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感想掲示板  〜 記事No.287に返信します 〜

[287] 私家版・詩人の部屋
投稿者:アル

《共鳴反射装置》

あなたのことを
脳裏に描いて想ってみる

もはや
あなたはぼくの一部であり
恐らくぼくのカケラも
あなたに宿る

いま笑ったでしょ?
だって伝わってきたもの

響くよ、なんだって
例えばそれが
何だかわからなくても

ミシッ!という
あなたに入る
微かな亀裂の痛みさえ
ピクリと超音速で
ぼくの内部に谺する

2011/07/21 21:33


[288] 足軽自閉隊 - アル

つんつくつんつん
背中に何か当たる感触
振り向けば
白い毛並みが
凋落して黄ばんだ
足軽一匹
一目散に逃げて往く
陣地の門がパタリと閉まる

己の疾しさ見透かされ
逆恨みの焔に
乏しい勇気の油を
振り絞った様子

お主が羨み妬むほど
身共は立派ではござらぬ

背中に付いた埃を
鞘で振り払うと
暑気払いの
心地好い風に吹かれ
澄み渡る蒼穹を仰いだ
2011/07/17 23:17

[289] ポジをネガう - アル

地を這うような低空飛行
上昇気流に乗れなくて
人のコトバが素肌に痛む

荒れ狂うtypoonもやがて
温帯低気圧に変わる
チャリンコくらいの早さで

手のひら返すように
ポジが空に吹き上がるのを
ネガうよ
明るい陽射しが差すように

2011/07/21 21:41

[292] 歩きながら -
いいのかな
この道で
歩きながら考える

いいのかな
この便せんで
書きながら考える

いいのかな
この部屋で
見上げながら
声を掛けてみる

2011/08/11 00:37

[293] アルキメデス - アル

いいんだよ
この道で
歩いていれば
いつかはわかる

果てしなく
真っ直ぐ行けば
元いた場所に
再び戻るけど

この猛暑の中
くたびれ果てて
汗をかいたら
お湯タップタプの
バスタブに浸かれば
溢れた分だけ
その浮力と抵抗感が
ぼくの実存を証明する

歩きながら
この目で見渡す
「歩き目です」の原理
なんつって、ね?
2011/08/11 21:57

[296] 花の話 - アル

花一輪
活ける前から
知っていた
やがて萎れる
ゆえに愛しき

2011/08/20 23:51

[298] イス取りゲーム - アル

自分大好き

ぼくの中に
自分がある限り
そこには戻れない。

愛しています…

それが
「ぼくを」でなくなった時
コペルニクス的転回を
見せる。

変えるなんて
おこがましい。
変われよ、自分が。

そこには
ぼくの座る席がない。
指定された椅子の上
みんなが動かなければ
ゲームなんて成立しない。

サークルから外れたら
意外な歓びが
くちびるからこぼれ出た。

2011/08/29 21:08

[306] エクリプス・オブ・マインド - アル
【皆既心食
流星群に言寄せて】

火の気のない部屋
布団に身をくるんで
天井透かした夜空
ただ眺めてる
黄金色の円い衛星が
この戸惑う星の
影に紛れて隠れん坊
鬼は何処にいるのやら
優しかったり
冷たく見えたりするのは
人の心の満ち欠け
「もういいかい?
マダラだよ」

人気のない公園
ベンチに腰かけて
天空翔る流星群
また探してる
肩を並べた双子の星座が
燃え尽きてく
命の光を見守る夜更け
鬼は何処にいるかしら
欲しがったり
要らなくなったりするのは
人の心の満ち干き
「もういいかい?
カルマだよ」

ブラフマン
虚仮おどしでなく
アートマン
小手先でもなく
梵我は同じ
満ちては欠けて
流され消えて
ぼくら宇宙を翔け巡る

「もういいかい?
ダルマだよ」

2011/12/16 23:49

[307] 叶わない空の色より - アル

「空は曇り私も曇り
果てしない
自己満足の世界へ
ようこそ」

赤茶けた大地の上
今にも泣き出しそうな
空模様

君が最期に更新した空は
05/07/22.
おそらく亡くなる日の夜

たった2ヶ月足らずの
君の空
そして
6年と半年続いた
君のいない僕らの空

カタチあるものは
いつかは滅びる

でも
記憶の中に
永遠にあり続ける
僕らの空だ

2011/12/29 15:51

[309] 光合成 - アル

予感を孕んだ春は
どんな色や形で咲くのか
知らずにいた

溜息の温室効果ガスが
すべての息者たちの糧に
なることも



悪寒に震える冬は
見境もなく着膨れをして
天を仰いだ

枯れ木が落葉したお陰で
あんなに空が広いことに
気付くことも

新しいことは
多分なにもない
昔からあったものばかり

ひとつ貰ったら
ひとつ返さなきゃ

一枚一枚脱ぎ捨てて
生まれ変わったふりをして
また藪睨みで
顔を向けてみる
光差すあの辺りへ

2012/01/01 11:05

[316] 秋彼岸 - アル

穏やかに

きみの母さん

身罷りぬ

忘られぬ日の

夜が更けゆく
2012/09/22 00:41
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