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さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[52] サイドカー
詩人:さみだれ [投票][編集]

どこにでも行けそうな
そんな青空の下
夢を見たがってる
ねむけ眼のまま
パジャマの時間は終わったよ
おしゃれして出てきなよ
好きなジュース買ってくるから
歯磨いて待ってなよ

作りかけの色が
パレットで喧嘩してる
そんなことじゃ新しい色も
真っ黒になっちまう

まだ拗ねてるの
夢をみたかったのにと
そんなもん今は忘れて
どこまでも行こう
だって青空
こんなに綺麗なんだから
けど君の寝癖
まだなおってないんだから

2011/04/25 (Mon)

[53] 視界
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客観を欠いたときから
生まれてしまった身勝手
嘲笑うようになって
ようやく気付いた
それは楽しいこと
ときに苦しいこと
他人なんか目に入れられない
だから適度に触れるだけ

醜い独り言は
誰にも聞こえないようにしてる?
拙い暴言は
自分にぶつかったかな
主観を欠いたときには
また世界がパタンと裏返る
生まれてしまった気遣い
嘲笑うこともできないって
今気付いた
それは滑稽に見えて
自分にしかわからないこと
他人を目に入れても痛くない
だから深くのめり込む

知らないことと知ったふりをしたこと
どちらもたいして変わらない
僕の視界しか
心しか
持っていないんだもの

2011/04/26 (Tue)

[54] 思春期
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君が僕を好きだってことはまずあり得ないだろうから
僕は君が好きだってことを隠し続けるよ
僕は君に
君が好きな僕を好きになってもらいたくはない
それをひっくるめた僕のすべてを好きになってほしいんだ
だから僕は
僕を好きじゃない君も含めて
君が好きなんだよ

本当は怖いだけなんだよ
君と結ばれないことが
君が僕を好きではないという事実が
ただただ怖いだけなんだよ

2011/04/26 (Tue)

[55] 恋人ごっこ
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夏はかき氷食べてさ
冬はケーキを食べよう
春は桜を見てさ
秋は紅葉を見よう
若いうちはデートもしてさ
年老いても変わらずに
朝は二人でトーストかじって
夜は夢を語り合おう
男の子なら僕の名前からとって
女の子なら君の名前からとろう
さみしいときは並んで
悲しいときは抱き合おう
嬉しいときは手をとりあって
怒ったときは背中合わせ

そんな二人を妬んだり
悪く言う者もいるだろう
それでも平然装って
変わらないまま生きていこう

2011/04/27 (Wed)

[56] チュパカブラ
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吸っちゃうよ?
いいの?
ほんとに吸っちゃうよ?
痛いかもよ?
萎んじゃうよ?
え?いいの?
ほんとに?
後悔しない?
あとからやめてって言うの無しだからね?
吸っちゃうよ?
ねぇ、吸っちゃうよ?



















ほんとにいいの?
真面目に聞いてるんだよ?
ヘナヘナになるんだよ?
どうこうしたって治らないよ?
どうなの?
いいの?
本気だからね?
いい?
吸うよ?



















ねぇ、大丈夫?

2011/04/27 (Wed)

[57] ふたりであることが嬉しいんだ!
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恋の歌を聞こうよ
二人でひとつのイヤホンで
夜の憂鬱吹っ飛んでくよ
幸せなんだって
君が笑ってくれるなら
いつまでだってそばにいる
二人でひとつのテーブルで
楽しいことを話そうよ
嬉しいんだって
君が笑ってくれるなら
いつまでだって話してるよ
二人でひとつの窓で
星を眺めていようよ
きれいだって
君が笑ってくれるなら
いつまでだって星は出る

恋の詩を読もうよ
二人でひとつの携帯で
一人のさみしさ吹っ飛んでくよ
幸せなんだって
君が笑ってくれるなら
いつまでだって書いていく
君が笑ってくれるなら
いつまでだってそばにいる

2011/04/27 (Wed)

[58] 孤独のオペラ
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なぜ孤独ばかりが
こうも目立とうとするのだろう
センターに立って
笑いもせずに肩を抱き合って
いつまで主役でいるつもりか
お前の出番は終わったんだ
もうとっくに終わってるんだ

ワルツを踊るとき
あなたはとても輝いていた
それは照明のせいでも
音楽のせいでもなく
まるでこの時が
ひとつの物語のように
僕には見えたんだ

歓声に頬を湿らせ
舞台は幕を下ろした
袖ではあらゆる共演者が
互いに労っている
ただ孤独だけが
誰にも見えていないように
最初からいなかったかのように

2011/04/28 (Thu)

[59] 知ってる?
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私はあなたを呪ったわ
あなたは永遠に苦しむの!
そんなあなたに私は
手を差しのべてあげる
取るしかないでしょう?
だからどうか私のそばにいて!

私は魔法使いなんかじゃない…
まして呪いの作法もしらない
あなたは毎日すれ違うだけ
肩を擦ることも
声を掛け合うこともない

この世にあるすべての魔術書
そこに書いてることは偽り?
知っているなら教えてよ
あなたを虜にする魔法
あなたのそばにいる呪い

2011/04/28 (Thu)

[60] 乙女の祈り
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月が見守る夜のこと

平たい大地に二人だけ

あなたと私を連れていって

冷たい涙を拭く指を

持っているのはあなただけ

音符の実のなる木の下で

静かに絵本を読んでいたい

譜線の引かれた砂浜で

海の音を聴いていたい

もしも月に行けたなら

あなたはウサギになるのかな

悲しいけれどそれでもいい

だって私はカメになるから

平たい大地に二人だけ

あなたと私を引き合わせ

ピアノの音に誘われて

二人の夢を見させてよ

2011/04/28 (Thu)

[61] 影法師
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夕暮れの影法師

全部拾っていくんだろう

哀愁の湿っぽい匂いも

鞄についた鈴の音も

暗色の草花も

引きずってまで持って帰る

誰のものでもないから


いつまで眉間に皺を寄せているんだろう

美しい絵画も眩しいだけで

あなたの目には残らないからか

ノスタルジーに

心を奪われたからか


この世界は特別だ

何もかもが見えなくなる

そうやって落としたものにも気づけずに

影法師のことも忘れている

追憶に囚われて

歩みをやめてしまわぬよう

夜は影法師を追い出した


夕暮れの衝動

がむしゃらに生きてみよう

そう誰かが背を押した

思わず一歩前に出て

振り向けば影法師は去っていた

そこに新しい景色を残して

新しい記憶を残して

2011/04/28 (Thu)
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