[356] 哀華基金 |
哀華の精神世界を占めていた大きなものに音楽と詩があったと思う。夢みたいな話だけど、彼女の名前を冠した基金を創設出来たらと最近考えたりする。名称は「Takayo Fund」でも何でもいい。
それぞれの胸の中に彼女はまだ生きていて、思い出しては時に涙が流れたりする。それは階段を降りて暗い地下室で過ごす行為に似ている。哀々しいけれども穏やかで妙に落ち着く精神空間。だが、そこからは新しいものは何も生まれず、一歩も前へは進めない。彼女の停まったままの時間を再び動かしてあげたい。
詩や音楽を志すこれからの人を、哀華の名前を冠した基金で応援し、少しでも背中を押す事が出来たら、と。その一番最初にやらなければならない仕事は哀華の詩集を出す事だが、今の僕にはその資金も活力もない。