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アルバトロスの部屋  〜 投稿順表示 〜


[433] 記憶
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君の声を
僕はもう覚えていない
君の匂いも
僕はもう思い出せない
確かにいたのに
君は確かにそこにいたのに

2019/10/25 (Fri)

[434] あの日見た夢が許してくれたら
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夜の星が遠くなっていく
何もなかったのだろうか
でも忘れることなんてない
そうして明日も生きていく

思い出に見つからないように
僕は息を潜めている
彼はいなくなったのに
彼の声が耳元で聞こえる

一瞬のことだったのかもしれない
長いインテルメッツォの休符を数えながら
あの日見た夢が許してくれたら
君にそっと微笑んでほしい

あの日はいつも背後にいる
僕はいつも怯えている
そう忘れることなんてない
そうして明日も生きていく

あの日見た夢が許してくれたら
僕は君に夢を語りたい

あの日見た夢が許してくれたら
僕は君のために生きていく

彼は何て言うだろう
勝手に想像してみるしかないよね

2019/12/16 (Mon)

[435] どうせなら明るい色で
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あのとき君に なんて言ったっけ?
覚えてないや 楽しい響きだけが甦る

こんにちは 元気ですか?
僕はそこまで 悪くないかなって日常

会えない夜を 会いたい声が
埋め尽くして 眠りにつく

明日の君に なんて言うんだろう
分からないや 明るい色で空を描く

2020/04/09 (Thu)

[436] 臆病者
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頭の中 水平にして
夢の中 無呼吸で
悲しみが全て涙になるなんて大間違いだ

生きろと言われて
怖くなる僕はきっと臆病者だから
誰よりも優しい顔して
精一杯笑ってみるんだよ

未来にまた 蓋をして
日々はまた 空っぽで
悲しみを全て涙にするなんて大嫌いだ

2020/05/24 (Sun)

[437] トレーニング
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寝不足 コーラを口に含んで
主に雑草が生えた原っぱにて

不機嫌 1分間に7回のまばたきをして
リズミカルに体を揺らす

右手は頭上に 左手は自由
できれば両足の脛毛は剃っておく

そうしたら空も飛べるはず
くそくらえな日常に蹴りをつけて
高く高く舞い上がれ

2020/06/02 (Tue)

[438] 何者
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何者
オマエは

どうしてそんなに
笑っていられる

どうしてそんなに
他人事でいられる

聞け
オレはオマエの話をしている

オレがオマエに?

何者
オレはオマエ

でもオマエはオレじゃない
そんなはずない

2021/01/07 (Thu)

[439] ピエロ
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君の寂しさを埋める役を演じてみたよ

君のぽっかり空いた穴をふさぐ
絆創膏のような そんな役を

ちゃんと演じられていたかな
やっぱり今回も自信がないや
だから報酬はいらないよ

今日はゆっくりお風呂に入ろう
化粧を落として

どこまでが化粧なのか
もうわからなくなったけれど
その繰り返しが人生なのだよ

と、他人事のように言ってみる

部屋の隅には脱け殻の自分が、ひとつ
しわくちゃになって、ひとつ

安心して
それは私じゃないから

と、他人事のように言ってみる

私の傷をふさぐ役は
誰が演じてくれるのだろう

そうだ
傷は脱け殻にあって
私にはないのだった



2021/01/21 (Thu)

[440] 
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嘘ばっかり

今日も僕は嘘ばっかり

君のために嘘ばっかり

それも嘘

何してんの?

嘘ついてんの

それも嘘?

あーあ

嘘ばっかり

2021/02/03 (Wed)

[441] それだけ
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私が死んだら誰が困るかな
誰が悲しいのかな
それは想像
いつまで経っても想像でしかない

あなたは困るかな
あなたは悲しいのかな

私はね
私が死んでも困らない
当たり前だね

死にたいわけじゃないよ

自分が死ぬことなんて
考えたって仕方がないから
ただ生きる
思いっきり生きるの

でも気になる
あなたは困るかな
あなたは悲しいのかなって

2021/05/22 (Sat)

[442] 空き缶
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僕は今
悲しいのだけれど
それは瞬間を切り取っただけで
仕事には行かなくちゃいけないし
ご飯も食べなきゃいけないし
歯も磨かなきゃいけない

悲しいと思うことを
バカらしいとは思わないけれど
悲しいと思うことに
支配されるのは癪だなとは思う

別に後ろ向きでも良いじゃない
この瞬間に留まることはできないのだから
悲しい、は続かないのだから

塗装の剥げた道路を
空き缶がコロコロと転がっていく
からんからんと
寂しそうな音を立てて
誰にも見向きされずに

空き缶はどこへ行くのだろうね
秋の冷たい風に吹かれて

僕はどこへ行くのだろうね
気がつくと空き缶は見えなくなっていた

2021/11/10 (Wed)
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