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さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[72] 平伏
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崇高な生き物
それが自分ではないこと
神に近づこうと
思考を深く深く
どれだけ深くもぐっても
限りはあるもの
神にはなれない
だから偉そうな答えはない
どれだけ望遠鏡をたくさん作っても
宇宙の果ては見えないし
いくら顕微鏡を覗いても
心は見えない
だから偉そうな答えはない
何も言えやしない

2011/05/04 (Wed)

[73] 感無量
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何がなんでもゴールデンウィークは終わる
だらんだらんした毎日も
一掃しなければならない
だが私たちは忘れない
その日々に何かしらの価値があったことを
そして来るべき盆休みへ
希望を胸に精進していくことを

さらば!ゴールデンウィーク!

おはよう!今日からの日常!

2011/05/05 (Thu)

[74] 
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君が涙を流したら
波は僕の爪先に
"冷たい"
それは僕の言葉
それは僕の爪先
君の頬

海はしょっぱいね
君の涙もおんなじだ
もしかしたら君の涙
海なのかもしれないね
どれだけたくさん泣いたのかな
いつまでたくさん泣くのかな

君が海を流したら
雫は僕の爪先に
"あったかいね"
それは君の心
それは君の目
僕の爪先

2011/05/05 (Thu)

[75] 淡い紅色
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肩が触れあえば
恥ずかしそうに距離をとる
初めて名前を呼んだとき
きょとんと見つめられた
喫茶店ではいつも紅茶
レモンティーが好きだと言った
春には桜を見に行って
日が暮れるまでそこにいた
祭りの日は混んでいて
手を握るとうつむいていた
眠れない日はそばにいて
普段話さないことも話せた
いつだって君は少女で
いつだって僕は子供で
好きなんてまともに言い合えない
そんな仲だったけど
いつだってわかってた
今だってわかる
好きなんだってこと

2011/05/06 (Fri)

[76] 飛行船
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コンパスもなく
風に流され
小さくなっていく飛行船
そこから見た世界に
線なんか見当たらない
小さな街から
手を振る人が見える
心優しい貴婦人は
その人に向かい手を振る
どこに行くんだろう
そんな僕らの思いをよそに
ぷかぷか飛んでいく
青い空を
ぷかぷか飛んでいく

2011/05/06 (Fri)

[77] 無題
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世界はそんなに素晴らしい?
そんなにまでして生きたがるほど素晴らしいの?
生まれてこなきゃよかったって
どんだけ自分に嫌気がさしても
死ねない心を作ったのに
この空はだだっ広いだけ
何にも知らないでそこにあるだけ
そんな空を愛せるの?
傷つけたり傷ついたり
めんどくさい人の戯れに
楽しいと感じられるの?

嫌だよ
見えないものは信じられないよ
感じられないものは無関係なんだよ
聞こえないものは無いんだよ
それでも世界は素晴らしい?
生きててよかったって思える?

死んだ方がましだ

2011/05/08 (Sun)

[78] セピア
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人差し指で作った川は
二人で築いた山に向かう
頑張って作ったトンネルを抜けて
スコップで掘った湖へ
流す涙ももうないから
海の水を拾ってきた
ここに船を浮かべたら
二人で世界を旅しよう
そんな約束を交わして
夕日を眺めていた
ただきれいだったから
二人でいるのが好きだったから

2011/05/08 (Sun)

[79] からっぽ
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瓶に入れた虫
息苦しくて羽をたたんだ
きらきらした目
子供は見ているばかり
何が楽しいの
何にもわかっちゃいない

神の御前に膝をつき
罪を告白すれば
与えられるのは罰?
失われるのは罪
何のためなの
なんで神に頼るの

からっぽなんだよ
瓶の中身はもうとっくに
からっぽなんだよ
像の中に神なんていない
いつからだろう
いつまでも、だろう

2011/05/08 (Sun)

[80] かけがえのないもの
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"この詩を一匹の犬に捧ぐ"

耳を触るとくすぐったいみたい
そんな君が好きだった
おやつにばかり目がいって
盗み食いしてただろう
玄関を勝手に開けて「見つかった!」
びっくりした顔が好きだった
ベッドの下に潜り込んで
みんな探し回ったよ
一緒に散歩に出掛けたら
手を引っ張って走る
息が切れて僕が止まると
君はそこで待っててくれる
頬を撫でたらすりよって
甘えてくる君が好きだった
君の見る世界が見たくて
君と並んで座り込んだ
眠ってる君にいたずらして
その度君は不機嫌だった

忘れないよ
最初会った日のことを
君の名前を
その鳴き声も
ただ今は心から言いたい
ごめんよ
自由にさせてやれなくて
本当に
君のこと好きだった

2011/05/09 (Mon)

[81] ヒト
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ある人は自分を傷つけ
あらゆることを耐えている
ある人は母を思い
傷つかない言葉を選んでいる
ある人は無き日を憂い
黄昏の中で生きている
ある人は胸を張り
必死で自分を正当化する

人として思う
人でなければと
ただ一刻の夕闇になり
忘れてしまえたら

ある人は他人を傷つけ
あらゆることを無視している
ある人は自分を押し付け
これみよがしに親切にする
ある人は眠ることをせず
現実を失った虚ろな目を
ある人は優しさに長け
あらゆることを蔑ろにする

人であるかぎり
恥を知り続けなければならない
心が痛むとて
それは人ばかりではない

ある人は他人に触れて
幸せだと言った
ある人は空を仰いで
喜びだと叫んだ

2011/05/09 (Mon)
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