頑張るのは
少しだけ

嘘つくのも
少しだけ

優しくするのも
少しだけ

自分の愛せる部分も
少しだけ

突風に
持ってかれた

からりと
笑った空

行方は
太陽が眩まして

取り残された
中心

緑の匂いの風

かすかな君の声

雲ひとつない足元に

ぽつり
通り雨

消したい
忘れたい
ではなくて

ちょっと頻繁には
思い出したくない
過去がある

さすがにある程度
寝かしつけられるように
なったから

せめて
起こさないであげて
目覚めるのが怖い
知られるのはもっと怖い

さりげない楽しみ

派手さのない幸福

いいとか悪いとかじゃなくて

傷の舐め合い

それでも暖かくて

それでも優しいのなら

生きていけると思った。

雨に凍えるのは

まだ寂しい証拠に他ならない

肌寒い夜に

しとしと

甘い音

君はどこへゆくの？

あたしはここから動けそうにないよ

踏みつけられず

踏みにじらず

憎まず

嫌われず

厄介な自分を

閉じ込めたままで

苦い薬。

仕事と後悔を積載。

気が抜けるくらい

乾いた空気に

少し自失する。

また繰り返してゆくのです。

サディスティックなスタートを以て。