ホーム > 詩人の部屋 > 清彦の部屋 > 新着順表示

清彦の部屋  〜 新着順表示 〜


[123] サイコロ
詩人:清彦 [投票][編集]

サイコロ

転がる

カチカチ、コロコロ



自動車が 絶え間なく横切る

大型のトラックが

視界の向こう

一瞬、空ごと遮って

また光と共に

現れた

我に返すような

排気ガスのにおい

独特な嫌気がした感覚


そんなに急いで、

システムの上を決められた通りに

進むしか無いのだろうか



サイコロ

転がる

カチカチ、コロコロ


この転がる転がりなる現象は

決められた物理法則を

決められた通り動いて

投げた瞬間、

いや、

実は

投げるよりずっと前から

あらかじめ

決まった答をもっている





それならば

僕らの意思はどうだろう

僕が愛したすべてはどうだろう


僕はまだ転がる途中でありたい


たとえ

すべてが決まっていたとしても

僕は僕の見えない未来に

あらゆる可能性を含めた

あらゆる答を含めた

僕でありたい



夏が終わり

君は去った

僕は僕として

懸命に何かを模索して

暗闇の中を

あらゆる光を頼りに

掻ぎ分けながら進むだろう



サイコロ

転がる

カチカチ、コロコロ

2015/10/08 (Thu)

[122] 幸福の手紙
詩人:清彦 [投票][編集]

私は人生を無駄にしていないか

私は私以外をよく観察し

よく眺め、よく思い、

堪能しきれているだろうか


人生は愉しい

愉しい景色なのだ

五感を活用して

存分に味わう方が良い


ただのひとつの

100円のパンですら

パッケージをよく眺め

主成分を確認し

よく噛むほど良い味を楽しみ

飲み込む時には

食道を通って空腹を

幸福を満たすこの感覚

パンが私の身体に成る喜び




全てを吟味して

よく生きているだろうか



眺めた事のない景色は

感じることは出来ないのだ

眺めるとは何だろうか


私は私の中に世界を持っている

蓄積された膨大な記憶を

時には鍵として

あるときは答として

実は全て繋がっていく



そうすると思いつく

私と私以外に

何の区別が必要か

むしろそれは不可能ではないか

空気ですら

私を取り込んで

私も空気を取り込んで

情報ですら反射のように

人々を行き交って


もろもろの全てに

実は線など

在っても無くても善い

それがすべてであり

ひとつなのだと


それならば、

物事は量に拘らずとも

幸福の器は満たしてしまえるのだと

私は何度でも私を愉しませよう



朝方、太陽の光と

ある一日の始まり

呼吸が美味しい

風になびいて揺れる木葉が好き

電車に揺られながら読書が好き

あるときは

人々の悲しみ、痛みさえも

ドラマティックは美しい


詩人

言葉に託す想い

頼りなく、素晴らしい

ひらひらと、たんたんと

吹く風にのって





2015/10/06 (Tue)

[121] 飛び出せ
詩人:清彦 [投票][編集]

君が生きているという実感を

君の好きなように感じればいい


僕はそっと眼を閉じるよ

今という今は無い

過去という過去はもう無い


さっき拾った

下らないノートの切れ端は

もうゴミ箱の中


いつだって

未来を創造して

駆け出せるんだ


呼吸をいっぱいに

最高の笑顔で


みっつ数えたら行こう


いち

にの

さん!

2015/10/01 (Thu)

[120] 創造と破壊のダンス
詩人:清彦 [投票][編集]

腐ったワイドショー

マスコミのやりかたはいつだって

ファミレスに長い時間居座る

下らない陰口のグループみたいだ



すでに吸い殻で溢れそうな灰皿に

最後のひとくちを吸い込んで

次こそは片付けなくちゃと

いくつも抱えた問題ごとねじ込む



昔は親子揃って川の字でもつくって

家族で眠るなどと想像したけど

川の字は眉間にばかり浮かばせて

流れるのは情報ばかり



網の目を掻い潜るように

選択に選択を重ねてると思わせといて

まるで人生はあみだくじだ

迷路のような選択は出来ない

枝分かれのルートの上で

誰かと出逢い別れながら

スクリーンでも

観てるかのような景色の中を

ただ進んで行くしかないのだ



それならそうと

前のめりに倒れていくさま

魅せられてみようじゃない

いったい

空気が僕を吸い込むのか

僕が空気を裂いていくのか



虚妄に実行

ロケットに夢

機関銃に楽器

涙にハンケチーフ


あらゆる関係性に因果して

組み込まれる僕のハーモニー


抱えきれない程の問題に

崩れ去る築いたハーモニー


人と人が生きてくすべてで

実は全てが最善の選択を織り成していく

創造と破壊のダンス



2015/09/25 (Fri)

[119] 君とひとつ
詩人:清彦 [投票][編集]

中一の言わばガキんちょのくせに

小生意気にも制服姿の君は

得意気に煙草なんか吸ってた


リストカットの後は痛々しくて

それはタトゥーのような生きざまで

細く君の好きな赤色に

うっすらと刻まれていたね



どうしてかな

生物というのは

雄だの雌だのという生物的本能で

性格や環境の不一致も乗り越えて

まるでベルリンの壁でも壊すように

君と僕はすぐにひとつになった



おかしいよね

予測なんて出来やしないから

大人になりながら

愛し続けるんだ


濁流に飲み込まれ

社会の荒波を掻き分けて

喧騒と欲求の狭間を進んだあの頃



会えなくなっても

僕は君に歌い続けていたよ



やがて波は静まり

穏やかな日差しの下

ぼんやり

浮かんだ身体と心

導かれるように僕は

君に会いに行くんだ


深く深く

潜水していこう

煙のように昇ってく泡の粒たちを

僕だけが逆流して沈んでいく



潜るたび

ドクン

ドクン



まるで夜空のように

水中に月明かりほどの光しか

届かない程 潜ったところに

きっと君がいる


潜水していこう

苦しみも痛みも悲しみも

水に溶けてしまわせて

もう二度と浮上させまいと



皮膚や鼓動でさえも

僕を僕たらしめない

あのとき

君と僕はひとつになったんだ



そう

君だけに会いに

僕はこのまま沈んでいくよ




2015/10/01 (Thu)

