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理恵の部屋  〜 新着順表示 〜


[123] これは詩ではない、詞である。21
詩人:理恵 [投票][編集]


ゆら ゆら ゆれる 月
水面に反射して
きら きら 光る 星
打つ波にかき消された

希望なんてないよ
ふわり 空 とんで

どうか神さま
暗い夜を包んで
やさしい夢を見た
あの子のなみだ
飲み込んだ
ただそれだけを 歌ったの

ゆら ゆら ゆれる 目が
世界のすべてを見たように
きら きら 光る 道
見失ったと嘆いてた

きっと みんなそう
思い込みたくて

ひとりぼっちの
孤独 抱え悩むのは
果てない夢を見て
安心したいの
わかっていた
もうそこには 行けないんだ

どうか神さま
何度願って泣いたの
やさしい夢を見てたい

どうか神さま
何度願っても結局
やさしい夢を見た
あの子のなみだ
消し去るの
ただそれだけを 知ってたの







2018.11.12

2018/11/16 (Fri)

[122] 中也に寄せて
詩人:理恵 [投票][編集]

この道をゆきて着いたらば、
何待ち構へたるものか、
われは知らぬ、だがゆかん。

この道をゆきて秋風ふけば、
立ち止まりて思ひ馳する、
われは知らぬ、きみのこと。

この道をゆきて触れたらば、
知らぬ世界に実感もなし、
しかし確かに、きみはゐて。

この道を戻りて手元(たもと)を見れば、
尽力の賜物が頁を連ね、
亦たどりぬる、その人生(みち)を。

この道を戻りてきみに耽れば、
今さらそれを噛みしめて、
われ筆を執り、認(したた)めぬ。

この道を戻りて灯りの下で、
未熟な理解と知りつつも、
刻ませて賜ふ、この詩(うた)を。





H30.10.19

2018/10/24 (Wed)

[121] みすずに寄せて
詩人:理恵 [投票][編集]

潮が私を呼んでいた
確かに私を呼んでいた

あなたが笑うかもめとか
砂のお城はないけれど
ふくらむ波は 確かにあなたが
うたった波だと教えてくれた

冷たい風がピンと吹き
誰かが手向けた花が咲いていた

あの頃と夢の形は違うけど
確かにそれは手元にあるよ

あなたのうたを君が聞き
それを私は口ずさむ

白い季節を迎える前の
ほんの忙(せわ)しい一時に
私はその道をたどってる





H30.10.14

2018/10/14 (Sun)

[120] 雁の家と巣立った君たちへ
詩人:理恵 [投票][編集]

生きててよかったとか

もっと生きていたいとは

一度も思ったことはないけど

君たちの声に出会えてよかったと

そう思うんだ




H30.10.4.

2020/01/14 (Tue)

[119] 失った
詩人:理恵 [投票][編集]



失った失った!
あなたは私を失った!
きゃはっ
とってもいい気味!!




H30.5.24

2018/05/24 (Thu)

[118] 無意味
詩人:理恵 [投票][編集]

喉が焼ける
キャンバスに書きなぐった点描が
返り血みたいに私を染める
ねえ、ねえ
あの空を覚えているでしょう?
みどりと言う名の青い鳥が
羽ばたいて窓から消えた
もう、視界がぼやけて見えないの
黒い夜に沈んでしまいそう
深く深く底のない色の中へ
息できないよ、ママ
一番愛してほしかった
あなたに愛してほしかった
人間じゃないものね、私
あなたが言ったのよ
私は人間じゃないって
肩叩きも意味ないの
朝起こしたって意味ないの
ネーネの方がいいものね
あら、これもあなたが言ったのよ
新たな干潟に思いを馳せながら
モーニングコールでもしてもらえばいいわ
私の命より結果オーライの単独事故
あなたと一緒にいてはいくつ命があっても足りないわ
さよなら
私、10年前から血の繋がりなんてないの
そして新しいATMを見つけたわ
不要な口座は閉めただけ
さよなら
精神をすり減らすだけの関係でしかない
死んで、なんて高望みしないから
もう関わらずに生きたいわ
だから





2018.5.21

2018/05/21 (Mon)

[117] ビッグ・バン
詩人:理恵 [投票][編集]

空気が膨らむ熱帯夜に
金魚はかぷりと空気を吐いた

青い宇宙で燃えるのは
屑と化した星のかけら
どんどんどんどん飲み込まれて
ブラックホールは底なしの闇

そうよ、どんどん増幅して
ためてためて溜め込んで
誰も彼もが我を忘れたとき
青い宇宙は砕け散る

熱い熱い助けて助けて
もう誰も叫ばないよ
声さえ出ないほど喉を焦がして
息ができないほど気管支を傷つけて

ほら、騒々しい音がする
みんなみんな怒りの中
椅子を投げて、机を蹴散らして
スケープゴートは止まらない

誰もいない熱帯夜に
みんなみんな叫んでる
静かな真っ黒の中で
白い空を叫んでる

ほらまたブラックホールは
星屑を集めてる
砕け燃えちり星の見る影もない石屑を
集めて集めて集めて
そして、宇宙は砕け散る

終わらないよ
今夜は終わらない
明日も終わらない
宇宙の怒りを集めて
何度だって
そこに存在するロストワン





2018.5.17.Thu

2020/12/27 (Sun)

[116] 忘れ去られた桜の木
詩人:理恵 [投票][編集]

綺麗な季節が終わったなんて
言わないで
あなたが勝手に
魅了されただけよ

青い若葉も
裸の枝も
隠したことはないわ

勝手に花だけを好きになって
幻滅しないで

全部最初から目の前にいた
私なんだから





H30.4.5

2018/04/05 (Thu)

[115] 選択
詩人:理恵 [投票][編集]

もし、子供の頃の自分に会えたら、何を伝えたい?


と、問われて


何も言わずに抱きしめるか


何も言わずに殺めるか


どちらかだろうな


と、思った






2018.3.26

2018/03/26 (Mon)

[114] これは詩ではない、詞である。I(完成版)
詩人:理恵 [投票][編集]

目覚めたら窓の外 白銀の街
暖かい電車の中 まだ夢の中みたい

現実味ないおとぎ話みたいな日々思い出してた
心地よい温度とリズムにもうすぐさよなら

ホームに降りたら音のない世界さえ
自分の呼吸で霞んでく
真っ白なキャンバスに 一つ二つ
つけた足跡は
あなたと違う方へと進み始めていた

歩き続けて疲れて 立ち止まったら
冷たい氷の粒に 埋もれた公園

払っても拭っても湿ったままのベンチが
暖かい時間を鮮明に映してゆくの

分厚く重ねた雲の上にさえ
きっと太陽はあって
暗いと思ってた街に一つ
夜の気配がする

ひとりぼっちの世界みたいだ
このまま時間が止まればいいのに

降り続く雪は歩いた跡さえ
何もないように消してく
暗闇に一つ浮かんでいた
街灯だけが知ってるの

寒くて涙が出そうな夜さえ
歩くことはできて
灯りに別れを告げてみたら
闇の中に白く自分の呼吸が映って
鼓動を感じたんだ





2018.3.23

2018/03/23 (Fri)
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