かつ質量を持たぬように
書いてやらなきゃいけないんだ
やっかいな奴だよ詩って奴は



2009/02/03 (Tue)

[216] 癌のようなものだよ
詩人:そほと [投票][編集]

それは君の肺を蝕む癌のようなものだよ

詩人はそれを文字で構築しようと試みる
音楽家はそれを音で構築しようと試みる
ここに一人の狂った音楽家が居る
「天上の音楽が地上の楽器で再現出来るものか」
そうつぶやくと彼は
五線譜に絵の具を塗りたくる作曲に
没頭するのであった



2009/02/03 (Tue)

[215] 放置法
詩人:そほと [投票][編集]

書きかけて行き詰まった時
気になるフレーズは浮んだんだけど・・・の時
出来たのは出来たんだけどの時
そんな時は思い切って放置する
機が熟すまで放置する
その時期は必ず来るから放置する
それ 放置法
3年越し5年越し
30数年越しの詩も有るよ ホント
どんなくだらないフレーズでも
今の自分にはそこまでしか表現出来なくても
その元のコトバになる前の詩は感じている
未来の自分ならもっと明瞭に表現できる
だから今を大事に
未来の自分に向けて成長を続ける
詩は成長しない
自分が成長するのみ



2009/02/03 (Tue)

[214] 疲労
詩人:そほと [投票][編集]

ぽってりとむくんだ疲労が目蓋に居座り
夜気など深呼吸してやろうと
暗幕状のカーテンを『おりゃっ!!』と開けると
月齢は知らぬが暗黒の口に光る犬歯が
獅子座流星群喰らっていた
今この時この時間
この空を見上げている連中が居る事を思い出して
『俺は一人だから』とつぶやき
カーテンを閉め
ついでに目蓋も閉じた
ぽってりとむくんだ疲労が
目から延髄をころがり落ちて行く



2009/02/03 (Tue)

[213] 影を踏んで今日を生きる
詩人:そほと [投票][編集]

光る芝生の中は修羅だった

跳ねる虫
歩く虫
這う虫  と影

跳ねなくなった虫
歩かなくなった虫
這わなくなった虫  と影

足の裏に
自分の影を踏んで
今日を生きる



2009/02/03 (Tue)

[212] ホームレス狩
詩人:そほと [投票][編集]

群れたがる若者達のアソビ「ホームレス狩」
その実態は「原始人狩」だった

ホームレス達は
電気店の裏や粗大ゴミ集積所に殺到した
幸運にも
まだ使えるテレビを手にする事の出来た者は
他人様の電気を盗んでその狩から免れた
不運にも
手にする事の出来なかった者は
原始人として狩られた

見上げれば
死んだ魚の骨を屋根の上に祭り上げる
不気味な宗教が国中に蔓延している



2009/02/03 (Tue)

[211] 私 どうも
詩人:そほと [投票][編集]

人工の光に隠れ切れずに
見える月は可哀想なもんだな
(お前にも一杯奢ってやる)
昼間の明るさにも隠れ切れずに
見える月は可哀想なもんだな
(密閉型の耳栓を貸してやる)
秋の終わりの小春日和にやっと
羽化した蝶々も可哀想なもんだな
(墓はビニールハウスの中でいいかい)
後悔映し出せない
鏡も可哀想なもんだな
(紙ヤスリで擦られているらしいな どうも)
面倒臭いから昨日の残り湯
いい加減だから
沸かし過ぎてうめ過ぎたぬるい風呂
明日 熱を出す予定
(ずる休み)



2009/02/03 (Tue)

[210] 欲す
詩人:そほと [投票][編集]

詩人の目というものは存在せず
すでに比喩であるならば
詩人も存在せず
すでに比喩であろう
詩は五感の届かぬ処すでに満ち溢れ
五感を超越して常に感じ続けている
後はアンテナの方角にバリコンの調整
文字への変換と云う機械作業だ
ならば ならば
具体的な私と云うものは
そこにどう関わっているのだろう
どう関われば良いのだろう
ススキ枯れて
セイタカアワダチ草醜く枯れて
雪が全てを美しくして
私は私は見付け出せるだろうか
私が固体を持つ以前の詩で在った私を



2009/02/03 (Tue)

[209] 4989
詩人:そほと [投票][編集]

心が曲がって 口が曲がった
心が歪んで 骨格が歪んだ
いつもより早く目覚めた朝
昨夜閉めそこなった窓から吹き込む風に
顔をなぶられながら
軽い耳鳴りと 些細な吐き気
お気に入りのおもちゃ 握り締めていたのは
右の手 左の手
それすら解らねば
怨み辛み呟く相手は自分しか無く



2009/02/03 (Tue)

[208] 鳴くか
詩人:そほと [投票][編集]

かえるが鳴かなくなった
かわりに鈴虫が鳴いている
さて私は鳴いているか
始めに鳴いたのは間違いの無いところだが
その後鳴いたか
ちゃんと鳴いて来(こ)なかった気がする
こんなことを独り考えていること自体
あきらめた方がいいな
いずれ 鳴く日が来るだろうか
だとしても
もう かえるのようには鳴けまい
鈴虫のように
鳴いて終わるか



2009/02/03 (Tue)
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