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タンバリンの部屋  〜 投稿順表示 〜


[61] タンバリンにも後悔があった
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風の音を聞いたけれど


雑草の道を愛したけれど


僕は今まで、


どれほど感動を逃がしたのだろう


指先は誰よりも見ていたのに


君の体には何度も触れたのに


人だけは、


レンズ越しにしか見なかったせいだ



ゆずの歌った栄光の架け橋が


震えてサビを歌えないなんて

2012/02/27 (Mon)

[62] とんぼみたいに
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各自治体に無重力訓練場があって


僕ら、当たり前に火星にひっこしをするんだよ


ぷかぷか、ぷかぷかの無重力。




僕等宇宙の昆虫になって



成人するように、羽ばたく事を教わるんだね。



とんぼみたいに、なったんだよ。


何も考えず、ヤゴを経て羽化して


電波なんかで、色々教わったよ。



やけっぱちみたいに保護された


ブラジルの隅っこで葉っぱをふかしている



あいつらは多分、僕の子孫だよ。


2013/06/19 (Wed)

[63] 夕方あそぼうよ
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夕方あそぼうよ


ゆうべここへ来たよ



夕方あそぼうよ


もう、ひからない



夕方あそぼうよ


ゆうべここへ来たよ


夕方あそぼうよ


午前2、3時まで



夕方あそぼうよ



石ころ拾おうよ


夕方あそぼうよ


明日の日暮れまで



夕方あそぼうよ


もう、光らない。




2014/11/29 (Sat)

[64] ボブ・ディランに憧れて
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早口なんて言葉じゃないんだよ


彼女はもう二時間半も


蛇口みたいに喋っている



時計の見方も違う、二人の火曜日



洗濯機みたいに、彼女は泣いたり喋ったり、繰り返している



僕は、彼女の気持ちの表面を歩いている


型の合わないレンチで、蛇口を絞る様に歩いている


彼女の気持ちの表面に、大きなコブを見付けて



時計は9時半。もう帰るのにも良い頃合い。



僕はそのコブをゆっくりと撫でて



彼女はやっと帰り支度を始める



まるで時計の針みたいに、



そこからは僕ら、規則正しく離れていく。


僕も、君も、生きる事を急ぎ始めている



時計の針が、近づいてしまう前に



僕も車に乗って、夜のパジャマを着込んでいく。

2015/08/14 (Fri)

[65] 風邪気味の休日
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冷たい雨の中


外より少しあたたかいクルマの中で


僕の体はもっとあたたかい


僕は僕の体のあたたかさが


愛おしいものに感じた


ごはんを食べたばかりだから


胃の近くからポカポカした熱が出て



風邪気味に過ごす休日を



ずいぶん幸せにしてくれる


2016/03/14 (Mon)

[66] 何も感じない
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感じないぜ


何も感じないぜ


犬が皮膚病でも、痩せこけていても


猫がヨタヨタで、目ヤニたくさんでも


考えはしない どちらがましかなんて




君が申し訳なさそうで



不安げで俯きがちでも



考えはしない、どちらが上かなんて



ヨードチンキの泡



生まれては消える



白く濁ったぶんは、雑菌があるらしい




もう慣れちまったよ、多分良い意味で



俺は感じないぜ、そんな事よりも



微笑んでおくれ、犬も猫も人も



まあるい顔して、笑いかけて欲しい



考えもしない。感じたくもないぜ



それよりも皆 ホッとしておくれよ



顔が歪む程に


ストレスなんてそこらじゅうにあるさ



お金の次は身分、逃げ場もない気持ちでいるのか


感じないぜ


何も感じないぜ。


まあるい顔して、笑っておくれよ

2017/04/29 (Sat)
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