[118] フルコース
詩人:清彦 [投票][編集]

自由を知るほど不自由になって

世界は広がるほど僕は小さくなる


潮の満ち引きみたいに

浮いたり沈んだりなんかしてさ

釣り針に食い付くも坊主も

ぼくら、人生を愉しむんでしょ



虚妄に虚妄を重ねてまた重ねてさ

脱ぎたいときに脱いで

着たいときに着こなして


腹がなってぺろり

存分に味わってみせましょ

2015/09/25 (Fri)

[117] 生きる事
詩人:清彦 [投票][編集]

腹が減ったのが動機



何のためらいも無く

真夜中のコンビニへ向かって

無機質に並べられた食品と

ついでに煙草にコーヒーを手に

財布の中身を思い出し

「こんなもんでいいか」と

自分に嘘をついたら

レジへ向かい

顔見知りなだけの

店員のお兄ちゃん越しに

お会計を済まして店を出る


家へ帰ったら

感謝もいただきますも無く

罪悪感も無くそれらを貪りながら

気ままに

録画済みのテレビでも観るんだろう



腹が減ったのが動機



貧困の元に育った子供が

今日も何処かで食べ物を盗んでる

家族を殺された人が

嘆き悲しみ

この世の中を憎んでいる


いったい何が僕らと違うのだろう



僕はこの資本主義経済社会を

グローバル社会を

この幸福な立場にありながら

でたらめや理不尽が有る事を

知りながら黙認して生きている


僕らの生活は

沢山の死体の上に成り立っている


それなら僕らはそれらの死者に

いったいどんな態度で生きて

そして

いつどんな態度で死ねば良いのだろう



命とは何か

死とは何か


あらゆる欲求を満たし

いったい

僕たちは何を成せば良いのだろう


ただ生きてただ死ぬのではないなら

何故生まれてきてすぐ死ぬ命があるのだろう



音が鳴って僕に聴こえるように

今日も空腹が訪れては貪る






2015/09/24 (Thu)

[116] 愛するということ
詩人:清彦 [投票][編集]

誰かを愛するということ

目をつむってぼんやり

昔のことを思い出す

明確にくっきりとはいかないけど

心まで響く

あの景色

君の声



本を読み終えた後のように

深く吸った息を

言葉に出来なくて吐き出す

針の音は時を刻む

あれから

どれくらい時が流れたのだろう



人は簡単に狂ってしまうんだね

というより

今が狂っているのかもしれない

うつろいながら

波のように静かに揺れている



君の手首には刻まれていた

何故苦しんだのか

それなら

何故愛し合ったのか

僕は歌わずには生きられなかった

何故苦しみを避けなかったのか

世間と同化して

うまく生きられたのに



誰かを愛するということ

ひっそりと

今でも

暖かい日差しが

カーテンの隙間からこぼれるように


僕の人生に

ちらりちらり

今でも眩しく

輝いています



2015/09/23 (Wed)

[115] 並木道
詩人:清彦 [投票][編集]

夢も希望も見当たらない

気がつけば熱い日差しに蝉時雨

歩く並木道をぼんやり眺めながら

僕はあるとき雲だった

形を自由に変えながら

遠い空から地球を見送るように

たんたんと生きていたよ


人の群れ

青信号の合図で一斉に動き出す

交錯する

それぞれの場所へ

それぞれの道で

それぞれの意思で

その時は何の迷いもない顔

家へ帰ったら

どんな表情で眠って

どんな夢をみるのか


電子掲示板には

連日情報が溢れかえっている

この文字達との付き合いは

その向こう側に誰かが居ること

それを前提に成り立っているのか

情報に振り回されちゃいけない

けれどじゃあ僕たちって何さ


人は皆

生まれたら必ず死ぬんだ

そしておよそ間違いなく

今は生きてるんだ

夢も希望も見当たらない

「それも粋だね。」って

揺れる木葉が切実に教えてくれる


2015/09/19 (Sat)

[114] キャンバス
詩人:清彦 [投票][編集]

曖昧なプライドが

あろうことか

私を傷つけた

自尊心、自我、自惚れ

些細な事です

今となっては

陳腐な物です



風見鶏は自由か否かなんて

議論してる余地はなかった

蚊取り線香みたいに人生は

くるくる廻って

終わってしまう

そう、最初っから

解っていたから



手に取るコーヒーカップは

ただの合成素材で

こんなものが肉親や愛する人と

同じとは到底思わないんだ


ただそんじゃそこら中で

目まぐるしく廻る

育みや営みはどれ程の価値だろう


恋人と違えた喪失感は

中二病とニヒリズムを

発祥させました

ただそんな中で僅かに感じた

嬉しさや 解放感は

心というのは

実はいい加減なのだと

同じように

世の中だって良い意味で

どうでも良いのだと

時間を掛けて

教えてくれたんだよ



どうでも良いとは即ち

どれでも良いという事で

白、黒、赤、緑、青

使いこなせば良いじゃない


もう選択を拘る必要は無いかな

僕のキャンバスは

今度こそ本当に

自由の色とりどり

2015/09/19 (Sat)
183件中 (61-70) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 19
- 詩人の部屋 -