ホーム > 詩人の部屋 > 弘哉の部屋 > 投稿順表示

弘哉の部屋  〜 投稿順表示 〜


[62] 詩人
詩人:弘哉 [投票][編集]


哲学に没頭し始めた俺には
難し過ぎる言葉遊び
理想が高過ぎて現実が伴わない焦燥
納得出来ない
ダメ
ダメ
ダメだ

未完成な魂ばかり産み出して
一向に先は見えないまま
俺は詩人にはなれそうにもない

2006/04/27 (Thu)

[63] LOST TIME
詩人:弘哉 [投票][編集]

いつだって遠回りで
結果が見えてから過程を後悔するばかり
「次こそは」
なんて到底叶いようもない無謀な願いで
結局最短距離の道など見えないままに

どこへ行きたいのだろう
行き先は見えず
どこへ行き着くのだろう
遠回りの末に

限りある時間は過ぎていく
広大な空の下
今日も無駄に時間を食い潰す
俺はただの寄生虫だ

2008/04/25 (Fri)

[64] 黙殺
詩人:弘哉 [投票][編集]


薄く口を開いて言葉を発した
人ごみの空気に紛れて消える
音声
感情
すべてひっくるめ

居場所が見当たらなくて
穴を開けようとした
俺という穴
ポカンと口を開けた穴
密集した人々の真ん中に
ぽつん

黙殺された居場所

2008/04/25 (Fri)

[65] Name
詩人:弘哉 [投票][編集]

俺の名前っていつから『嘘つき』になったの

本名なんて忘れました
隣から聞こえる騒音のせいで
自室にいたくありません
あの人が発する騒音がうるさくて
眠ることさえできません

『嘘つき』が胸を締め付けたんだ

気付かない内にその名前にも
返事をするようになっていました
あの人の発する騒音も
聞き流せるようになりました

俺の名前ってなんだっけ

風呂場には届かないから
あの騒音も届かないから
きっかり一時間半
湯ざめでぐしゅぐしゅ言ってる耳に
届いたのはいつも以上の騒音
「嘘つき、いつまで入ってるの!!」

安息の地ってどこだろう
名前はたぶん必要のないものなんだね
俺もあの人の名前なんて思い出したくない
俺もあの人の名称なんて覚えていたくない
あの人が一般に
「母」だなんて呼ばれてるってこと
忘れてしまいたいんだ

2008/04/25 (Fri)

[66] OVER
詩人:弘哉 [投票][編集]

内側から 壊れていく音がする
ガラガラ ガラガラと

何かで手を抜き
それでも足りなくなった容量を
埋め合わせるために
内側から 壊れていく音がする

中毒者並みの量の薬を
毎日体内に取り込むことで
なんとか機能させている
肺に腸にその他諸々

俺は
生かされているのだろうか

2008/04/25 (Fri)

[67] アンテナ
詩人:弘哉 [投票][編集]

夕方の真白い空に浮かぶ月
僕を見透かすようにそこにいて
ただ一個体としての僕さえも
否定されているようで

僕は立ち歩き 話すこともできるというのに
月を遮り立ち尽くす
テレビ塔のアンテナの
ただ一本にさえ
人に与える影響力では劣っているというのか

情けなく
そんな思いを抱えながらも
何をすればいいのかなんて浮かぶはずもなく
あのアンテナを ただ 恨めしく思うだけ

2008/04/25 (Fri)

[68] 問題提起
詩人:弘哉 [投票][編集]

居場所を求めて
携帯に依存して
現実を手放せば
居場所を取り上げられるだけ

何にすがればいいの?
俺は必要ないの?
どこにも居場所はないというの?

どうしてそこに
追いやられたと思っているの?

2008/04/25 (Fri)

[69] 浮遊
詩人:弘哉 [投票][編集]

アイデンティティの確立なんてとうに済ませた
自分は変わり者の道化でいい
いつだって誰かを笑わせる役目がいい

だけど少し疲れてしまった
それを他人のせいにする気はない
限界がきただけ

人のためにならない道化なんていらない
なんとなく分かっているよ
もうすぐスクラップになるだろうことは

ただ
空を飛びたかったんだ

2008/04/25 (Fri)

[70] ぬくもり
詩人:弘哉 [投票][編集]

かけがえのないものを失って
またひとつ歳を重ねた
日々に追われる苦痛を浴びることしか学ばずに
俺は消えてしまうのだろうか

アイデンティティなんて小難しいものを一心に追い求め
結局何一つ得られぬままに
群衆の底辺に埋もれていく

果てしのない孤独感から逃れられない
何度言い聞かせたって
自分への説得は真実味なんてなく
ああ俺は
誰からも必要とされていないんじゃないのかと
無意味な問答を繰り返す

どうしたって答えはないのに
悪魔の証明とわかっていても
確かめずにはいられない

隣に当たり前にあったぬくもりが
今はないから

2008/04/25 (Fri)

[71] gesture
詩人:弘哉 [投票][編集]

まるで心を覆うように
かぶさるのは行動
「真意」はいつだって「見た目」に隠される
どんな風景を心に描こうが
伝わるのは言葉と行動それだけで

人間の行動はすべて「見せかけ」で
本当の思いなんて誰にもわからないのかもしれない
見かけにだまされる自分も
結局は見せかけの行動で思いを隠す
一瞬の表情に垣間見える本音を
どれだけの人間が気付けるというのだろうか

人間の行動はすべて「見せかけ」で
本当の思いなんて誰にも届かないのかもしれない
そんな事実で逃げ道を作っては
夢物語のような理解者を求める
リアリストには 未だなれない

2008/04/25 (Fri)
80件中 (61-70) [ 1 2 3 4 5 6 7 8
- 詩人の部屋 -