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アルの部屋  〜 新着順表示 〜


[157] メランコリー・ゴー・アラウンド
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季節を何度
やり直しても
暑苦しい
着ぶくれの自尊心
脱ぎ捨てられずに

軽佻と浮薄
ふたつと
引き替えに
自分の冗句に痩せてゆく

取り敢えず
笑顔を作れば
気持ちは後から付いてくる
今も信じてるけど
理由も証さず黄昏は
ぼくの陰を上手に
闇に取り込んで
ブルーな気分に染め上げる

2010/08/18 (Wed)

[156] オンバー
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「目が見えなくなる
かも知れない」と
つい弱音吐いたら

「その時は
オンブすればいい」とか
ワケわからん事を言う。

「断る。
きみに
オンブしてもらったら
山に捨てられそうだから」
と答えたら

「違う、
あたしをオンブするの」と
ぬかしやがる。

思わず笑ってもた。

なるほど!
きみがぼくの目になり
ぼくはきみの足になれる。
きみ、アタマいいな?





「右っ!違う、違う。
1時の方向!」

「お前、それ
右斜め前て言うんだよ!」

「じゃ、それで」

「今頃遅いんだよ
もっと早く言えよっ!」

「ミギナナメマエ!」

「誰が早口で言えって
言った?」

パチン!

「痛っ!
なんでオレ
デコピンされんの?」

こんな風に
ケンカになるのは
目に見えている。

やっぱオンブはいいや。

2010/08/16 (Mon)

[155] ロンリー・ワン
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あの惑星は
美し過ぎて
地上の
忙しない営みを
一つ一つ
捌く気になれず
足が遠退いてしまう

手を出したい誘惑に
負けない努力と忍耐は
超人的にしている


感情を制御出来なければ
彼らと同じ…

あなたの操り人形では
ありませんから…

天使たちが笑う


わたしは怠け者でも
構わないのか?

はい
彼らはあなたに似せて
作られたのですから

わたしが
彼らに似せて
作られたのではなく?




…夢か
いや、
ここにたった一人
存在している現実が
悪夢なのかも知れぬ

…にしても
あれは美しい星だ
手を触れると
壊れそうなほど
繊細な青…

2010/08/15 (Sun)

[154] ぼくのシャドウ
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太陽に憧れながら
月に親しみを覚える

もう情念は
燃やせないけど
含羞に照れながら
微かに笑うことは出来る

彼には一歩も近付けない
だけど、きみなら
聞いてくれそうな気がする

2010/08/09 (Mon)

[153] フレンド・シッパー
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きみが浮かぶために
ぼくが一人沈む事はない
そうなったら
きみにぼくの亡霊を
背負わせる事になるから

ふたりが一緒に
水底で横たわる事はない
そうなったら
ぼくはきみを結局は
掬えなかった事になるから

それぞれが共に
水面で浮かぶしかないんだ
非力なこの腕でも
一度握ったその手を
今さら離せるはずもない

きみのために
ぼくを終わらせる
わけにはいかない
そしたらきみを
守れないから
無様に生き延びて
しがみ付くんだ
このささやかな命に

2010/08/02 (Mon)

[152] アン・アンローリング・ストーン
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丸くて
平たくて
思わず
マーカーペンで
イラストを
描きたくなるような
そんな石になりたい

なのに

角ばって
堅いだけの
がんばって
サンダーで
削りたくなるような
損なぼくであるのだ

だれか

川に投げ捨ててくれたら
少しは流れに揉まれて
滑らかになれるのに
自分では転がれずに
風化するのを
気長に待っている
ストーンヘッドな
ぼくなのだ

ちぇっ!
と蹴った小石が
ポチャリと落ちた

あ、ごめんしてね

2010/08/01 (Sun)

[151] レノンによろしく
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今度遭えたら
何を話そう
きみの知ってる
古くなった歌のことなど
きみの知らない
新しい歌を教えてあげよう

今度遭えたら
何を語ろう
きみ去りし後の
ぼくの毎日の生活など
きみの知らない
この哀しみ聞いてもらおう

きみが背伸びして
好きになった
ジャニスに出会えたかな
酒と薬で焼けた
皺枯れた声で
まだ歌っているんだろうか
きみのテキトー英語が
通じているか心配だけど
音楽があるから
気持ちは伝わるんだろう
レノンにもよろしく
最近丸いメガネに
変えたんだ

2010/07/28 (Wed)

[150] ナースコール
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彼女は82歳。
自分の娘に対しても
礼儀正しく
「お名前聞いても
よろし?」
と何度も尋ねる。

彼女は
今日も車椅子の上
個室の病室の
壁に向かって
独り静かに
座らされている。
ナースセンターが見えると
無闇矢鱈に
ボタンを押してしまうから

ナースたちも
命を賭けて働いている。
彼女たちを責めることは
出来ない。

記憶は復讐劇。
憶えていない方が
仕合わせな時もある。
でも
ぼくの記憶は
彼女の後ろ姿の
映像と共に
当分消えそうにない。

2010/07/27 (Tue)

[149] 10円玉
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両親が離婚したあと
母親は家を出て
父親は亡くなった

そんな孫娘に
おばあちゃんが
千円札の小遣いを
あげようとしたら
「10円のほうがいい」と
その子は言った
おばあちゃんが
「なんで?」と尋ねても
俯いたまま黙っている

ぼくは
その子が
電話ボックスにいる所を
何度か見かけたことがある
おばあちゃんに内緒で
家を出た母親に
電話をかけていたんだと
思う

たった8才の子が
自分を可愛がってくれる
おばあちゃんに
気を使ったのだろう




「…千円札より
10円玉を欲しがるなんて
本当に変な子だよ、
あの子は……。
あれあれ、どうした?
何で兄さんが
泣いとるの?
あんたも変な人だねぇ」

2012/02/25 (Sat)

[148] 泣きたい気持ち
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泣きたい気分は
生きてる証
Upside downな浮き沈み

死にたい気分は
活きたい標
Inside outな裏返し

降り注ぐ
言葉のShower
萎れたFlower
挫けそうな時も

吹き込んだ
言葉のPower
見上げるTower
登り続けるのさ

It'sまでmore...

2010/07/08 (Thu)
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