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ヒギシの部屋  〜 新着順表示 〜


[180] かけら
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もう見ることのない
雲のかたち

僕は思い出せずにいる

あの頃の憎悪が 悲哀が
どんな味だったか


夕暮れに潰した
歪な砂の城

塩辛い涙の味は
今も変わらないのにね

2005/04/08 (Fri)

[179] 窓から射し込む道しるべ
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麗らかな春はこれ程迄に
光が溢れているというのに
覗き見した明日はどうだ
何者の姿も浮かばない

懐かしい傷を指先で辿って
そのまま滑らせて先へ先へ

目の前に舞うひとひらの薄紅が
今やっと気付かせて落ちてく
風のように這ってきた道の行方

2005/04/08 (Fri)

[178] 星街
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涙で滲む目に映る
街の灯りが揺れている

白いベランダに座りのぞんだ
遠い星達に念でも送る方が
あの灯りの下の人間に訴えるより
余程簡単ではないか

届かないと知ってて夢見てる
それは幸せなことだろう
記憶の中小さな手が
汚い小瓶を掘り出して
きらめく宝石を期待していた

塞いだ耳に流れ込む
自販機の操作音と足音
此処には生い茂る木も囀る鳥も
セーヌの水面もガムランも
澄んだ星空だって無い

あるのはか細いこの腕と
休むことのない心臓だ
脈打つ血流が愛しい
救急車のサイレンが邪魔をする

睨み付けた夜空に光が流れた
なんだ、飛行機
低い音を響かせて
遠い国へ飛んでゆく

ただ一つだけ馬鹿みたいに煌めいた
あの星の名前は何てんだ
辞典に載るより遙か昔に放った筈の
強い光が眩しくて美しかった

揺らめく光の水面下には
同じく小さな人間が居るのかと
滲まない視界が嘘のようだった

2005/04/06 (Wed)

[177] 久遠の血
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冷たい海に身を浸して

静かに瞬く星々と
青白い月の誘いに

微かな意識を手放すとき

纏わりつく水はあたたかい
海よ 空よ大地よ

この小さな身体は

果てない海の水と
あの 真白な雲と
堅く優しい土

ひんやりとした大樹の幹
か細く鳴き続ける雲雀
悲劇の乙女の白い手だとか

そういったもので出来てる
そうだろう?

今 一掬の涙を落とすとすれば

これで
一輪の可憐な華が
甘い香りで生けるもの達を

惹きつけることもあるのだろうか

2005/03/22 (Tue)

[176] 桜が舞う頃
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素直に手を取らせてはあげない
貴方が花を一輪持ってくれば
微笑んで小指を触れさせてあげる

簡単に瞳を覗かせてはくれない
貴方の首もとに上手に甘えて
うっとりと見上げさせて頂戴

寄り添えば貴方は温かい
私は頬を擦り付ける
でもまだ もう少し
想いを馳せて 戯れましょう


桜が舞う頃
甘酒に浮かぶ花弁に酔いしれ

私達 結ばれるのかしら

2005/03/18 (Fri)

[175] 道化の夢
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僕の目に何が映っているか?

酷く色鮮やかな花々と
何処まで続くか分からない空
君の笑う顔、落ちたわくら葉


僕の耳に何が聴こえているか?

風が木々を揺らす音に
寄せては返す波の誘惑
遠い遠い友の声と 床を転がる鈴の鳴き声


僕はこんな夢を見る

噎せかえるような甘い匂い
咲き乱れる花の陰で
身を焦がす光に目眩を覚える

唸る風と足元の波が
何もかも全て攫ってく


僕の手が何を掴んでいたか?

Non lo so..
Che cos'e...?


あの日一つから二つに増えたピアスが
揺れる度に僕は。

2005/03/18 (Fri)

[174] 宇宙人
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造作もなくカラカラと
引かれてしまった白線を
お気に入りの赤いブーツで
懸命に消しています

お昼のドラマや可愛い雑誌に
出演することはないでしょう
突拍子のない私の思いは
貴女の世界で赤い色をしていたらしい
もしくは黄色だったのかしら
危険物として牢屋入り

"日本に住んでいるのではなくて
地球に住んでいるのよ"

罪名は
教えてくれないのね


貴女のメールのお相手や
夢の中の道化師でさえ
口にすることはないのでしょうね
私には過程のある想いも
貴女には突然の発作に見える
救急車に護送されて
隔離病棟に入ったのかしら

"みんな同じ目をしてるわね
真っ黒で見分けがつかないわ"

病名は
何だというの


造作もなくカラカラと
引いてしまった白線を
お気に入りの赤いブーツで
懸命に消しているのです

貴女もどうか手伝って
くださらないかしら
私は宇宙人だけれど
貴女もそうでしょう?

2005/01/18 (Tue)

[173] 赤花と白い手の郵便屋
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揺れる手を視界の隅に
見つけたのは何時だったか
向かいの窓の黒猫の瞳が
私の眼を離さなかったのに

色鮮やかな花びらが
血の中に混ざり込んだのだ
ふわり風を掴むかのような
その手が魔法をかけていた

迷路のような煉瓦の町を
走り抜けるあなたは

狭くなった青い空を
見上げる事があるだろうか


黒猫は行ってしまった
カーテンに隙間を作って
瞑っていた金色の瞳が
ほの暗い世界に灯される

私は曇った窓を拭いて
まばゆい光を誘い込もう
白い手にきっと似合う
花を育てて贈るため

額縁のような煉瓦の町を
走り抜けるあなたが

切り取られた青い空を
見上げることがあるのなら
窓から溢れるブーゲンビリアが
それを美しく飾り立てる

あなたの心に花が咲くと良い
私に花弁が吹き抜けたように

2005/01/06 (Thu)

[171] 昼夜城内騒動
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入場制限を
取り払ってみた

沢山の来客に
立派な城が
崩れ落ちそう

怠惰が
転がり込んできて

真面目と興味が
怒鳴り合い

やる気は塔から
飛び降りて

焦りがすかさず
受け止める


陽気は憂いと
手を組んだ

悦楽は自ら
牢屋入り

関心はただ
歩き回る


王は玉座に
座り込み

罪悪が背後に
身を潜め

良心が側で
道化役


死力は遁走
夢が追う

恋はぼんやり
空眺め

愛は時間と
大合唱

自由は黙々
机に向かい

嫌悪がコッソリ
逃げ出した


自制が惰性を
捕らえる内に

覇気が演説
鎮まれと

2004/12/17 (Fri)

[170] 鉄屑の町
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小さな子供が 鉄屑を
磁石ですくい上げて 遊ぶ
小高い丘の そんな町

冒険気分で 坂を上った
住み慣れた街が 見渡せて
空に一歩 近づく毎に
甘い飴玉 噛み砕く

ジョークだよって 言う君の
真剣な顔が 可笑しくって
吹き出した僕に 君は満足

白壁の 家の隙間
ハイビスカスの 垂れ下がる
明るい階段を 上って
広がる空の 青さに期待

鉄屑漁に 勤しむ子供を
横目で見ながら 頂上目指す
君の背中を 追い掛ける

曲がりくねった 急な坂道
駆け足になる 僕らの足
最後にあのアーチ 抜けたら
そこには きっと


カーテンの 隙間から
太陽光線が 容赦なく差し込む
目覚めの 珈琲なんかより
毛布に潜って 余韻と遊びたい

鉄屑を 磁石ですくい上げた
大きな大きな 鉄工場
今 私は丘の上
白壁の町に 住み着いて

2004/11/13 (Sat)
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