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リコの部屋  〜 新着順表示 〜


[24] エゴ飼養
詩人:リコ [投票][編集]

ガラス越し


老人の歩幅とEmの音色が
見事に重なる



優しい夕暮れ



単純なストロークで悲しみを
繰り返し繰り返し



もうこれしか聞こえない




誰かの泣き声を
聞いてた耳は
どっかに置いてきた





幾度も
悲しい夜
震えながら
独りぼっち
懺悔を繋いだ
7文字の祈りは
いつしか
あの子の
お菓子の様にやんわりとした笑顔を
再び
私の元に帰してくれるのでしょうか






憎まれ口も平気
笑われたって大丈夫
どんだけ泣いたって
涙は必ず乾く



だのに




濁流がこの部屋に溢れ


テディベアが逃げる



私の口の中に
泥水がどんどん入る



テディベアはどんどん逃げる




綺麗さっぱり
誰もいない
この部屋



私の口の中に
泥水がどんどん入る




テディベアはどんどん逃げる





どんどん距離は広がって




ガラス越し
老人はもうどこかへ

見上げた空
もやもやした灰雲を
連れ添い流れる




透明には
決してならない




透明になど
決してなれない




私達は





2006/01/09 (Mon)

[23] in the bjork music
詩人:リコ [投票][編集]


縦に縦に
開きっ放しの目には

いつもの世界が映る
ひどくエゴイストで
悲しい



エレクトリック
ハウスミュージック
インダストリアルテクノ
オーケストラ


あらゆる世界
飛び越えた
彼女のミュージックが


そんな小さな私を少しだけ
柔らかくする



貴女から生水を得た



始めてピアノに触れた時
貴女はどこで奏でていたの

場所では無い
深い深い精神の修行場

始めて喉を震わせたのは
貴女の産声
その時なのかしら


瞬間瞬間
彩り自由自在に変わる貴女が
ひとつの作品ならば


貴女の溜め息も
泣き声も
激しい憤りの声も
愛せる気がする

馬鹿みたいって
笑わないでね
偶像崇拝?
違うの、そんな風に
言わないで
わかるでしょ
ファン意識など
端から無いの



チャイニーズガール
雪の道
舞いながら
歌いながら
走る
家路まで
黒髪を揺らして
木々と葉の擦れる音
小鳥の羽がばたつく音
鼻の大きなおじさんが
もくもくと雪かきをする音

海の向こう
街で飛び交う銃声

子宮の中で小さく心臓の始まる音
唇と唇が触れる音
シンバル弾け
ギターを弾けない青年の泣き声

誰だって皆最初は可愛い

誰だって皆最初は可愛い


不格好に実った
全ての果実を
もぐように
種に戻れと


白黒映画の赤い少女の服みたいに



名前の無い希望が
私の精神に広がる



この指はまだ何も知らない
この頭はからっぽで
この目はまだ膜越しにしか
見えていない



貴女から産まれた
創造物に触れる
ちくり
ぞくり
触れた指は
優しい血を流す



横に横に
開いた目
私を取り巻く一切が
姿を見せる



不気味で
恐ろしい
ごつごつした
不思議な
生命の交錯が
美しいに変わる


歌いながら戻るの


この世界に
降りたばかり
泣きながら
へその緒を切って
洗礼を受けたあの日に

2006/01/07 (Sat)

[21] ごもっとも
詩人:リコ [投票][編集]



諦めと共に陽が昇るなら
生き抜くなんて
到底無理で



それそこの




光る石に溢れ
命に値段をつけ
それは
死が訪れても
光り続けると言うの



底辺で息を潜め
涙の絶対量が多い
それ故の
その死は
全てからの解放だと言うの




手を伸ばすのは
そこだと言うの?




欠けた歯と
破けたシャツで
街を部屋を徘徊
血まみれに笑う




腐って
壊して
味わって
熟してきたら



裸になって叫んで



I am a fool



高らかに拳を天に



2006/01/03 (Tue)

[20] MY FOOT
詩人:リコ [投票][編集]



ヘルプミー

発信者番号100000525
濡れて濡れて仕方が無いよ


ここは最高の地嶽だ


裏側で表側で
聞こえているかい

お前に
あの子に
届いているかい


あまりにも
美しいから

あまりにも
狂ってるから

あまりにも
あまりにも
退屈だから



各々

筆を楽器を
手にする事にしたんだ



宇宙に繋がれ

ふっと嗅いだ
瞬間瞬間を
切り取るハサミ


切り取った
その絵に額縁なんぞはいらないさ


アスファルトに散らばる
足跡のついた
駄絵を拾う奴を探してる



泥臭い女に化粧を
両足右手
OKまだ使える



世界を
笑い飛ばしに
一人
出かけよう



愛してるの華の種
魂に宿して




2006/01/02 (Mon)

[19] a broken piece
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おずおずと振り向く


コケの生えた
我が人生の軌跡
色鮮やかな茸が生え
胞子からの
生臭さ
遠く遠く
もう見えない場所からたちこめる

頭痛をくれるほどに




幸福論
救済の術
7文字に納められた
希望を

あなたの暗闇
消してさしあげましょう


ニコリと笑う
鍍金の女神
錆と鉄臭さ
隠せぬ腐食


輪になった人々
その不気味さを
石投げ唾吐き大笑えば


わざとらしく
血の涙流して
恥と知った
金ピカメッキ
自ら剥ぐべく
その身を地べたに
叩き付け

あっさりと
壊れてみせた




わざとらしく
目の前で
けれど誰にも知られず





守るの意味も知らずに
救うの意味も知らずに


金を羽織る役など
デキナカッたんダよ





くだけた女神
ただの女


石ころとなり



存在は

泣いて
飲みこみ
泣いて
吐き出し

苦い罪悪を
食べ尽くすまで



荒野に蹴飛ばされ
ごろごろと
染み込む雨水を
ただただ感じ



鍍金女神であった頃を恥じ

石ころである事を恥じ



下手くそに生きて




それで良かったんだと

お前は正しいと



聞こえてくるまで




2005/12/30 (Fri)

