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地獄椅子の部屋  〜 投稿順表示 〜


[41] 愛の声、黒の道
詩人:地獄椅子 [投票][編集]

散りぬ
いと儚き夢なりや
今際の命を
生きんとし
消え逝く炎の
淋しいこと
悲しいこと
華の永劫は
空虚な涙
凅れた喉
皺枯れ声
詠う者は
皆独り
際限無き愛を
憎悪や欲望を
神亡き世界で
瞳の水鏡に
映しては
慟哭とも
発狂とも
呼びかねない
叫びは壊れる
悪魔が囁く
情念や怨恨
黒く揺れる
華の灯よ
散りぬ刻は
やがて巡る
名付ける親の居ない
小さき夢の如く
いつのまにか、黒は
その声のする方へ


2006/03/10 (Fri)

[42] 黒を愛した貴女への詩
詩人:地獄椅子 [投票][編集]


黒を愛した貴女への詩
私の創造った
永遠の詩
貴女に捧げます
どうか
聴いていて下さい
貴女の目も
貴女の耳も
既に不自由で
貴女の意識も
貴女の思考も
もはや不明瞭で
それでも私は
たった一人
貴女へと
まっすぐな想いを
乗せて書きました
稚拙な言葉達
不器用な文面
二人で泣いた日と
二人で笑った日を
平凡だったと
済ませてた
もう泣けない貴女
もう笑えない貴女
表情一つ変えぬ
美しい貴女よ
もうすぐで
春ですよ
私のギターに合わせて
貴女は伸びやかに
歌ったあの春の日
あれから幾つも
季節は過ぎ
貴女は今
生きているのか
死んでいるのか
楽しんでいるのか
悲しんでいるのか
ずっと寄り添っていた
私ですらはっきり
解りませぬ
でも私には
生きてるように
楽しんでいるように
思えてならないのです
ずっと隣にいていいですか?
横たえるベッドの傍
貴女の呼吸の
聞こえる位置
「愛してる」
文字数にして
たったの四文字の詩を
いつも聴かせてあげたい
生きている貴女へ
楽しんでいる貴女へ
植物人間の貴女へ
脳の機能は不全でも
心の活動は不変です
ああ そう言えば
貴女の好きな
長崎のカステラ
貴女が愛読していた
メルヘン小説
今日買って来たんだ
もうすぐ春ですよ
今日の調子は
如何でしょう
貴女が
笑った気がした
私は貴女と生きている
私は貴女と生きていく


2006/03/10 (Fri)

[43] Lost Black.
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大して面白くない人生だ
俺は太陽を見上げた
おい お前も孤独なんだろ
なのにそんなに
なぜ輝けるんだ

恐ろしくつまらない毎日だ
明日だって何も変わらない
いいことなんて
ないに決まってる

おい太陽
俺にお前は
眩しすぎる
少しだけ
楽しい話をしよう
優しい話をしよう

お前が沈む前
地平線に向けて
伸ばした手
オレンジの街並
伸びる影
手を繋ぐカップル
調子良い呼び込み
くたびれた会社員
それぞれの人生
どこまで続くかな
新しいページ

無性に泣きたくなって
道のど真ん中
うつむいて歩いた
この群衆の行列に
最後尾なんてなく
途切れずに
俺はその他大勢の中
ほんの一人にすぎない

少しだけ
楽しい歌を唄おう
優しい歌を唄おう
暗くなった街並で
ぼんやりした街灯の下
失くしてきたものを
思い出せなくなった
悲しみを包むように

家に帰れば
汗だくの体を
シャワーで洗い流し
着替えたら
テレビの前に
すがり付く

次々と
チャンネルを
切り替えて
あっちではばか騒ぎ
こっちでは悲しい報道
どうなってんだ
この世界の混沌や矛盾
俺たちは恵まれていて
幸せかい?

答えて下さい
答えて下さい

何にも
話すことがなくなって
何にも
唄う歌がなくなったら
どうしたらいいんだい


俺、一人
孤独の太陽
見えないけれど
きっと輝いてる
楽しいこと
優しいこと
探す前に
ないって
嘆くんじゃない


Lost Black
どこなんだ
黒が
見当たらない


ああ
急にあなたのこと
抱きしめたくなってきた
きっと病気なんだ


今夜
少しだけ
あなたの夢が見れたなら

この人生
ちったぁ愛せそうさ

2006/03/16 (Thu)

[44] 荒廃の地、黒の祈り
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おい いつまで
そんな自慰を
続けるんだ
辛い?
苦しい?
切ない?
だから何?
垂れ流しの感情を
見せびらかされて
こっちは迷惑してんだ
そんなもの
人様の前に晒すなら
自分で処理したらどうだ
詩が
詩が汚れちまう
詩に
詩にもっと愛情を

脈々と流れる詩の川
それを腐乱させて
君たちは
ドブ川にしようと
しているのかい

発表したからには
必ず誰かが読むんだ
大量生産大量消費
そんな扱い
コンドームなら
良しとしよう

誰が詩を守るんだ
俺はこの詩で問う


詩は鏡
自分そのもの
低俗な詩や
思慮を欠いた詩
詩には何も
罪はない
悪いのは
善良な仮面を被った
甘ったれや道徳家


ここはどこ?
ここはどこ?


詩人の部屋
詩人の部屋


どこに詩人がいるの?
どこに詩人がいるの?


いいえ どこにも
いいえ どこにも




みんな見てるか
最後の牙城
守るべき砦が
今 音をたてず
崩壊しようとしている

悲しいですか?
嬉しそうだぞ

そもそもそんなこと
気にしちゃいねぇ


これは書き手のみの
問題なんかじゃない
書き手と読み手
両者が考えるべき
問題だ


我が祈り
荒れ果てたこの地にて
聖なる川が
侵されてしまう現状
戦わずして嘆く者に
杞憂を感ず
百年後…否
十年後に於いて
詩は
詩はまだ
生きているのか

俺が殺させやしない
俺は詩を愛してる
嘘のない想いを
ここに記そう


消えないように
消さないように


頼む
俺は詩が読みたい
ただそれだけなんだ

2006/03/17 (Fri)
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