[13] 朝のリレー |
カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
駅の前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
谷川俊太郎
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長々とごめんな。この詩を見て、俺、詩を書くようになってな。ぜひ、この詩でなんか感じて欲しいと思ってね。