[18] 武者震い
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感受性を操作する
神の手の中
リモートコントローラー
奪い去りたい



いい加減にしてくれないか
黒髭ジジイ
イメージ上




美しい世界
奏でるは
札束の弾ける音
皮肉一口
よく噛んで味わってくれ



スプリングベッド

六感がけたたましく
血を逆撫で
皮を剥ぐ様な狂気
倒れ込んで
咽び歌う
数時間後には
疲労と虚無しか残らない



次生まれてくるなら
音になりたい




天に吐いた奇声は
自分に全部
帰ってくるんだ


それなら



地べたに吐いた唾は
地嶽にいるあんたに
したたり落ちると
願っているよ




あいつは神だと
騒ぎ立て
救われたと
喋りまくる事も


あんたにとっちゃ
所詮雰囲気
受信機データ整理後
そのまま
安っぽい鎧に変わるんだろう

ロックは飾り立て
おままごと



おりこうちゃんになりたいのか




ぶっ壊したいのか





エクスタシー狭間


さっぱりわかんないね


ああそう
皆そうなんだろうけど



あんたの頭ん中にある

キレイなファック
温いロック



気色悪くて吐き気がすんだ



2005/12/09 (Fri)

[17] 推定33℃
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頬を紅くするまでに
及ばない



ぬるまった湯
浸かり



熱らしからぬ水温は
骨まで届かず
その皮膚を
やんわりと


ふやけさせるのみだった




足湯から抜け出て
冷たくなった足


こべりついた
数々の悲鳴




ゼェゼェとしか
歩けない女に
なっていたのは



これらのせいに
しておいた




流れている
あの一切は
今日誰を無視して



震えている
この足は
何処に行こうとして




すがりついた
太郎の言葉が
どんなに私を揺さぶったって


宇宙宇宙と唱えても


精神度数1桁国家の中では

医者にかかれと
言われるまでで



誹謗悪態
ご馳走様と
食べ終わる頃には



それくれた輩が
見当たらない




ああそうか

離れたのは

私だったね





取り巻く全てが
虚無をくれた所で



糸をぐるぐる巻き込んでいる芯とやらは



この私で



咽びながら
ごめんねって
ごめんねって



さっきから

誰に
謝っているんだか



2005/12/06 (Tue)

[16] 排卵
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嘘吐き黒猫
頭からピチャリ
被ったミルク
ぺろぺろと



ぶりっ子烏
鳴く鳴く手放す
ガラス玉
巣から
愛しいあの子の部屋へ





最後のセリフを
繰り返す
僕は馬鹿以外の
何者でも無い





思い付きの思想が
リードを外し
手放された快楽と安堵
高原駆け抜け
瞬間にして
弾丸を飲み込み
その場に倒れた



僕の事だよ
君の事だよ




テーブルの上で
転がる苺
潰すのは
いつだって
この白い右手で




点と点
線と線




繋がって
はみ出さない様に
塗絵をする
少女の頬を叩く


偉い偉い
そのお手手は




何も生まない




何も生まない




何も生まない




昔々のアンラッキーを

立派な卵に
孵れるほど




強かないんだ




2005/11/20 (Sun)

[15] リセットボタン
詩人:リコ [投票][編集]

黒いボタンは
黒い画面を生み
残骸データは
罪悪の味



腐りかけのスープ
自ら飲む様に




ここからまだ
這い這いすら
出来ず私



何度も
何度も
かきむしった髪の毛を


優しく撫でたのは


貴方の手のひら
それだけで



罵倒と共に
その手を祓って
走り出した真夜中



しょっぱかったなら

苦いのなら



まだ良かった



ハテナマークの
無味がぐるぐる


ドクロマークなら

まだ良かった





あの輪の中にいる
一名の女子の様に


振る舞えたなら





繰り返す
叫び声ばかり
トンネルの向こうに
走り出し



残された私
地べたを殴って
弱者を纏い

贅沢な絶望が
過去へ過去へと
穴の中へ



祓いのけた
手のひらだけが
優しかった




無味の夜



その手だけが
頷ける


甘味を含んだ
優しさだった


立ち上がる


理由となる


私にとっての
全てだった



2005/11/20 (Sun)

[14] その一枚は
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冷たい風に刺された
皮膚はぶるぶると


冬だと解き



今にも千切れそうに
精一杯
木に張り付く
枯れ葉に嘆き
緑葉を忍ぶ



一瞬の心の癖は
溜め息に変わる




地べたに倒れた
枯れ葉
見逃さずに


その一枚を
クシャリと音立て
踏みつぶす



それは
一枚なのに
一枚なのに



枯れ葉を生んだ
木は泣くのだろう


その一枚で
何故枯れ木と?


あの一枚で
何故緑木と?


枯れ葉を生んだのは
私です



緑葉を生んだのも
また私です




私はここに



ここにいるのに




触れたなら
ボロボロ崩れる
茶色い私


光り輝き
つるつると
なだらかな手触り
緑の私




その一枚は
全体では無い




私は全てを
生む側で




踏みつぶされた
ボロリと悲哀



くるくる指で回された
緑の一枚
生の象徴




あなたは全てを
愛してくださらないのですか





あなたは


木である




私を見てくださらないのですか





私は枯れ葉でも無く




私は緑葉でも無く





私は全てを
生み出す側の




一本の木なのです





2005/11/19 (Sat)
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