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良い席の部屋  〜 投稿順表示 〜


[91] 生き血を啜る音がする
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残酷な無慈悲の中ゾンビは死体の上をのた打ち回る。

柔らかな雲の下鳳仙が風に揺られて金粉を礼賛する人間をせせら笑う。

第三世界の片隅に、現代と現実とが交錯している当たり前が公然と聳えている。

確かな霊長の死に際を死角から見る者達はもう何処にも居ない。

只火輪が回り月が照り大地が息づくだけであるのだ。創造主に比せば不変に、千歳に。

2009/04/18 (Sat)

[92] 帰納的アカデミック
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赤っぽい激動の色とは朱色です。
山っぽい緑色の赤褐色は寿色です。
都会みたいな山羊の毛を一晩天日干しした色は濃い鳶色です。
言葉っぽい元気な塊の時計の秒針へ対する圧迫感は黄色い浅葱色です。
一体全体何のことだか分からないなと言う風な色は結局真っ黒くろすけです。
古風な男の陰惨っぷりは黒光りしたいぶしぎんのガンガンと鳴る金色です。
まあ大体こんな具合でしょうか。

2009/04/21 (Tue)

[93] パトス
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では見せてくれよお
有りっ丈のエネルギーをよお
黙って見ててやるからさあ
手伝ってもやるからさあ

無限大の可能性を自分よがりの考え方で縛っちゃって良いのかい
そんな事を言ったってショウガナイ
元気になったのは君らが来たからだろう
意味が分からんのは無理もないよな
俺だって分からん
分かってたまるか
それじゃ始めよう
頭冷やしたら、こっからスタートだ
ゴールは電信柱の向こうのあすこだ
きっと良い未来があるゼ

2009/04/23 (Thu)

[94] 盗っ人
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泥棒さん
泥棒さん
お前の盗んだ物は何
教えておくれよ泥棒さん
不幸せを盗まれた
なあんだ中々良い奴だ
もう帰っちゃうのかい泥棒さん
さようなら泥棒さん
あ、喜びを盗んでいった
泥棒さん
泥棒さん

2009/04/24 (Fri)

[95] 銀河ディノテーション
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星々が燦々とかがよう真っ黒な背景に、見えない星々が暗闇に同化して存在を消している。
あり得べかりし星々は、毅然たる様相を呈し続けているに間違いないのだ。
漆黒を制する者は一等星と、見え辛い三等星だろうか。
そうではないのかもしれない。
本当は莫大たる大宇宙を千歳に漂流し続ける元素より小さい光らない天体かもしれない。
そうでない、別のものかも知れない。
見えない世界とは、コスモにもあるもんだ。

2009/04/27 (Mon)

[96] notitle
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個があって無限が在る。
個を成す物が無限なのでは無い。
個から創造せしめらる無限性なのだ。
どうして断点しよう。
どうして自滅しよう。
天つ風に流れる蒼穹の粒子に笑われる。
太陽の一角に嘲弄されコニウムに殺される。
引き千切ってしまえる浅葱色の木の葉達にさえけたけた哄笑される。
嗚呼、虚しいものだ。太平洋の大海が、僕のとこまでやってきて塩辛い海水でどこかへ押し流そうとしてくる。
難しい事じゃあ、無い。
どこにでもある普通の事。

2009/04/27 (Mon)

[97] ションシー ケッチセ
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紙とも言えぬ様な得体の知れない紙があります。
その紙には沢山の墨汁の様な黒い点々があります。
それはぴょんこぴょんこと跳ね回っており、墨の跡だけが置いてけぼりにされています。
そんな事を永遠にやっているわけですから、もう紙は真っ黒になっているんじゃないかと思いますが、どういうわけか、ちゃんと黒い点々の墨みたいな跡がついているのに、真っ白の様な透明感があります。
揺れ動き、後ろに消え去っていく車窓からの風景の戸々、木々、電柱までも皆、その紙とリンクしているのです。
その時紙は只の平面では無く、縦に横にも縦横無尽にくるくる回っている風です。
紙ににょきっと小さい塔の様なものが建ちますが、実は今建ったのではなくもとから建っていたようにも思えます。
すると塔の先端から拡散したり、輪を作ったり、太陽の様に燃えだしたりします。
この紙は一つでは無いようです。沢山の紙の中の一つでしたが、実はこの沢山の紙の集合体は、もっと大きな紙の一つの黒い墨みたいな点でした。
その紙も、さらにそうかもしれませんが、そこまでは分かりません。

2009/04/27 (Mon)

[98] アイムファイター
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どこからでも掛かって来い
相手をしてしんぜよう
カマキリでもナメクジでも宇宙人でも愛だの勇気だのなんだっていい
さあ戦おうじゃないか
今まさに闘おうじゃないか
苦し紛れにでも闘えばいいじゃないか
酔拳酔拳葛藤拳
負けるときだってある
いや、負けるばかりだ
だが、闘魂がメラメラと燃え上がる
不撓不屈の精神が捲土重来を巻き起こす
闘志が血潮を湧き立たす
石にかじりついてでも
手がなくなったら脚で
脚がなくなったら歯で
頭がなくなったら念力だ
今が勝機だやれいけそれいけ
さあ健闘を祈る

今闘争の鐘は鳴り響きました

2009/04/28 (Tue)

[99] 南贍部洲旅行記
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むんむんと漂う空間の中に汽車を降りると、足場を誤り汽車とプラットフォームの間の石炭袋に落ちそうになった。
得体の知れない南贍部洲の妖精に助けられ難は逃れた。
感謝したい。
ここでは空間からはみ出してしまわないように気を付けるのが大変である。
800年前に旅行に来た時にいた恐竜はしっかり絶滅しまっているのを改めて確認させられた。
風景たりや面影も些少なり。

蒼穹異常無し晴れ渡り透き通る事空海の水玉の如し、絶景かな。
野山に色づく自然もまたよし。
人々の活動たるや取るに足らず総じて多元の壁面に及ばず。
存知の既知と忖度し多くの感動は胸中に伏する。
科学技術についてはラクゼア式で下の上である。
見所のある少年に干渉してみたが対応し兼ねる様子であった。まだ淡いか。
浪打駅までタクシーで行き、一服してから汽車に乗り込んだ。これにて7秒の旅行おわり。
猫を一匹もって帰えることにする。

2009/04/29 (Wed)

[100] くれないの花
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僕たちが笑っているときに花も笑っているようだった。
戦争で兵隊が沢山死んでるとき、太陽はいつものように回っていた。
多くの人たちが死に、人々は悲しみにくれていても大空を流れる雲は凛としている。
この上ない絶望を感じ、死を選らんだ人々の足元に不変的な綺麗な花が生命の火を燃している。
とある人が狂喜していても、夕日に照る丘の上の木は涼しい風に揺られて木の葉を散らしている。
この世の終わりだと嘆き、世界が虚無的で陰鬱なものにしか見えなくなってしまった人の裏側で、夢と希望とを撒き散らすものがある。
見えない世界での、よくある、普通のこと。
死屍累々が、絶望が、悲哀に満ちた人生が、お金と無為な自然と隔離された小さな世界で、日々闘争を続けている。
哀れなるかな。哀れなるかな。
草木は青々とし、浅黄色の若葉もウキウキして小川のせせらぎを眺めています。

2009/05/03 (Sun)
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